Community Development

課題背景

人口減少時代を迎え、高齢世帯の孤立、
ヤングケアラー、
ひきこもりなどの対策として、
地域ではつながり・支え合いのある
地域共生社会の構築が叫ばれています。
しかし、単身世帯の増加など、
地域における交流意識も弱まり、
今のままでは対応が難しくなることが
予想されています。

様々な苦しみの大きさから、
周囲と心の壁を作り、
孤立している人への介入は、
専門職でも困難を要します。
しかし、苦しみが小さなうちに、
その苦しみに気づき関われる担い手が、

近くにいたならば
その人の人生は異なるものに
なるかもしれません。

 ホスピス・緩和ケアで培われたスピリチュアルケアの本質を、子どもがわかる言葉で(専門用語を使わず、わかりやすい言葉で)誰もがマネしたくなる内容で、誰もが実践できる形で伝えることができれば、誰1人取り残されない地域に近づくことができるのではないでしょうか。

 半径5mの苦しむ誰かに気づき、関わることができる担い手が、学校、職場など、それぞれのコミュニティに増え、また、お互いを思いやり行動するコミュニティ(Compassionate Community)が広がることが、地域共生社会の構築に寄与すると考えます。

TOPICS
コンパッション・コミュニティの形成

従来の健康増進の観点には、「死にゆくこと、喪失の経験」という考え方は含まれていませんでした。死は「敗北」という固定観念が古くから残っていたからです。そこで、パブリックヘルスにエンドオブライフ・ケアを融合した概念として、コンパッション都市/コミュニティという考え方が注目されています。ケアする人とされる人を二分するのではなく、お互いを思いやり行動するコミュニティとして、エンドオブライフ・ケア協会の活動と親和性があると捉え、私たちも実現に向けて取り組んでいます。

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コミュニティづくりの取り組み

 エンドオブライフ・ケア協会は、職種や世代を超えて誰もが、お互いを認めケアし合う人とコミュニティを育てていくことで、人生の最期まで穏やかに暮らせる地域社会を目指し活動しています。

 限られたいのちと関わるホスピスの現場で培われた、たとえ死や病気という解決が難しい苦しみを抱えていても、穏やかでいられるこころのありようや、苦しむ人との関わり方。これを、一部の専門家による特別なケアとしてではなく、誰もが誰にでも実践できるように、ユニバーサル・ホスピスマインドと名づけ、子どもから大人まで対象にあわせた教育研修を行っています。

 全国に草の根で広がった学びのコミュニティは、現在までに50か所を超えました。

 また、労働者協同組合ワーカーズコープさまなど、地域に根ざして活動している他団体とも連携し、それぞれの現場で、ユニバーサル・ホスピスマインドをベースとした、教育プログラムをご利用いただいています。

TOPICS
ワーカーズコープとの提携

2022年10月5日、日本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会センター事業団と、協定書を締結いたしました。地域づくりにおけるみんなのよりどころ「みんなのおうち」と、「ユニバーサル・ホスピスマインド」が出会うことで、どこに住んでいても、誰一人取り残されず、誰もが「ここにいてよい」「生きていてよかった」と思える社会を目指して活動していきます。

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基本となるプログラム

 エンドオブライフ・ケア協会では、特に学習を軸としたコミュニティの形成に力を入れています。エンドオブライフ‧ケア協会のコンテンツ、具体的には「ユニバーサル・ホスピスマインド」「多職種で行う事例検討」「1対1の対応」を使って、 ELC認定ファシリテーター(ELC-FT)いのちの授業認定講師が開催する学習会や講演会、授業などを総称して、地域学習会と呼んでいます。

 あなたが住む地域やオンラインなどで開催されている学習会に参加し継続的に学んだり、あなた自身が学習会を主催したりすることが可能です。ELC-FTや認定講師にお声がけいただき、あなたの学習会にお招きいただくことも開催形態のひとつです。

  • 地域や組織の共通言語として
  • ユニバーサル・ホスピスマインドを広めたい
  • 基礎講座を受講したあとも引き続き学習したい
  • 同じ志を持つ仲間と交流したい
  • ファシリテーターになったので自信をつけたい
  • 温かな学び合いのコミュニティが作りたい

あなたにあった形を見つけてください。

  • ①ELC地域学習会に参加する

     ELC地域学習会は、エンドオブライフ・ケア協会が直接運営しているものではなく、一定のルールに基づき、所属メンバーが自発的に自助グループを作って活動しています。
     全国の認定ELC-FT/認定講師が対面またはオンラインで開催する学習会に参加したい方は、開催ごとの案内を参照し、直接お申し込みください。

    今後の開催予定 過去の開催報告
  • ②認定ELC-FT/認定講師に依頼する

    自らの事業所・地域・職能団体・活動などで学習会を開催したいとき、全国の認定ELC-FT/認定講師に依頼する方法があります。 認定ELC-FT/認定講師にご依頼の際には、テーマなどご参照のうえ、お問い合わせください。

    講演依頼
  • ③認定ELC-FT/認定講師として伝える

     自ら資格を取得して伝えたい方には、認定ELCファシリテーター資格や折れない心を育てるいのちの授業認定講師の資格をご案内いたします。認定者は、学習会をそのまま開催できるパッケージ(スライド・マニュアル・動画)をご利用いただけます。
     また、エンドオブライフ・ケア協会が主催する、エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座や、折れない心を育てるいのちの授業講師トレーニングの運営サポートとしてご参加いただくことで、対面やオンラインでの学習会運営やグループファシリテーターのスキルを身につけていただくことができます。

    注意事項

    エンドオブライフ・ケア協会の「認定ELCファシリテーター」、「オーガナイザー」、「折れない心を育てる いのちの授業 認定講師」「コーディネーター」いずれかの役割で活動を行う際には、学習会や講演など形態に関わらず、開催前後にご登録をお願いいたします。こちらをご一読ください。

  • ④地域学習会を立ち上げ、企画運営する

     エンドオブライフ・ケア協会が認定するELC-FTが2名以上で、地域学習会グループを立ち上げることができます。
     地域学習会を主催するために、必ずしもELCの名称をつけなくてはいけないものではありませんが、ELC○○と名称を使用したい場合は、一定のルールがあります。現在ELC○○の名称で登録されている学習会をご参照のうえ、「地域学習会グループの申請」を行ってください。
     どのように始めてよいかわからない方のために、学習会の立ち上げ支援も行っています。

ELC学習会グループの申請

ELCの名前を学習会の名前として使用したい場合、エンドオブライフ・ケア協会へ必ず事前の申請をお願いします。

  • 現在登録されているELC学習会グループ

    詳しく見る
  • ELCの名称で地域学習会を立ち上げるための要件

    • グループが目指すこととエンドオブライフ・ケア協会の理念が大きく異ならないこと
    • すでに同じ名称のグループが存在しないこと
    • グループの中に、認定ELCファシリテーター(現在会員かつ認定ELCファシリテーターとして有効期間内である方)が2名以上いること
    • 学習会開催のうち1/3以上でELC協会の「苦しむ人への援助と5つの課題」を使うこと
    • 当該地域と参加者を的確に表す名称であること(例:ブロック、都道府県、市町村、地域包括単位など。参加者が存在しない地域の名称を先行して申請しないこと)

こちらからフォームを開き、必要事項を入力のうえ送信してください。

事例

①④に関わる事例

「この指とまれ」で
三重・愛知・岐阜の点から面へ

愛知県 岡 久美子さん
(ELC東海)

 2017年に援助者養成基礎講座を初めて受けた時、この人たちと仲間になりたいと声を上げました。2日間の講座で呼びかけ、すぐにELC東海が誕生しました。
 規約には、「エンドオブライフ・ケアの理念及び知識を学び、東海地方の皆さま相互の研鑽と親睦を深め、同活動の推進を図ることを目的とします」とあります。
 三重で愛知で岐阜で、当初は点でしか存在しなかったファシリテーターも、今では各地域に仲間ができて面での活動が始まっています。

 学習会は基本奇数月の第3金曜日19:30~21:00にオンラインで開催をします。テーマは、苦しむ人への援助と5つの課題と事例検討などや、各メンバーの得意分野を活かした企画や、参加者のご希望に応じて、多様に柔軟に決めています。事務局長はいなくて、コアメンバー全員が事務局員として対等平等な関係性であり、必要に応じて役割を分担しています。
 援助者養成基礎講座のファシリテーターや「折れない心を育てるいのちの授業」の講師もつとめながら、オンラインでも、解決できない苦しみを抱える人への援助を言葉にする学びを続け、ユニバーサル・ホスピスマインドの実践を模索しています。

 この指とまれ、で差し出した1本の指に、今では医療・福祉の専門職や多様な市民の100人を超える方がとまってくださり、お互いに支えあっています。

③に関わる事例

ゆいまーる・ホスピスマンドを
全ての人生のそばに

沖縄市・うるま市 長野 宏昭さん
(ELC沖縄)

 沖縄では2018年に初めて基礎研修が開催されました。今まで現場で抱えていた言葉にならないモヤモヤしたものが言語化され、気持ちが穏やかになりました。そして「この考えを広めてゆきたい」と思い親泊朝光看護師らと活動を開始しました。黎明期には東京、奈良など全国のファシリテーターの皆様に多大なご支援をいただきました。

 当初は数名のファシリテーターを中心とした定期的な地域学習会が中心でしたが、2020年頃からは「折れない心を育てる いのちの授業」認定講師が次々に誕生し、沖縄中部を中心とした、約30校の小中学校へ出前授業に出かけています。学習会、イベントも多様性を増しており、2021年からは年に一回「支え合いの輪を広げる大会」や月に一回の「夜学のススメ」を企画しホスピスマインドを紹介しながら地域で顔の見えるつながりを増やしています。また、ホスピスマインドを理念に掲げる会社やNPO団体が誕生しました。

 近年は学生、若者の教育にも力を入れており、2022年から琉球大学の学生を中心にサークル「ヨリドコロ」が誕生し、毎月、学生を主体としたミーティングを行っています。ヨリドコロ会則、第2条には「答えのない心の問題に向き合い、誰もが大切な人や自分の心のケアができるような社会を目指し、将来それを実践できる人材の育成を目的とする」とあります。現在、県内の「折れない心を育てる いのちの授業」認定講師12名のうち、5名が大学生で構成されています。

 私たちは「ゆいまーる・ホスピスマンドを全ての人生のそばに」を合言葉に、苦しみがありながらもなお穏やかに暮らせる世の中を創るため、これからも仲間と共に社会実装を目指します。

③に関わる事例

最期まで穏やかに暮らせる
唐津をめざして

佐賀県唐津市 笠原 健太郎さん
(ELC糸島唐津)

 人口12万人ほどのわたしたちの地域の課題として、人生の最終段階を迎える方々が「過ごす場所」を選ぶことができているか、協会の皆さんと施設での看取りを切り口に考える機会を頂きました。いろいろ試行錯誤を行う中で、ある取り組みに手ごたえを感じました。

 各施設の興味がある方に集団で研修を受けていただき、施設に持ち帰り、動画を利用してミニ学習会をそれぞれの現場で開催していただく。あまり学びの機会に馴染まない方であったり、介護に夢、やりがいを持てない方々が、ユニバーサル・ホスピスマインドに触れる機会を身近に持てることで、苦しんでいる人と接する場面に活かし、職場を超えて同じ悩みを持つ人々がつながり、それぞれの支えとなる…

 仲間達と開催を続け7年25回を数える地域学習会、唐津の全ての小学校での活動を目指す「折れない心を育てる いのちの授業」などとともに「地域のユニバーサル・ホスピスマインド」を育てる活動がこれからもさまざまな地域の資源と連動していくような予感がしています。

よくいただくご質問

参加できるのは、その地域に勤務したり住んでいる人限定ですか?

多くの場合、どこにいらっしゃってもご参加可能ですが、対象が設定されていることもあるため、開催ごとの主催者にお問い合わせください。

講座を受講したら、必ずどこかに所属しないといけないのですか?

いいえ。時折、継続学習として学習会に参加したり、場所の提供などでご協力くださる方もいらっしゃいます。ご自身が希望される形で自由にご参加ください。

地元に認定ELC-FT/認定講師がいないのですが、学習会を開催したいです。どうしたらよいでしょうか?

お近くの認定ELC-FTや認定講師をご紹介いたします。よろしければお気軽にご相談ください。

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