第18回「エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座」(大阪)

  • 開催レポート

10月29日(土)、今回で4度目となる大阪での養成講座がスタートしました。当日は54名の皆さまにご参加いただきました。開催にあたり、サポーターの方々に当日の運営面で多くのご協力をいただきましたことを心より御礼申し上げます。

参加者

54名の方にご参加いただきました。

職種の内訳は、看護師49%、介護関連職種24%、医師9%、リハビリテーション職5%、薬剤師4%、その他9%でした。その他職種にはソーシャルワーカー、管理栄養士、心理職、相談員など、多彩な職種の皆様にご参加いただきました。

地域別では、開催地の大阪府のほか、兵庫県、和歌山県、山口県、島根県、奈良県、広島県、徳島県など幅広い地域の方に集まっていただきました。

 

講座の様子

協会理事であり、横浜で在宅診療を行うめぐみ在宅クリニック院長の小澤 竹俊が、2日間の講師を務めました。

2日間の講座では、以下の要素を学びます。

  • 課題背景(2025年問題に備えて)
  • 人生の最終段階に共通する自然経過
  • 苦しむ人への援助と5つの課題
  • 意思決定支援
  • 自宅・介護施設で求められる症状緩和
  • 多職種連携で「援助」を言葉にする(マクロ)
  • 1対1で対応する(ミクロ)

ただ受け身で聞くのではなく、ロールプレイや事例検討のためのグループワーク、学んだことの振り返りなど、ほとんど休む間もなく、口と手をたくさん動かしていただきました。

懇親会

終了後、約半数の方が懇親会にご参加くださいました。和やかな雰囲気で会話が進んだ後、全体で他己紹介としてお相手についてご紹介いただきました。

受講者の生の声(当日)

2日間の養成講座も終わりに近づいたころ、会場内で受講者のみなさまから、そのとき感じたことを生のお声として頂戴いたしました。

上戸 慶子さま、介護職
ハート介護サービス阿倍野(大阪府)

伝えることの難しさを痛感しています。あと、私自身できない部分が沢山あることも再発見、再自覚しました。これまで困難なことにはおよび腰でしたので、もう一度いろんなことにしっかりと向き合っていきたいと思いました。ネガティブなことを(聞いたときに)どうしたらよいのか分からなかったので、沈黙が多かったのですが、ネガティブな言葉も反復してよいと先生がおっしゃっていたので、今後は沈黙するだけでなく反復していきたいと思っています。

 
 

前田 美紀さま、事業所管理責任者
医療法人社団 甲友会 法人本部(兵庫県)

急性期や回復期、在宅までの事業を持つ医療法人で在宅事業の統括をしています。今回、介護の最期の看取りというところで、何か介護者に伝えることがないか、また地域の方にも知っていただきたく受講に至りました。今日学んでより一層必要性を感じ、職場・地域で伝えていきたいと思いました。一番は「支え」のところで、人を支えている人が一番支えが必要だという言葉に感銘しましたので、そういったことも伝えていきたいなと思います。

 
 

上田 三惠さま、介護支援専門員
NPO法人あいらんど(和歌山県)

ケアマネージャーをしています。高齢で死に近づいていく自分を受け入れられず、不安でいっぱいの方と対面することが多い中、自分がぶれずに対応できていないことに不安があって受講しました。「聴いてもらえている、わかってもらえている人に話してくれる」ということに気付かされ、実践で反復をやらせてもらって、これからも失敗しながらでもやっていけると思えました。コミュニケーションが基本になるかと思うので、日常生活の中でも仲間や多職種の方と意識しながら仕事をしていきたいと思います。

田貝 泉さま、管理栄養士
社会医療法人 三宝会 南港病院(大阪府)

訪問栄養指導もしており、地域包括ケアにも関わっています。私は人に心を開いてもらうことが得意だと思っていたのですが、ロールプレイを通してあまり人の話を聴いていなかったり、先取りして言っていないことを言ったりして、出来ていると思っていたけれどそうでもないな、と思いました。何でも話してもらえる人間になって痛みをとってあげたいです。苦しみはわかってくれる人がいると和らぐということもわかったので、人の苦しみをわかってあげられるのは価値あることだと思う人を増やしていきたいです。

上野 陽子さま、介護職
社会福祉法人萩原会(和歌山県)

ターミナルの研修で知り合った看護師さんにこの研修が良いよ、と教えていただいて、少しでも役に立てたらという思いで参加しました。ロールプレイを通して沈黙や反復、そこから支えを聞いていくプロセスを学べたので良かったです。私だけでなく、同じ職場の人、同職種の人、そのほかの人にもどんどん広げていけたらと思います。

太田 敦子さま、看護師
さかもと訪問看護ステーション(大阪府)

在宅で看取る方が増えていますが、接し方が難しいと感じる事も多いです。うちの職場ではみんながこの研修を受けており、職場でもよく「支えは何だろう?」という話をされていました。自分は支えの意味が良く分かっていなかったのですが、今回受講して支えにはいろんな形があること、ご本人と見つけていくことが大切なことがわかりました。人との関わりという難しい面がありますが、反復など技術を使いながら、でも出来ない自分も認めつつ、その人に寄り添っていけるように頑張ります。

 

受講者の生の声(後日)

受講後、職場に戻って実践していらっしゃるみなさまの今をお聴きしました。

横田 尚樹さま、介護支援専門員 
医療法人橘会 居宅介護支援事業所 万年青(大阪府)

在宅でケアマネージャー業務に就き5年が経ちました。実際に私自身が人生の最終段階を迎えた人やその家族と関わることも増え、支援に悩むことも多くありました。そんな中で職場の上司の勧めもあり研修に参加させていただきました。


その人の「苦しみ」を知り、「支え」をキャッチすることに繋げていくために、まずは「(相手が)私を理解してくれる人」になれる関わりが必要だと思いました。ロールプレイで援助的コミュニケーションのスキル、沈黙や反復を実際に受けて痛感しました。


今、私たちが支援する利用者、その人の大切な人生の最終段階に何ができるのかを考え、自分が出来ること、チームの力をあわせること、なによりその人と一緒に「支え」をキャッチできるような関わりを大切にしています。それと「誰かの支えになろうとする人こそ一番、支えを必要としています」と言うことを知り、当事業所の仲間とともに支えあいながら実践に取り組んでいます。


人生の最終段階に関わることの難しさを感じているのであれば、ひとりで悩まないことです。自然と力になってくれる人とつながり、楽しめる講座になると思います。

 

位頭 薫さま、介護支援専門員
特定非営利活動法人ゆいまーる(徳島県)

私は、徳島県でケアマネージャーをしています。徳島県の実情として病院や施設が多いため自宅での看取りはほとんどありません。当事業所はNPO法人ということもあり、終末期の患者様が病院から自宅へ帰られる際に、ケアマネジメントの依頼を受けることが多々ありました。しかし、基礎資格が看護師ではない私には、終末期や看取りとなると自信が持てませんでした。そんなときに、ケアマネージャーの友人からELCを紹介されてシンポジウムや研修に参加し、これなら私にも何かできるかもしれないと思い養成講座を受講しました。 


養成講座では、1日目に「苦しむ人の援助と5つの課題」について理解し、2日目に「苦しむ人の援助と5つの課題」に対するアプローチを学びました。1日目が終わった後は、はたして私に苦しむ人にとって「理解してくれる人」になることができるのだろうかと自信喪失気味でした。ところが、2日目を受講して「反復・沈黙・問いかけ」を一度に実践するのではなく、ひとつひとつ丁寧に行っていけばいつか身につき、私でも理解してくれる人と思ってもらえるようになれるかもしれないと思えるようになりました。


日常業務に戻りご利用者様やご家族様に対して「反復」を実践し、ご利用者様に「あなたには、喋りやすいわ」と仰っていただき、もしかしたら養成講座の効果かなと思っています。そして、これを私だけでとどめておくのではなく、同じケアマネージャーの仲間に伝え、より多くのご利用者様に穏やかな日々を送っていただくことが、私にできることではないかと考えています。


この二日間は、本当に一日が早く感じました。小澤先生が丁寧に指導してくださったこと、仲間と一緒に悩みながら学んだことは、支援者としての私の支えのひとつになり、これからも何かあったときには繋がっていると心強く感じます。フォローアップなどで、一緒に学んだ仲間と会えるのが楽しみです。

 

堀口 知穂さま、看護師
宇陀市立病院(奈良県)

私は自身の看護テーマを「看取りのケア」として個人で勉強に取り組んできました。書店で小澤医師の「今日が人生最後の日だと思って生きなさい」と出会い、速攻読み終えて気が付けばエンドオブライフケア協会の研修に申し込んでいました。

研修会は脳細胞をフル回転しても、始まった時がはるか昔に思える程に充実した内容でした。一番の学びは「オウム返し」ではなく「反復」することです。今は整形外科病棟で勤務しており手術が主な病棟なので「反復」はあまり活かせないな、と思っていました。しかし今まで「安心」してもらいたいと思い『大丈夫ですよ』と対応していたことで、半ばループのように同じ内容のやり取りを患者様していたことに、「反復」を使うことで患者様から「不安」の表情が消える瞬間を見る事ができました。その瞬間、私は今までどれだけ患者様の気持ちに【否定】の言葉で遮っていたのかを知りました。けれど使おうとすればするほど「反復」は難しく、これからがスタートと研修会で言われていた事を今現場でありありと感じています。


研修会は2日間と長丁場と感じる方もいるとは思いますが、「人生最後の日」に立ち合える私達だからこそぜひ参加してほしいと想います。


落合 紀子さま(大阪府)

私の働く有料老人ホームでは、昨年ぐらいより看取りを始めましたが、スタッフの知識も少なく、ターミナルの方はただナースステーションにパジャマのまま来られてイスに座っているだけで、一人ぼっちの姿を見かけました。挨拶などの声掛けはしますが、寄り添いやサポートは出来ていないなと感じ最終期を迎えられた方の寄り添いの勉強をしたいと考えていました。


講座は、2日目はワークが多く、患者役をしたり色々な役(ポジション)をする中で自分の気持ちを人に話すだけでしんどくなったり、第三者(客観的)にサポート例の会話を聞いていると、その返し方では負担になるなと色々な角度・側面から見ることができて勉強になりました。


現場に戻り、受講中の練習を少し大げさにしていたためか、現場では患者様(入居様)に同じ言葉を返してあげたり、家族様にその方の昔の様子をうかがったり、ご本人の意志を確認したりと自然に出来るようになっていました。


受講料は高いですが、人の気持ちを理解できる人間に成長できます。

 

 

まとめ

大阪では、今年5月に行われた第12回に続いて4回目の開催でした。受講後、Facebook等を通じてそれぞれが開催している勉強会を紹介し参加し合うなど、交流が続いているようです。

協会としては2日間の講座を提供して終わりではなく、受講した方がさらに理解を深め、実践し、振り返り、自らと周囲を進化させていく、そんなお手伝いができたらと願っております。

次回は、11月12日(土)-13日(日)、東京開催をレポートいたします。

 

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