講座開催レポート News


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第50回「エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座」(仙台)


9月29日(土)・30日(日)、仙台でエンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座を開催いたしました。当日は38名の皆さまにご参加いただきました(2日間の受講者、eラーニング+2日目集合研修の受講者、ファシリテーター候補者枠の方を含む)。開催にあたり、運営をご支援くださった地域学習会ファシリテーターならびにファシリテーター候補者のみなさまに心より御礼申し上げます。  

参加者

職種の内訳は、看護師60%、介護支援専門員13%、ソーシャルワーカー8%、保健師8%、リハビリテーション職5%、医師3%、介護職3%でした。

地域別では福島県からの参加が4割を占めたほか、開催地の宮城県と青森、岩手、山形などの近県や、遠く福岡からのご参加加者もいらっしゃいました。

 

講座の様子

協会理事であり、横浜で在宅診療を行うめぐみ在宅クリニック院長の小澤 竹俊が、2日間の講師を務めました。


2日間の講座では、以下の要素を学びます。

  • 課題背景(2025年問題に備えて)
  • 人生の最終段階に共通する自然経過
  • 苦しむ人への援助と5つの課題
  • 意思決定支援
  • 自宅・介護施設で求められる症状緩和
  • 多職種連携で「援助」を言葉にする(マクロ)
  • 1対1で対応する(ミクロ)

ただ受け身で聞くのではなく、ロールプレイや事例検討のためのグループワーク、学んだことの振り返りなど、ほとんど休む間もなく、口と手をたくさん動かしていただきました。

懇親会

終了後、半数近くの方が懇親会にご参加くださいました。

 

受講者の生の声(後日)

受講後、職場に戻って実践していらっしゃるみなさまの声をお聴きしました。

 

扇柳津也子さま、リハビリテーション職
ホームケアクリニックえん(岩手県)

 私は訪問リハビリに従事しており、利用者さんのご自宅に訪問しリハビリをしています。

 リハビリとしては、人生の最終段階に関わる機会は少ないですが、「痛くて死にたいくらいだ」「こんな世話になってまで生きてるのも…」という利用者さんからの言葉に、私は言葉に詰まりその場をしのいでばかりで、そこに対応できる何か術はないものか、と思いあぐねてました。そんな時、職場スタッフに誘いを受け今回参加させて頂きました。

 今までは「何か役に立ちたい」という自分主体の考えだったのが、「苦しんでいる人は自分の苦しみを分かってくれる(理解してくれる)人がいると嬉しい」という相手主体の考えに出会えたことに、目の前が開けた感じがしました。

 ロールプレイでは当事者・支援者と役を入れ替えて「反復」「沈黙」「問いかけ」を行い、当事者役になってみると聴いてもらえる安心感があり、これが「分かってくれる人がいると嬉しい」ということなのかなと体感できたのは貴重でした。

 受講後、「痛くて、いっそ死んでしまったほうがいい」という利用者さんからの言葉に「…という思いなんですね」と反復すると、抱えている不安や家族に対する申し訳なさ等苦しみを表現してくださいました。現段階では、まだ相手の苦しみをキャッチし、共に味わっている状況ではありますが、「分かってもらえる人」に少しは近づけているのか、と思いながらご自宅に訪問しています。

 相手からの負の表現に対して、どう声をかければ良いか分からず言葉に詰まっていたのが、これからは相手から逃げずに「分かってくれる人」になることができる術を得られた気がします。そうなるには、まずは意識して、言葉や表情から丁寧に読み取っていき、相手が穏やかでいられることへ繋げていきたいです。

 今後いろんな方々と関わっていく上で、コミュニケーションの土台を再構築できた感じがします。「現場が先生」ですので、目の前の“先生”から日々学んでいきたいと思います。

 

桂幸子さま、看護師
独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(宮城県)

 緩和ケア病棟で、最期を迎える方々の支援を行っております。小澤先生とのがん看護学会での出会いが私の参加のきっかけです。今後を見据えた高齢多死時代に向け、私に何か出来ることがあればいいなという思いが受講への背中を押してくれました。

 講座受講後は『苦しみは希望と現実の開きである』この言葉を常に日常生活においても考えている自分に気が付きました。向き合う案件の中で、確かに開きのある葛藤がありました。子供達や部署のスタッフ、関わる全てに当てはめて考えることで遠くに見えてくる思いを確認出来るような気がします。

 今、私の中で学びになった一番は『誰かの支えになろうとする人こそ一番支えを必要としています』という言葉です。見えない伴走者の学びを、私は積極的に取り組み始めています。まずは、自部署のスタッフである緩和ケア病棟の看護師の支えになることです。そして、支えを軸にして、多職種で連携していくことのチームワークの大切さを伝えていきたいです。

 今回ははじめての受講でしたが、今後も回を重ね参加してファシリテーターを目指し、少しでも、この輪が広がるように関わっていきたいです。『現場が先生』を常に心に留めて日々の看護ケアを管理者の立場で実践していきます。

 

岡部宏美さま、保健師・訪問看護師・訪問看護ステーション管理者
南東北訪問看護ステーションゴールドメディア(福島県)

 昨年、小澤先生の講演を聞く機会がありました。とても感動的な内容で、涙が止まらず・・・今までの患者さん・家族への関わりを反省したのを覚えています。そこで、この養成講座のことを知りました。

 『苦しんでいる人は、自分の苦しみを分かってくれる人がいるとうれしい』
 丁度その時、看護師の妹が障害を抱えた児の出産を控えて入院していました。すぐに、講演会の感動と思いを伝えると、「自分が患者になってみて、やっぱり苦しみを分かろうとしてくれるかは伝わるし、それがみえると安心できる気がするよ」と言われ、私も“苦しみを分かってくれる人”になりたい、そう思い養成講座を受講しました。

 2日間の養成講座では、多くのことを学び、慣れないロールプレイの連続でとても疲れました。しかし、援助的コミュニケーションの基本である「反復」「沈黙」「問いかけ」をロールプレイを通して身につけるため、現場に戻ってすぐに実践につなげることができました。

 患者さんとの会話の中に「苦しみ」をみつけキャッチできた時、反復のあとの「そうなんです。」という言葉を聞くたびに、患者さんにとって“分かってくれる人”になれているのかなとうれしくなります。苦手だった沈黙の時間ももう怖くありません。

 『誰かを支えようとする人ほど、一番支えを必要としている』
 ぜひ多くの方にこの養成講座を受講していただき、多くの仲間が増える事を願います。全国に同じ思いの仲間がいると思うと頑張れます。これからも、患者さん・家族と信頼関係を築き、意思決定支援に関わりながら、成長していきたいと思います。

 

國井恵子さま(福島県)

 私は病院の療養病棟に勤めております。患者さんの大半は寝たきりで認知症があり、家族の経済力・介護力が低いために、自宅あるい施設退院が困難である方が入院しています。入院が長期化していくとやがて衰弱し病院で亡くなる方が少なくありません。病院という特性上、発熱があれば検査、食事量が減れば点滴開始など半ばルーチン化している現状がありました。患者の思いも家族の本人に対する気持ちも確認しないままに進む治療・ケアに疑問を感じていました。死にゆく患者に本当に必要なことは何か、私ができることはもっと違うところにあるのではないかと考えるようになり、エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座を受けたいと思いました。

 小澤先生が繰り返しおっしゃっていた「本人は、家族は穏やかにしているか」を基準に私たちが必要な援助をしていく、そこに強く共感しました。認知症が進んでいても好き・嫌い、したい・したくないははっきりしています。患者が発信していることをしっかりと医師・スタッフに伝えて、本当に必要なケアを模索していけるようにしたいと思いました。

 現場では、傾聴における「反復」「沈黙」をより意識して実践しています。物言わぬ患者さんのところに家族の方が面会にいらしていたら、患者さんの元気だったころの様子を伺ったり、患者さんに対する家族の今の思いを会話の中から感じ取れるように努めています。同じ言葉を繰り返すうちに家族の方の表情も和らいでいき、次の面会でも気さくに話し合うことが出来るようになりました。関係性を築いていくと「ばあちゃんも農家でずいぶん頑張ったからな。このまま静かに最期を迎えられるといいな。」などという言葉も聞けました。その言葉をスタッフにも伝えていき、ケアの柱にしていきたいと思います。

 受講を検討中の方へ。「死にゆく人を前に自分は何ができるか」の答えがあります。「私をわかってくれる人になる」ことはなかなかすぐに出来るものではないですが、この養成講座を受ければ技術として学ぶことができます。そして、エンドオブライフに高い関心を持っている仲間に出会い、同じ思いを持っている人がいると知るだけでも今後自信をもって仕事をすることが出来ると思います。

 

まとめ

仙台開催は、今年3月に行われた第40回に続いて6回目の開催でした。東北でもELC福島、ELCきたかみが発足し、地域学習会が立ち上がりつつあります。今後も継続的な学習機会が広がっていくことを期待しています。

協会としては2日間の講座を提供して終わりではなく、受講した方がさらに理解を深め、実践し、振り返り、自らと周囲を進化させていく、そんなお手伝いができたらと願っております。

次回は、10月13日(土)-14日(日)、大阪開催をレポートいたします。

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