折れない心を育てる
いのちの授業

OK Project: Lessons of Life

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「いのちは大事」
頭ではわかっているのに

人はなぜ、頭では「よくない」とわかっているのに、大事な何かを傷つけてしまうのでしょうか?
苦しくて仕方がないとき、自分や他者を傷つけてしまうことがあります。
どうすれば、苦しくても、傷つけずにこれからを生きて行くことができるのでしょうか?
そして、誰かが目の前で苦しんでいるとき、あなたに何ができるでしょうか?

折れない心を育てる いのちの授業 - OKプロジェクト - とは

「折れない(O)心(K)を育てる いのちの授業プロジェクト」は、自分を認め大切に思う気持ちを育むことで、相手をそのまま受けとめ大切にする気持ちを育む-”Iʼm OK. Youʼre OK.” - 精神療法のひとつである、交流分析の考え方になぞらえています。

この授業は、ただ、いのちの大切さを頭で理解するためのものではありません。経験や年齢や立場が上の人が下の人へ一方的に「教える」ものでもありません。「苦しんでいる人」と「ケアする人」を二分するものでもありません。

あるときは苦しむ人に気づき行動する。あるときは誰かが自分を気にかけてくれる。決して平たんではない人生において、様々な場面で、半径5mの人とお互いケアし合えるコミュニティづくりを目指して、子どもも大人も共通言語でともに学んでいくプロジェクトです。

授業開催数

923

都道府県数

47都道府県

折れない心を育てる いのちの授業参加者数

70,541

2018年に講師認定開始以来の数
(2000年から代表者が1人で実施していた数は含まず、学校等複数クラスは1回で集計)。

「折れない心を育てる いのちの授業」の背景

感情をうまくコントロールできず人に当たってしまったり、自分を傷つけてしまったりする子どもたち。

そもそも自分が苦しみを抱えていることに気づかず、「なんかイライラする」、「なんで自分だけ」と言葉にならないモヤモヤを、態度に表してしまったり、つらいのは自分だけ、こんなことを考える自分はダメなのではないか、どうせわかってもらえない、生きていていいのか・・・と、授業中や休み時間のちょっとした声や授業後の感想文から、子どもたちの苦しみが聞こえてきます。

苦しみは誰もが誰にでも簡単に打ち明けられるものではありません。苦しい気持ちを打ち明けようとしたとき、「そんなことないよ」「大丈夫だよ」と励ます言葉に、それ以上大切なことが話せなくなってしまうことがあります。

一方、苦しむ人を前に、力になりたいと思っていても、見て見ぬふりをしてしまう。誰もが一度は経験したことがあるかもしれません。

活動の原点

エンドオブライフ・ケア協会は、限られた いのちと関わるホスピスの現場で培ってきた、苦しみとの関わり方をもとに、生まれてから最期を迎えるまで、そしてその後も、「大切な存在」と認め合える社会をめざし活動しています。

解決が難しい苦しみを抱えながら、なお穏やかに過ごす人たちから学んできたこと。それは、「自分が誰からも必要とされていない」と感じていた人が、たった一人でも、自分の苦しみをわかってくれる人がいると感じたときに、自分を認め、穏やかさを取り戻す可能性があるということ。たとえ苦しみを解決できなくても、苦しみを通して自分にとって大切な支えに気づくとき、たとえ弱い自分であっても、これからを生きる確かな力になるということ。そして、自分にもできることがある、今度は自分の番だ、と半径5mの人に優しくなれるということ。

BEFORE
  • 解決が難しい苦しみ
  • 励ましが通じない
  • 誰からも必要とされていないと感じる
AFTER
  • 苦しみから支えに気づく
  • 苦しむ人を前に私にできることがある
  • 自分を認め、大切にする

折れない心を育てる
いのちの授業 が目指すこと

半径5mの人とお互いケアし合えるコミュニティづくり

ホスピスで学んできたマインドは、誰もが誰にでも実践できることとして、「ユニバーサル・ホスピスマインド」と名づけて、対象に合わせたプログラムをお届けしています。「折れない心を育てる いのちの授業」は2000年に始まり、2019年からは全国的に講師育成を開始。以来、学校や地域の様々な場で6万人の方に届けてきました。学んだ人が講師として担い手になる動きも加速しており、全国203名の講師のうち、最年少は小学5年生(認定時)です。(2023年12月現在)

人とのつながりが希薄化するなか、社会の中で孤立し、苦しむ人は増えています。地域福祉・教育に関わる多様な関係者と連携しながら、子どもから高齢者まで、苦しむ人と関われる担い手とコミュニティをともに育んでいきたいと願っております。実現に向けて、一緒に考えてみませんか?

専門的なこころのケアをすべての人生のそばに

「折れない心を育てる いのちの授業」は、対話を通して、自分や他者が大切な存在であることに気づき、向き合う、その入り口に立つ機会として、子どもも大人もそれぞれの立場で学び続けることができるように、プログラムを様々な場面に応用可能です。

  • 学校で

    • 自己肯定感の醸成
    • キャリア教育
    • いじめ対策
    • 自殺予防
    • がん教育
  • 地域コミュニティで

    • 町内会
    • 学童保育
    • 親子教室
    • まちづくり
    • 終活
  • 企業研修で

    • 仕事と介護の両立
    • 意思決定支援
    • コミュニケーション
    • 認知症介護
    • 人生100年時代

プログラム概要

  • レッスン1

    苦しみから支えに気づく

    • なぜ人は自分や他者を傷つけるのか?
    • 解決できる苦しみと解決できない苦しみ
    • 穏やかになれる理由:支えとなる関係、選ぶことができる自由、将来の夢
  • レッスン2

    苦しむ人を前にしてわたしにできること

    • わかってくれる人がいるとうれしい
    • 聴くこと(反復・沈黙)
  • レッスン3

    自分を認め大切にする

    • どんなときに自分を認め大切に思えるか
    • 自分が誰からも必要とされていないと感じる苦しみ
    • Nanaさんの詩(病がくれた勇気/カラー)

実施対象者の年齢や属性、実施形態に合わせてカリキュラムの調整が可能です。

使用する教材

スライドを使った講義をもとに、ワークシートを用いた個人ワーク、考えを話し合うグループワークを盛り込み、自分ごととして捉えやすい構成にしています。また、子どもから大人まで、それぞれの立場でご覧いただける動画も教材としています。

動画「こころの声を聴いて」

中学生とその両親のお話。

「病がくれた勇気/カラー」

闘病を通して学んだことを詩に託した人のお話。

実施形態

学校であれば、クラスごと・学年一斉・全校一斉、対面・オンライン(Zoom)など、ご要望と対応可能な講師を踏まえて、ご提案させていただきます。

クラスごと

学年/全校一斉

オンライン

  • お近くの講師をご紹介いたします。オンラインであれば全国の講師が実施させていただきます。
  • 講師となって伝えたい人向けに、講師の認定プログラムがございます。

参加者の声

  • 小学4年生

    私は授業が終わった後、さっきのもやもやが心の中が晴れるような気持になりました。私は今、書いている時も、心が晴れています。

  • 小学5年生

    私は、今まで、私なんて、この世にいなければいいんだ、はやく死んだほうがいいんじゃないかとずっと思っていました。でも、命の授業をして、私は生きていていいんだ、生きなきゃいけないんだと思いました。これからは、自分は生きるという言葉を自分の支えとしてこれからの人生をたのしくすごします。

  • 小学6年生

    今までぼくは、他人にめいわくをかけないよう、苦しみは自分でつぶしたりしていました。ですが、今回の事で「少し他の人にたよるのものいいのかも」と思いました。

  • 小学5年生

    友だちや親、先生に話をしてもなにもかわりませんでした。でも一つだけ、少し楽にしてくれるものがありました。推しや友だちとの楽しいおしゃべりでした。ほんのささいな支えでも、とってもおだやかになれました。わたしも、こんなそんざいになれたらいいなと思いました。

  • 中学生

    私も悩んでいた時など、自分しか経験してないから同情されると逆に腹が立ったことがあるし、そんなの知らんわと言われたらこれもあまりスッキリしないので、やっぱり気持ちが分かったとしても分からなかったとしても、話を聞いてくれることだけで大きな支えになるんだなと改めて考えさせられました。

  • 中学生

    友人に「死にたい」と言われ、どう返せばいいか分からなかったので、この授業を生かし相手にとっての「希望」になりたい

  • 中学生

    今、教室にこられるのは、母が僕のことを分かってくれて、聞いてくれる人だったからです。僕にとって一筋の光だったと思います。今度は僕の番です。

  • 中学生

    私もよく苦しくなったりして、お母さんに相談するのですが、同意がほしいのに、お母さんは、同意より先に、解決策を提案してくれたり、最悪の場合、完全に否定されてしまうので、人に相談するのがこわくなってしまったのですが、今日の授業の内容をお母さんにつたえて、お母さんが私の相談をきいてくれるようになったらうれしいです。

  • 高校生

    私は中学生の時に私なんか必要ないかと考えて、自分を傷つけてしまっている時期があり、その時、親が話を聴いてくれて私のことを認めてくれているとわかったときに、やっと自分を傷つける行為をやめることができたという経験をしたことがあります。今回話をきいて理解することができました。

  • 高校生

    自分も今まで、苦しい想いをした時、家族や友達を傷つけてしまった経験はたくさんあります。しかし、後に後悔するだけでした。今日「苦しみ」は支えがあればおだやかになれるということを知ったので、その支えとなる関係を大事にし、広い頭で物事を考えていこうと思いました。

  • 高校生

    講師さんはまるで私の心を全部見ているんじゃないかと思うぐらい、1つ1つの言葉が重かったです。「苦しいからこそ周りの支えがよく見える」という言葉が心に残っています。私は今まで苦しみは悪いことだ、悲しんでいたり、苦しい、つらい表情をするのは逃げている。と思っていました。だから、強いフリをしてきました。笑ってごまかしてきました。しかし、そういう弱い自分もうけとめていかないといけないんだということに気づきました。

  • 高校生

    応援してくれているのは分かっていても、「私の大変さは分からないくせに」と思ってしまうこともあります。自分にとっては大きな苦しみですが、Nanaさんの詩を読むと、私の苦しみはちっぽけだなと思う気持ちも湧いてきました。でも、苦しみは、その人自身にしか分からないことなので、無理に、「私の苦しみなんか大したことない」と思うのもやめようと思います。苦しんでいる人にも、「そんな苦しみ、あの人に比べたらましだよ」とか、絶対に言わないようにしたいです。

  • 大学生

    私にはここ最近多くの悩みを抱え、私に相談をしてくれる友⼈がいる。その友⼈にこの授業が終わった後、「分かったつもり」でしかないことと、反復の⼤切さを学んだことを伝えた。友⼈はこの内容に⼤きく納得していた。特に、反復されるだけで嬉しいと⾔っていた。「〜なんですか?」ではなく「〜なんだね」と⾔われるだけで、受けとめられていることを感じられて安⼼するそうだ。

  • 大学生

    ⺟のことを「理解してくれる⼈」と思うだけでなく、(中略)「そのままで良い」と肯定してくれた。そのままを認めてもらえることは、私の⾃⼰肯定にも繋がったと考える。「⾃分を認め⼤切にする」ということが講義で説明された。私は苦しい時期から⾃⼰肯定をできるようになった経験をもつため、同じように苦しんでいる⼈の気持ちに寄り添って認めることで⽀えたいと思った。

  • 大学生

    私は将来養護教諭をめざしている。⼦供たちの⼼情の変化にいち早く気づくことが出来る⽴場である。気づいてからが勝負なんだと今⽇の授業で学ぶことが出来た。無理やり聞き出して⼦供が素直に話すわけが無いのだ、私だったら話したくない。だからといって我慢させるのも違う。普段から⼦供達を観察し、気になる点があった時にはさりげなくその⼦とお話をする機会を設けることも⼤事なんだということ、そしてわかっているつもりにならないこと。これが⼀番やりがちで、一番やってはいけないことだと学んだ。

  • 大学生

    私は⾼校まで野球部に⼊っていたのだが、毎⽇の過酷な練習を乗り切ることに精⼀杯で本当につらかった。今回の授業で⾔っていたように「何のために頑張っているのか」「誰のために頑張っているのか」をきちんと思い出していたらもう少し頑張れたのではないかと今更になって思った。将来、私が指導者になったらただ練習をするだけでなく、「何のために頑張るのか」ということを⼤事にしきちんと選⼿⼀⼈ひとりに、チームに⽋かせない⼤事な存在であると伝えられるようになろうと思った。

  • 小学校教員

    子どもたちが「『先生はあんたの気持ちがわかる』と言ってもわかってないやん!」と思う理由が、こっちの受け答えにあると気づかせていただきました。パワーポイントやドラマを見て、ず~っと頭の中に浮かぶ子どもがいたので、子どもに対する関わり方を考えていこうと思いました。

  • 中学校教員

    自身の生死について悩んだ生徒が、この授業をきっかけに生きることの意味を真剣に模索し始め、色んな人の話を聞いて考えを深めたり自分自身と向き合うようになりました。また、進路についても悩みながらも色々と模索し少しずつ前に進めるようになりました。生徒自身、授業の内容が心に染み入り、この出会いにとても感謝しています。

  • 中学校教員

    家庭環境が多様化するなかで、当校でこれまで取り組んできた、生まれてきてくれたことへの感謝を伝える授業が難しくなってきた。探していて、これならと思った。

  • 小学校教員

    言葉で「わかるよ」と同調してあげるのではなく反復することで相手の気持ちを苦しみを、聴くことができるんだということがよくわかった。「わかるよ」では、「何がわかるねん」ですよね。これからはもっと話の聞ける人になりたい。自分の子どもたちの話も聞いてあげる母でありたかった。今から、これからは、そうしようと思った。

実績

開催事例

大阪市内小中学校への出前授業(令和2年度~)

大阪市教育委員会と連携させていただき、大阪市内小中学校各校へ「折れない心を育てる いのちの授業」出前授業をお届けしています。

大阪市では、4年間で80校、198クラス、7,056名の児童・生徒・教職員のみなさまと学び合う機会をいただいております。 (2024年3月現在)

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メディア掲載

論文掲載

書籍『折れない心を育てる いのちの授業』

人生を歩み続ける力、折れない心の育て方を「ホスピス」の現場から学ぶ

コミュニケーションツールの多様化により複雑になっている人間関係、ひきこもり、不登校など……生きづらさを抱える子どもたち、そして様々な場面で悩み苦しんでいる大人に向けて、ホスピス医として今まで3000人以上看取ってきた著者が、「自分が命の現場で学んだことを伝えたい」としてスタートした「折れない心を育てるいのちの授業」プロジェクト(OKプロジェクト)。本書では、2人の中学生・ユキとはるかの「自分を認めて人に優しくなれる物語」として、そのエッセンスを取り入れながら、自分、そして他人の苦しみ・悩みとの向き合い方や「自分はこれで良い」と思える自己肯定感の育み方など、これからの人生を強く優しく歩み続けるために大切なことを伝えていきます。親子で一緒に読む本としておすすめです。

また、子どもたちに知っておいてもらいたい「死」と「生き方」の考え方についても収録。「人は死ぬ時にどんなことを考えるのだろう」「人は、死を目の前にしても、多くの自分を支えるものに気づき、心穏やかに過ごすことができる」「永遠のお別れの際の向き合い方」「この世からいなくなった後の絆について」など、ホスピス医ならではの観点で、自分らしく生きていくために必要な「支え」の大切さ、気づき方を語ります。
(KADOKAWAより)

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講師やコーディネーターとして、ご自身で伝えていくことに関心のある方には、「講師トレーニング」にご参加いただければ幸いです。一定の基準を満たしていただいた方は、認定講師として資料を使って授業を行うことができます。
講師トレーニングでは、学校や地域の関係者、あるいは身近な方へ紹介する上でのポイントをつかんでいただくことができます。

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みなさまからのご寄付により、全国の学校、職場、地域で授業の実施が可能になります。講師の育成や教材開発・更新、仕組みの開発など、いただくご寄付を活用させていただければ幸いです。応援いただけませんか?

よくいただくご質問

一斉授業となりますか?それとも、クラスごとの実施となりますか?

地域にもよりますが、対象とご希望を伺ったうえで、ご提案させていただければ幸いです。

教職員や保護者向けにもできますか?

はい、対象に応じて授業を行うことが可能です。また、子どもを対象とした場合であっても、大人も一緒にご参加いただくことも可能です。メッセージは普遍的な内容であるため、お聴きくださる方それぞれの立場で自分のこととして考えていただくことができます。

遠方になるかと思うのですが、講師に来ていただくことはできますか?

場所を教えていただいた上で、お近くの講師が伺うか、オンラインでの開催をご提案することもございます。

費用はどのくらいかかりますか?

対象や実施形態、ご予算を伺い、ご提案させていただければ幸いです。

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