人生の最終段階とそのケアについて(2) End-of-Life Care Sotires


2. 人生の最終段階で大切にしたいのは顔の表情

一昔前は治らなかった病気も、マネジメントできる時代になりました。
しかし、いよいよお迎えが近くなると、どれほど医学や科学が発達してもすべての病気の進行を抑えることはできません。

 一般的に医療の現場では、現状を把握するために採血や画像診断を行います。
ですが日に日に弱っていく人を前に検査を繰り返したとしても、数字は悪くなるばかりです。

人生の最終段階に関わる上で、数字は大切です。
しかし、もっと大切なことは、その人の顔の表情です。

たとえ病状が進み様々な数字が悪くなっていったとしても、その人の顔の表情が穏やかであれば、それは最高のケアを受けていると考えます。

逆に言えば、数字が安定していても顔の表情が険しければ、決してそのままにしてよいことはないでしょう。

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ここで必要な配慮は、人によって“穏やか”と思う理由が異なることです。

治療が困難とわかっていたとしても、徹底抗戦したい人は闘うことができると穏やかになります。痛みがなく、家族がそばにいて自宅で過ごせることが穏やかな人は、それを選べると穏やかになります。

まもなくお迎えが来る人との関わりは、多くの人にとって自分が何をしたらよいのかわからず、足が遠のく思いを抱かせるものかもしれません。

しかし、顔の表情を大切に、その人はどんなことがあると穏やかな表情になるかを意識すると、関わる方策が見つかることでしょう。

 

何気ない一言、何気ない配慮で穏やかになれます。

たとえば、心が落ち着く環境を整えること。
故郷の話や孫の自慢話をすること。
大切にしてきた仕事や役割を人にゆだねること。
人生で学んできたことを言葉にして誰かに伝えること。

この援助を行うことができるのは、一部の医療者だけではありません。
介護職の皆さん、家族、友人など、関わるすべての人が行える援助です。 

このような援助を、難しい医療の専門用語ではなく、子どもにもわかる言葉にして関係者間で共有することが大切と考えています。そのために、エンドオブライフ・ケア協会では、「エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座」を開催しています。

これからの時代、それぞれの地域で安心して人生の最終段階を過ごせる社会が求められます。
医学的な管理ではなく、顔の表情を大切にすると関わり方が変わります。
これからの時代に求められる大切なテーマです。

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