人生の最終段階とそのケアについて(3) End-of-Life Care Sotires


3. 苦しんでいる人は、自分の苦しみをわかってくれる人がいるとうれしい

もし皆さんの目の前に苦しんでいる人、たとえば病を抱えていることで苦しんでいる人がいたら、何をしたらよいと考えますか。

少しでも笑顔が取り戻せるように励ましたいと思う人がいます。そのため、勇気づけるような言葉をかけます。しかし、残念ながらこのような声かけは、苦しむ人から見て必ずしもうれしいこととは限りません。

簡単に言わないでよ
あなたは元気でしょう
病気ではないでしょう
あなたには私の気持ちなんてわからないよ

このような声が返ってくるかもしれません。どれほど私たちが心を込めて、相手の立場に立ち、物事を考えたとしても、相手の本当の苦しみを100%理解することはできません。

 

ではどうしたらよいのでしょうか。
ここでは、次のような発想をします。

私が、相手を100%理解することはできない。
しかし、相手が私のことを、「わかってくれる人だ」と思うことには可能性がある。

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つまり、私を主語とせず、相手を主語として考えます。

どのような私であれば、相手からみて、わかってくれる人になるのでしょうか。
それは、励ます私ではありません。苦しみの原因を説明する私でもありません。そばでじっと耳を傾けて聴く私です。

 

聴くということは、簡単なようですが、とても難しいことです。なぜならば、相手を理解したと思ったとき、人は相手の話を聴かなくなるからです。

少しだけ意識して、相手の伝えたい思いに耳を傾けてみませんか。相手の伝えたい思いを、もし聴くことができたならば、相手の人は、あなたのことをわかってくれた人と思ってくれるかもしれません。

「苦しんでいる人は、自分の苦しみをわかってくれる人がいるとうれしい。」

これは、苦しむ人と向き合う上でもっとも大切な課題です。
改めて、別の角度からこの課題をご紹介してみたいと思います。

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