人生の最終段階とそのケアについて(5) End-of-Life Care Sotires


5. 苦しみは大きく2つに分ける

エンドオブライフ・ケアというと「人生の最終段階におけるケア」、つまり看取りにおける関わり方であり、この段階では何もしてあげることができないと考える人がいます。

 

確かに時間を過去に戻すことはできません。
すべての苦しみをゼロにすることもできません。

しかし、何もできないことはありません。

 

苦しみは希望と現実の開きと紹介しました。

この苦しみを大きく2つに分けます。
解決できる苦しみと、解決できない苦しみの2つです。

身体の痛みについては、痛みを和らげることで解決することができます。

希望しない場所で療養を強いられていた人が、希望の場所で療養できるようになったとすれば、これも苦しみが解決できたと言えるでしょう。

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解決できる苦しみがある一方で、どれほど医学が発達しても、すべての苦しみをなくすことはできません。
家族に迷惑をかけてふがいないと感じる苦しみ、まだ元気でいたいのに日に日に弱くなっていくことへの苦しみは、残り続ける苦しみであり、簡単には解決できません

 

なぜこのように、解決できる苦しみと、解決できない苦しみを分けるのか。
それは、私たちは苦しむ人の力になりたいと思うとき、解決できない苦しみでさえも、なんとか解決しようとする私たちに陥りやすくなるからです。

解決することができる苦しみはすみやかに解決する。
解決することができない苦しみに対しては、その存在を認めた上で、関わり方を改める。

そのためにはこの苦しみは解決できる苦しみなのか、解決できない苦しみなのかを見極める力が大切になります。

 

“変えることのできるものを変える勇気と、

 変えることのできないものを受け入れる冷静さと、

 その違いを常に識別する知恵と” (ニーバーの祈りより)

 

変えることのできないものについて、受けいれるだけの冷静さがどのようにして与えられるのかは、改めてご紹介いたします。

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