エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座

End-of-Life Care Supporter Basics

看取りへの「苦手意識」から「関わる自信へ」

人生の最終段階にある人やその家族と、あなたはどのように関わりますか?

日に日に食事が少なくなり、やがて寝ついていく人と、どのように関わってよいかわからない援助者が、自信を持って支援にあたれるようになることを目的として、この講座を企画しました。

講座では、人生の最終段階に共通する自然経過、自宅・介護施設で求められる症状緩和や、意思決定支援の基礎知識を学びます。さらに、援助的コミュニケーションについて、ロールプレイを交えて学んだ上で、エンドオブライフ・ケアの中でも特に難しいとされるスピリチュアルペインに対するケアについて、1対1での対応方法から多職種連携で行う支援方法まで学びます。

これらの結果、解決が困難な苦しみを抱えた人に接しても、“援助を言葉にする”ことで、一人ひとりが自信を持って人生の最終段階にある人と関われるようになることを目指します。
※医療・介護の資格・知識は必要としません。

私たちが考える“援助”とは?

私たちは、“援助”を「本人と家族が穏やかな表情になること」と考えています。講座では、以下のような場面で、本人や家族に対して自分(チーム)に何ができるかを学ぶことができます。


■事例紹介

42歳女性のAさん。末期癌と診断され、担当医から、あと2-3ヶ月と伝えられました。すでに積極的な治療は困難な状況です。Aさんは、自宅で家族と過ごしたいという希望があります。ご主人と、9歳の娘さん、7歳の息子さん達です。

自宅に戻るにあたり、医療、介護のチームに加え、Aさんの中学・高校の友人達が、在宅療養の手伝いをしたいと希望されました。ある日、その仲間が一同に集まり、作戦会議を開くことになりました。

集まった人達は、決して医療や介護を専門とする人達ではありません。そのような不特定多数の善意ある人達を前に、これから何を目標に、Aさんとその家族に関わるとよいのか、わかりやすい言葉で伝えることが課題です。

■援助を言葉にする

いろいろな考え方があるでしょう。ただ、言えることは、どれほど最善を尽くしても、病気は進行し、歩くことができていたAさんの歩ける距離は、やがて短くなるということです。つまり、外出が難しくなり、家の中も自由に歩けなくなり、そして家事ができなくなり、お風呂に1人で入ることもできず、ついにはお手洗いに1人で行くことが難しくなります。

この状況で、何をしたらよいか、“援助を言葉にする”ことができるでしょうか?

限られたいのちと向き合うとき、こだわってきたことは、顔の表情です。つまり、何があると、本人と家族が穏やかな表情になれるのだろうか?という意識を持つことです。

一般的ですが…

  • 痛みがないこと
  • 希望する場所で療養すること
  • そばに、安心できる家族がいて、信頼できる医療・介護の人達がいて、わかりあえる友人がいること
  • 誰かの役に立てること
  • たとえ1つひとつできなくなったとしても、尊厳が守られること
  • こだわってきた何かを、信頼できる誰かにゆだねられること
  • わかってくれる誰かとのつながりを感じることができること
  • 死を越えた将来の夢を持つことができること(天国から見守ることができる…など)
もっとたくさん挙げることができますが、このような意識を持つだけで、何をすると良いのかが見えるだけではなく、言葉にし、チームで共有し、そして具体的に1人ひとりが関わることができるようになります。

■わかってくれる人がいるとうれしい

ただ1つだけ注意点があります。苦しんでいる人は、誰にでも心を開くわけではないということです。どれほど専門の資格を持っていたとしても、一方的な説明をしたり、どれほど親しくても、励ましだけで関わったりする人には、距離を置くことでしょう。

苦しんでいる人は、自分の苦しみをわかってくれる人がいるとうれしい

この対人援助の基本を押さえないと、たとえ温かな気持ちを持っていたとしても、その想いは空回りになることでしょう。

エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座では、チームとしての具体的な関わり方を学ぶだけではなく、1対1のロールプレイを通して、死にたいというマイナスの気持ちに対しても誠実に関わることを学びます(学生も参加を歓迎します)。

concept

学習内容

  • 課題背景(2025年問題に備えて)
  • 人生の最終段階に共通する自然経過
  • 苦しむ人への援助と5つの課題
  • 意思決定支援
  • 自宅・介護施設で求められる症状緩和
  • 多職種連携で「援助」を言葉にする(マクロ)-事例検討
  • 1対1で対応する(ミクロ)-ロールプレイ

受講前提

受講前提として、医療・介護の知識は必要としません。しかし、受講生自身が患者役としてロールプレイを実施したり、人生の最終段階を迎えた人の事例に対して、援助を言葉にする事例検討を行います。そのため、人生の最終段階を迎えた人とその家族の支援にあたる覚悟を必要とします。受講内容に、グリーフケアを含むため、ご自身の深い悲しみが癒えていない方は、ご自身の判断で受講されてください。

受講の流れと費用について

<オンライン> NEW!新コース「養成講座オンライン」を新設しました。

開催日までにeラーニング(全10モジュール・30日間視聴可)を視聴いただき、Web会議室「Zoom」を利用した2日間(土日午後4.5時間)ないし4日間(平日夜2.5時間)のオンライン講座に参加いただくことで、2日間の集合研修と同等の終了要件を満たすことができる新しいコースです。

※テキストとして以下書籍を使用します。当日までにご自身で別途ご購入をお願いします(『死を前にした人にあなたは何ができますか?』小澤竹俊著(医学書院、定価2,200円)

■ はじめて受講する方(オンライン)

標準的なコースは、以下⑩です。初回受講の方はこちらをご選択ください。

⑩非会員 オンライン・一般枠(講座・会員申込)
受講費用 10,000円(税抜)
※お申込み時点でまだ会員ではなく、全モジュールのeラーニングを購入した方が選択可能です。

⑪会員 オンライン・一般枠(すでに会員の方が講座のみ申込)
受講費用 7,000円(税抜)
※お申込み時点で会員であり、全モジュールのeラーニングを購入した方が選択可能です。

■ リピーター(オンライン)

過去にJSP/ELC援助者養成基礎講座を受講済みの方かつ、お申込み時点で会員である方はこちらをご選択ください。(リピーター割引適用枠には上限があります)

⑫会員 オンライン・リピーター枠
受講費用 7,000円(税抜、eLなし)
※集合研修の際1日目に該当する、eラーニングは含まれていません。基礎知識の復習を希望する場合は、別途eラーニングのお申し込みが必要です。eラーニングの受講は必須ではありません。

⑬会員 オンライン・ファシリテーター候補者枠
受講費用 5,000円(税抜、eLなし)
※一度養成講座を受講した後、ELCファシリテーターになることを希望され、お申込み時点で会員である方が選択可能です。 当日は運営サポートをお願いいたします。すでにリピーター枠で2度目のご受講の方は改めて「ファシリテーター候補者枠」を受講いただく必要はございません。 詳しくはこちらをご参照ください。


※集合研修の際1日目に該当する、eラーニングは含まれていません。基礎知識の復習を希望する場合は、別途eラーニングのお申し込みが必要です。eラーニングの受講は必須ではありません。

■ サポーター(オンライン)

ELCファシリテーターに認定された方が、当日運営サポーターとして参加する場合、開催ごとの運営サポートグループ経由で申し込みとなります。

⑭会員 オンライン・サポーター枠
受講費用 0円
※認定ELCファシリテーターがオンラインでのサポーターとして参加する場合に選択可能です。

オンライン開催分 初回受講までの流れ

Step1
  • eラーニング(10モジュールセット)を申し込み、お支払いを完了する
  • 自身のペースで、オンライン当日までに視聴を完了する(視聴期間:30日間、開始日は変更可能です)

Step2

Step3
  • テキスト(書籍)を購入する
    『死を前にした人にあなたは何ができますか?』(医学書院)
  • 軽く目を通す(推奨:必須ではありません)

Step4
  • オンラインで使用するワークシートをダウンロードする(別途ご案内いたします。必要に応じて印刷し、当日は筆記用具もご用意ください)

Step5
  • オンライン(Zoom)接続テスト(推奨:必須ではありません)

よくある質問

Q:Zoomを使ったことがなく、不安があります。
A:こちらをご覧ください。また、1週間前に希望者向けに接続テストを実施しますのでご参加ください。

Q:スマートフォンでも受講できますか。
A:できればパソコンを推奨いたします。スマートフォン(iPhoneなど)やタブレット端末(iPadなど)でも、基本的な講義やロールプレイを実施することは可能ですが、事例検討のときなど、少し文字の見づらさはあるかもしれません。

Q:当日途中で接続が切れてしまったら?
A:スタッフが常駐してフォローいたしますが、通信環境の影響で接続できない場合には、後日参加者向けに講義部分のみ期間限定で動画配信いたしますのでそちらをご覧ください。
※遅刻・早退、あるいは通信環境の不具合による接続の中断のため参加時間が著しく短くなった場合は、終了資格を得られない場合があります(状況により、別途振り替えのご案内をさせていただく可能性がございます)

Q:「養成講座オンライン」と「集合研修2日間の養成講座」、終了要件に差はありますか?
A:「養成講座オンライン」も「集合研修2日間の養成講座」と同様の終了要件を満たすことができ、受講後1年以内の課題提出により「エンドオブライフ・ケア援助士認定」が受けられます。

Q:後日動画配信はありますか?
A:参加者向けに講義部分のみ期間限定で動画配信いたします。部分的に視聴が困難であったときの内容確認や、復習を目的としておりますので、必ずしも参加した回の映像とは限りません。ご了承ください。

受講後のステップ

  • 養成講座の受講を終えた方は、エンドオブライフ・ケア援助士として協会認定を受け、各現場で個人の実践を積み重ねたり、学んだ枠組みを活用しながら組織や地域で事例検討を行うなど、継続的に学んでいくことを推奨します。
  • 養成講座の内容を一部使用しながら、地域で学習会を開催いただけるプログラムを当協会としてご用意しております。ELCファシリテーターの認定を受けた方には、そのままご利用いただけるスライド、動画、マニュアル等をご案内いたします。
  • ELCファシリテーター認定を取得した方が各地で開催するフォローアップの学習会はこちらでご案内しております。

参加者の声

  • 30年余の看護業務の中で、苦手意識を持っていた人生の最終段階におけるかかわりについて、具体的に教えていただきました。
  • 介護職として寄り添えることがたくさんあり、言語化、反復、沈黙は介護職でもできるということを学ばせていただきました。
  • 人生の最終段階を迎えた人に、声をかける内容は、これまで数少なかった。相手を知ることで、声掛けの幅を広げることができることを今回学んだ。
  • 多職種の方々とたくさんの学びを共にさせていただき、援助を仕事にすることへの怖さが解消された。
  • 医療者の方々と同じ土俵で学ばせていただいただけでも私にも専門職としてできることがあるという自信を少しいただけました。
  • 終末期にある患者やその家族との関わり方、会話の仕方、キーワードなど、なんとなくわかっていた気がしていたことが言葉にできたことで、間違ってはいなかったという安心感と、他の人にも伝えられる(仲間が増やせる、教育できる)期待感が持てて、重たいテーマに、前向きになれました。
  • 援助者として、相手を理解して、支えて、問題を解決して、と今まで考えていたことが、自分に焦りや苦手感を与えていたということがわかり、考え方が変わりました。
  • 自分自身今まで患者様やご家族様への関わり方ができていないと思っていました。けれど少し見方を変えてみればきちんとできていて、それに今日の学びを加えていけばいいのだという自信になりました。
  • 作業療法士として2025年に向けて、終末期において何ができるか不安な毎日でした。しかし、作業療法士としてできることはたくさんあると感じることができました。
  • 自身の弱さや課題、できていなかったことが、知識、手法の取得だけが原因ではないことに気づきました。
  • 苦しむ患者さんから逃げたくない、と思っていても、理由をつけて向き合わない自分がいた。苦しみの信号を感じていながらキャッチできない自分がいた。多く(の人を)見送ったが常に後悔が残っていた。自分の弱さ無力さを知り、それでも患者さんから逃げない。その私の心を支えるために、自分の支えを知り、それを通じて困難に向き合う。
  • 自分の支えに気づき、やはりこの仕事が好きで、今後も人生の最終段階に関わり続けたいと思った。
  • 今まで看取りについての研修や講演は、医療従事者向けばかりでした。介護職でも理解できる言葉で教えて頂き、介護職も最期に係わることができる大切な仕事なのだと自信を持つことができました。
  • ケアマネとして対人援助の基本として活用していきたい。ケアマネ全てがこんな風に援助できたらと思います。
  • 学びだけでなく、同じ想いや志を持つみなさん(仲間)に出会うことで明日からの活動のチカラになった。
  • 意思決定ワークのとき、妻役をやったら、「xxx」という思いがわきあがってきました。普段の私なら反対なのに・・・と思ってびっくりしました。患者さんや家族の立場になったとき、頭ではわかっていても想いがついていかないことがあるのだと思いました。
  • 本人にとって穏やかなことは残された家族や介護者にとってもそれで穏やかになれることに気づきました。
  • 「決してできない」と思ったことが「できるかもしれない」に変わった。
  • 今まで抱いていた「ひっかかり」や「もやもや」が少なくなった。
  • 言葉にして相手に伝えなければ伝わらないことや伝えることの難しさを知りました。
  • バイタルだけではない、表情、穏やかになれているかなどその人自身の今をキャッチすることが大切だと学びました。今日できることをキャッチする。
  • 人生の最終段階に限らず、生きにくさを抱えた人、子供、全ての人に共通するものがエンドオブライフ・ケアの中に見えたこと。
  • 立ち位置は各々違っていても時間のない中、死に近い場所での自分のすべき事をいかにご本人に近づけていけるか、未だに学ぶことが多いことを学びました。
  • 色々な形で実践しているが、その技術を系統だって学べたことが良かったです。
  • 総論は今まで色々なものを聞いてきましたが、ここまで細かな各論は初めてで自分なりにかみ砕いて、自分の技術にしていけたらと思いました。
  • 理解しよう、何かしてあげよう、というのはこちらの自己満足でしかないということを学びました。
  • 死を間近に感じる方へ誠実な気持ちで向き合い、閉ざした心に小さな灯りをともせることができたなら、その方の人生の終わりに穏やかさが戻る力になれるかもしれないと思い、大変感動しましたし、学びが多かったことに感謝しています。
  • 反復、沈黙、問いかけによって、死に向かっていた暗い気持ちが死への直行便から各駅停車のように寄り道をすることで人生を振り返ってうれしかったことや支えがあった喜びを感じることができ、「生きてきてよかった」と思える最期を迎えられたら素晴らしいことだと思えました。
  • 私の職場は保育園ですが、心を閉ざした子どもや言葉に表せない子どもへの反復、沈黙、問いかけは、大変効果があると感じています。肯定感を持てる子ども、未来に希望を持って人生を歩んでいける子どもたちの心を育むことにも役立てていきたいと思いました。
  • 日頃、自分がどうしてこんなに苦しいのか悩んでいましたが、だいぶすっきりリセットできそうです。
  • 職場は救急なので、緊急なことが多い中でもなるべく患者のことを理解できるよう、時間がある時は、よく話を聴くようにしたい。
  • 全国にたくさん仲間がいるんだ、と思うと、やっていけそうな気持ちになりました。
  • 今までいろんな講座に参加しましたが、参加しただけでわかった気になっていて、現場で活かさないままということが多かった。でもこの講座では実践していくための方法を学べた。

援助者養成基礎講座の講座開催レポートにて、より詳しく、まとまった文章で、受講者のご感想や職場に戻ってからの実践状況をご確認いただくことができます。

オンライン講座参加者の声

オンラインで開催した講座にご参加くださった方々のご感想です。

■オンラインでの学習形態について

  • オンライン研修は初めてなので緊張していました。Zoomでもこんなに充実した講座が出来るのですね。
  • 県外に居るため、コロナウイルスのことがなければ、参加できなかったと思うと、貴重な機会をいただけて有り難いことだと思っています。
  • 私は病気があって会場に行って講座を受けることができません。これからもズームを用いて小澤先生の講座を定期的に行なっていただけませんか。
  • オンラインであっても1対1で学んでいる実感ができ、感謝しています。

■ロールプレイについて

  • 多くの方の生の声を聞き、ロールプレイを体験する事は、書籍からの学びよりもこころに響くという当たり前の事ではあるのですが、あらためて感じ入りました。
  • 久しぶりのロールプレイ、しかもオンラインとなると緊張はありましたが、やってみると学びは深く、自分の顔が画面に出るということはある意味客観的に自分を見ることも出来ました。これはオンラインロールプレイならではだと思いました。
  • 対面でのロールプレイよりかえってやりやすい感じもしました
  • 15年以上、コーチングに携わってきてはおりますが、聴き手はやはり何度体験しても学びや気づきがあり、とてもいい時間でした。

■今後の実践に向けて

  • この研修をもっと受けてみたいと感じました。学校現場で使えます。
  • 遠方なので、本来参加する事が出来ない講義に参加出来た事はとても嬉しかった。しかし、1度学ぶ事で、直にお話を書き、実際にお会いして、皆さんとのグループワークを受けてみたいという思いが強くなりました。
  • オンラインでロープレ初体験ですが、独特のタイミングが難しいものの、これだけの大人数でできるんだなと感動しました。本当に素晴らしい運営ありがとうございました。 またぜひ参加したいです。
  • これからも、全ての人が穏やかに安心して過ごせるように、講座のお手伝い、地域でも伝えていけるよう精進したいと思います。

講師

  • 協会理事および協会が指定した方(同分野の実践者)
  • 援助者養成基礎講座を受講したうえで講師トレーニングを修了した方(各地で個別に研修を開催できるよう協会のフォロー体制を準備中)

開催地および日程

  • 現在確定している日程についてはこちらをご参照のうえ、各日程のお申込みページにお進みください。
  • 当協会のホームページでは、当協会が主催する研修のみ日程を公開しております。当協会が主催し公募する研修ではなく、各地域の主催する「インハウス研修」については、主催者に直接お問い合わせをお願いいたします。「インハウス研修」とは、各地域に事務局を置いていただき、募集から運営までを行っていただくことにより、参加する方にとってはより安価に受講することができ、また地域の繋がりを持つことが可能となります。募集対象ならびに参加費は、主催者により異なります。

Theory of Change

セオリー・オブ・チェンジ