講座開催レポート News


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第49回「エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座」(横浜)


8月4日(土)・5日(日)、横浜でエンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座を開催いたしました。当日は88名の皆さまにご参加いただきました(2日間の受講者、eラーニング+2日目集合研修の受講者、ファシリテーター候補者枠の方を含む)。開催にあたり、運営をご支援くださった地域学習会ファシリテーターならびにファシリテーター候補者のみなさまに心より御礼申し上げます。

参加者

職種の内訳は、看護師55%、介護支援専門員12%、介護職7%、医師6%、リハビリテーション職2%、相談員2%、その他16%でした。その他職種にはソーシャルワーカー、歯科衛生士、薬剤師、キャリアコンサルタント、デザイナー、鍼灸マッサージ師、報道、教員、僧侶、事務など、多彩な職種のみなさまにご参加いただきました。

地域別では開催地の神奈川をはじめ茨城、栃木、東京、千葉、埼玉などの関東地方からのご参加が目立ちました。一方、鳥取や大阪、九州・沖縄など、遠方からのご参加者もいらっしゃいました。

 

講座の様子

協会理事であり、横浜で在宅診療を行うめぐみ在宅クリニック院長の小澤 竹俊が、2日間の講師を務めました。


2日間の講座では、以下の要素を学びます。

  • 課題背景(2025年問題に備えて)
  • 人生の最終段階に共通する自然経過
  • 苦しむ人への援助と5つの課題
  • 意思決定支援
  • 自宅・介護施設で求められる症状緩和
  • 多職種連携で「援助」を言葉にする(マクロ)
  • 1対1で対応する(ミクロ)

ただ受け身で聞くのではなく、ロールプレイや事例検討のためのグループワーク、学んだことの振り返りなど、ほとんど休む間もなく、口と手をたくさん動かしていただきました。

懇親会

終了後、約半数の方が懇親会にご参加くださいました。

 

受講者の生の声(後日)

受講後、職場に戻って実践していらっしゃるみなさまの声をお聴きしました。

阪口志帆さま、医師
東京女子医科大学東医療センター(茨城県)

 10年前、5年生の私はどの指導医も答えられない質問を抱えていました。「癌の苦しみも、抗がん剤の苦しみも、もう死んじゃう苦しみも、知りません。どう共感すれば、傷つけなくてすみますか?」本当は、本気で向き合うことができれば良いことはわかっていました。ただ、本気で向き合うのは怖いのです。模索して在宅や緩和ケアの勉強を始めました。

 昨年、機会あって小澤先生の診療見学をしました。「理解不能な言葉を操る押しの強いおじさん」の質問攻めで、真冬なのに嫌な汗をかきました。関わる家族は、とても難しいディグニティセラピーの質問をあっさりと理解し、死んでしまうのは悲しいけれど、この時間はとても穏やかですと良い顔をされていました。学生時代の質問を小澤先生にすると、「先生が理解しているかどうかじゃない。相手が理解されていると思うかどうかが大事だ」その瞬間、世界が180度変わりました。見学を終え、デイサービスを営む実母に全てを話しました。「当り前じゃない」

 もしかして、介護の人たちや家族の方が、どう生きたいか、どう死にたいか、医者なんかよりずっと上手にサポートできるの?

 セミナーにはスキルを持ち帰るため、職場の緩和認定看護師を同行しました。参加者の多くが過日の私と同じ嫌な汗をかいていました。診療見学しなくても、スキルと経験が真っ新な参加者の頭に入っていくのはとても素晴らしいと感じました。

 70代男性、奥さんの余命数時間。黙って隅っこに座っています。問いかけパターン3の出番です。50代女性、余命半年、今後の話がご主人とできない。事例検討ワークシートの出番です。70代男性、独居の飲兵衛、余命数週、死ぬのが怖い。「鍋の取っ手」探しです。向き合うのはエネルギーが必要です。でももう怖くはありません。患者さんたちの穏やかな顔は宝物です。是非そんな顔、見てみたいわ、という方に参加をお勧めします。

 

平野雅夫さま、介護支援専門員
高齢者グループホームかもいの家(神奈川県)

 今春から、二階建て空き家を活用した地域の拠点づくりを、志ある仲間と共に準備を進めています。看取りと居場所機能を併せ持った第二の我が家づくりです。

 そんな折、「しろいにじの家」の千場純先生からELCの存在を教えて頂きました。早速ホームページで確認したところ、これは何としても勉強したい・しなければと思い、申し込みさせて頂きました。

 受講して心の底から良かったと思いました。視点は明確・明瞭で何よりとても濃く深い内容でした。でも正直、こんなに頭が疲労困憊した研修・講習会は初めてでした。はじめは歳のせいかと思いましたが、内容のなせる業であるとまもなく気が付き、その後は心が喜んでいました。

 援助的コミュニケーションの基本的技法については、これまで経験的に自分では実行してきたつもりでしたが、文字通り、つもりの経験、でした。例えば反復の技法では、相手の話す内容を要約して返すという誤った理解や、表出する感情を、こちらの思い込みで解釈したりしていました。相手の発する言葉に対して、謙虚さが、自分には欠如していたと知りました。そして、さらに得心したことは、私が相手を理解するのではなく、相手が私を理解するという、主語の逆転です。これは目から鱗でありました。

 この二日間の講座は懇親会も含め、私が次に何をしなければならないのかを教えて頂いた貴重な時間でした。懇親会では、小澤先生には、初対面にもかかわらず私の話を聴いて頂きました。心に沁みるものがあり深く感謝の念に堪えません。有難うございました。

 仲間や私が所属する会議には、この養成講座を報告すると同時に講座の参加を勧めます。そして私自身2回目の講座参加と、それ程遠くない将来に予測される事態を見据え、現在は学んだことを復習しつつ、日々の暮らしの中で、実践・検証を心掛けています。第二の我が家に資するであろうことは言うまでもありません。

 振り返りの機会を与えて頂きまして誠に有難うございました。

 

伊藤杏香里さま、介護職
横浜療育医療センター(神奈川県)

 私は重度心身障害者施設で生活支援員として働いています。今回の研修に参加したきっかけはその職場で近年お亡くなりになる利用者様が増え、亡くなるまでの期間が短い方が多く、その中で利用者様が望む最期を迎えられるようにするにはどのように支援をしたらよいのか。生活支援員である自分には何が出来るのかを知りたいと思ったからです。

 そして2日間の講習を経て、死への苦しみとは本人の希望と現実の開きの差のこと。その差を小さくするよう支援していく事で緩和できるのだと学びました。さらにミクロやマクロといったアプローチ方法や演習を通し実践練習を行なう事で現場に近い形で学ぶこともでき、現場でも応用しています。職場の利用者様は自分の意思を言葉で伝える事が難しい方がほとんどですが、今回学んだ事を踏まえて推定意思を考えていけるようになりました。

 現在の職場では死に向かう利用者様のアプローチや支援方法に具体的なルールや支援方法などが無いためその都度カンファレンスを検討したりしていますがもっと普段から一人ひとりのエンドオブライフケアを考えていけるような地盤作りをして行けたら良いなと感じました。

 最後に、今回の講習会直前に私自身身内を亡くし、悩みや不安を抱えていましたが、一緒に受講した方々とロールプレイングや休憩時間に交流しお話できたこともあり、とても気持ちが楽になりました。職業上看取りや死に関わりのある方だけでなくどなたでも参加が薦められるものだと思います。

 今回は参加させて頂き、有難うございました。

 

まとめ

横浜開催は、今年4月に行われた第43回に続いて今年3度目の開催でした。近隣の東京都内や同県の横須賀市などでは、認定ファシリテーターの皆さまにより、受講後に継続的に学びを振り返り、交流する場が設けられています。今回は地元横浜をはじめ、各地からファシリテーター候補枠での参加者が多く集まりました。

協会としては2日間の講座を提供して終わりではなく、受講した方がさらに理解を深め、実践し、振り返り、自らと周囲を進化させていく、そんなお手伝いができたらと願っております。

次回は、9月29日(土)-30日(日)、仙台開催をレポートいたします。

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