【ガイドライン】3.子ども・若者を対象とした 「折れない心を育てる いのちの授業」実施時の確認事項 ~学校・地域で授業を行う講師・ファシリテーターのための実践ガイド~

本資料は、一般社団法人エンドオブライフ・ケア協会が定める「子ども・若者が関わる事業におけるセーフガーディング基本方針」および「折れない心を育てる いのちの授業プロジェクト認定講師 資格認定制度規約」に基づき、「折れない心を育てる いのちの授業」を子ども・若者に実施する際、講師・ファシリテーターが確認する事項をまとめたものです。

 

ELCのセーフガーディング基本方針では、子ども・若者が安心して表現し、学びや対話に参加できる環境を大切にすること、また、参加者の尊厳、安全、自己決定、プライバシーを守ることを定めています。

 

「折れない心を育てる いのちの授業」は、子ども・若者に強さを求める授業ではありません。

 

苦しみや弱さを抱えることがあっても、自分を大切にし、誰かと支え合うことができると感じられる場を、学校・地域・講師がともにつくることを大切にしています。

 

子ども・若者が安心して参加できる環境を守るため、以下の事項を確認したうえで授業を実施します。

 

 

1. 学校・主催者の場に入らせていただく姿勢を持つ

学校や地域の場は、子ども・若者の日常の場であり、先生方・主催者が大切に運営している場です。


外部講師として入らせていただく立場をふまえ、学校・主催者のルールや方針を尊重します。

  •  
  • ・指定された到着時間、集合場所、受付方法を守る
  • ・到着後は、学校・主催者に名乗り、案内や指示に従う
  • ・服装、身だしなみ、言葉遣い、挨拶に配慮する
  • ・職員室、控室、廊下、会場でのふるまいに注意する
  • ・学校・主催者の時間割、会場運営、機材使用等のルールを確認する
  • ・先生方・担当者の準備や調整への感謝を忘れない
  • ・自分のやり方を優先せず、学校・主催者と相談しながら進める
  • ・ELCの講師・ファシリテーターとして見られている意識を持つ

 

 

2. 子ども・若者の安心と尊厳を守る

授業には、喪失、病気、家庭の事情、いじめ、不登校、孤立など、さまざまな経験を持つ子ども・若者が参加している可能性があります。

 

本人の言葉、感じ方、沈黙、迷いを大切にし、発言や経験の開示を強制しません。ELCの基本方針でも、発言や経験の開示を強制しないこと、からかい・否定・評価・決めつけ・威圧的な言動を行わないことを定めています。

  •  
  • ・発言や感想を無理に求めない
  • ・個人的な経験の開示を促しすぎない
  • ・家族構成、死別経験、病気、いじめ、不登校などを不用意に尋ねない
  • ・泣く、黙る、反応しない、笑う、ふざけるなどの反応を一方的に否定しない
  • ・「命は大切」「前向きになろう」など、価値観を押しつけない
  • ・「普通は」「みんなは」「お父さん・お母さんは」など、背景を決めつける表現に注意する
  • ・子ども・若者が、自分のペースで受け取れる場を大切にする
  • ・子ども・若者を評価・診断・指導する場にしない
  •  

 

3. 実施前・実施後の報告を行う

授業の実施前登録・実施後報告は、活動実績の把握だけでなく、子ども・若者の安心と安全を守り、学校・主催者との信頼関係のもとで授業を継続するための大切な手続きです。

  •  
  • ・授業を実施する場合は、ELC所定の方法で実施前登録・実施後報告を行う
  • ・子ども・若者を対象とする場合は、対象、日時、会場、主催者、実施者、授業形式、配慮事項等を確認する
  • ・写真・動画・感想等の取り扱いについて、学校・主催者の方針を確認する
  • ・実施後は、参加人数、実施内容、気づいたこと等を報告する
  • ・気になる子ども・若者の様子や、セーフガーディング上の懸念があった場合は、講師個人で抱え込まず、学校・主催者・ELCに共有する
  • ・報告内容に個人が特定される情報やセンシティブな内容を含める場合は、必要最小限にとどめ、取り扱いに注意する
  •  

 

4. 先生・主催者と連携する

子ども・若者の継続的な日常を支えているのは、学校の先生方や地域の支援者です。

 

授業中や授業後に気になることがあった場合も、講師だけで抱え込まず、学校・主催者と連携して対応します。

  •  
  • ・事前に、対象学年、人数、時間、会場、機材、配慮事項を確認する
  • ・学校・主催者から共有された配慮事項は、必要な範囲で授業運営に反映する
  • ・授業中に気になる様子があった場合は、講師だけで判断しない
  • ・子ども・若者から個別に相談を受けた場合は、学校・主催者につなぐ
  • ・授業後、必要に応じて気づいたことを学校・主催者と共有する
  • ・学校・主催者の判断や方針を尊重する
  • ・緊急性や深刻さがある場合は、本人の安全確保を最優先に考える

 

 

5. 個人情報・写真・動画・感想等を慎重に取り扱う

子ども・若者の写真、動画、音声、アンケート、感想、発言、事例等を扱う場合は、利用目的と公開範囲を明確にし、必要に応じて本人、保護者、学校・団体等の確認を得ます。外部に公開する場合は、個人が特定されない形にすることを原則とします。

  •  
  • ・子ども・若者の氏名、顔、名札、作品、発言、感想、個別の事情などは、本人が特定され得る情報として慎重に扱う
  • ・写真・動画の撮影・公開は、学校・主催者の方針に従い、必要な許可を得た範囲で行う
  • ・感想、発言、エピソードを紹介する場合は、個人が特定されない形に整える
  • ・氏名、顔写真、学校名、地域名、具体的な事情、センシティブな経験と結びつく場合は、学校・主催者の方針を確認し、必要な許可を得る
  • ・SNSやWebで発信する場合は、学校・地域・個人が推測されないか、公開前に確認する
  • ・本人や関係者から掲載取り下げ等の申し出があった場合は、可能な範囲で速やかに対応する
  • ・判断に迷う場合は、掲載・共有の前に学校・主催者またはELCに確認する
  •  

 

6. 子ども・若者との適切な距離を保つ

講師・ファシリテーターと子ども・若者との関わりは、授業の目的と、学校・主催者の管理の範囲で行います。

 

子ども・若者を守るため、また講師自身を守るためにも、透明性のある関わりを大切にします。ELCの基本方針でも、必要性や透明性のない個別接触、私的な連絡先の不適切な交換を行わないことを定めています。

  •  
  • ・個人的な連絡先やSNSアカウントを交換しない
  • ・授業後に、個別の相談関係を講師個人として継続しない
  • ・一対一で閉じた関わりを持たない
  • ・個人的な約束、贈り物、個別支援の申し出は避ける
  • ・子ども・若者から個別に連絡や相談を求められた場合は、学校・主催者につなぐ
  • ・必要な対応は、学校・主催者・ELCを通して行う
  • ・適切な距離を保つことは、子ども・若者の安心と安全を守るための大切な線引きであると理解する
  •  

 

7. 迷ったとき・気になることがあったときは一人で判断しない

子ども・若者の安全や権利に関わる懸念、不適切な関わり、ハラスメント、個人情報の取扱いに関する問題、自傷・虐待・深刻な孤立等が疑われる場合は、一人で抱え込まず、必要な相手に相談・共有します。ELCの基本方針でも、こうした懸念がある場合には一人で抱え込まず相談・報告すること、生命や身体の安全に関わる緊急性がある場合は本人の安全確保を最優先することを定めています。

  •  
  • ・判断に迷うことがあれば、自己判断で進めない
  • ・気になる子ども・若者の様子があれば、学校・主催者に共有する
  • ・セーフガーディング上の懸念があれば、学校・主催者・ELCに共有する
  • ・学校・主催者とのやり取りで不安を感じた場合も、一人で抱え込まない
  • ・生命や身体の安全に関わる緊急性がある場合は、本人の安全確保を最優先する
  • ・必要に応じて、学校、保護者、医療・福祉機関、自治体、警察、児童相談所等との連携を検討する
  • ・子ども・若者が安心して参加できる場を守るため、迷ったときほど相談する

 

実施前チェック

授業前に、以下を確認します。

  • □ 学校・主催者の集合時間、受付方法、会場、機材、当日の流れを確認した
  • □ 服装、言葉遣い、挨拶、控室や会場でのふるまいを確認した
  • □ 対象学年・人数・配慮事項を確認した
  • □ 実施前登録を行った
  • □ 実施後報告を行うことを確認した
  • □ 写真・動画・感想等の取り扱いについて、学校・主催者の方針を確認した
  • □ 気になる子ども・若者がいた場合の共有先を確認した
  • □ 個人的な連絡先交換や、講師個人としての個別対応をしないことを確認した
  • □ 判断に迷う場合は、学校・主催者・ELCに相談することを確認した

 

 

 

関連資料

本資料とあわせて、以下をご確認ください。

 

 

 

 

本資料の見直しについて

本資料は、子ども・若者が安心して参加できる場を守るため、実践状況や関係者からの意見を踏まえ、必要に応じて見直します。

 

 

2026年7月1日
一般社団法人エンドオブライフ・ケア協会

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