第11回「エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座」(札幌)

  • 開催レポート

2016.06.15

5月7日(土)、初めての札幌での養成講座がスタートしました。

2日間通して遅刻欠席がなく、休憩時間明けにも5分前には必ず全員揃っているなど、静かな中にも学ぶ姿勢は真剣そのもので、運営側としても身の引き締まる想いでした。

開催にあたり、現地でいつも応援くださる方々に、当日の運営から仲間へのお声掛けまで多くのご協力をいただきました。心より御礼申し上げます。

 

参加者

42名の方にご参加いただきました。

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職種の内訳は、看護師48%、介護関連職種17%、リハビリテーション職12%、医師9%、ソーシャルワーカー5%、その他9%でした。

地域別にみると、地元北海道からのご参加が最も多く38名の方がお越しくださり、その他岩手県と和歌山県からもお越しいただきました。

 

 

 

 

講座の様子

協会理事であり、横浜で在宅診療を行うめぐみ在宅クリニック院長の小澤 竹俊が、2日間の講師を務めました。pic2

2日間の講座では、以下の要素を学びます。

  • 課題背景(2025年問題に備えて)
  • 人生の最終段階に共通する自然経過
  • 苦しむ人への援助と5つの課題
  • 意思決定支援
  • 自宅・介護施設で求められる症状緩和
  • 多職種連携で「援助」を言葉にする(マクロ)
  • 1対1で対応する(ミクロ)

 

 

 

 

ただ受け身で聞くのではなく、ロールプレイや事例検討のためのグループワーク、学んだことの振り返りなど、ほとんど休む間もなく、口と手をたくさん動かしていただきました。

懇親会

終了後、半数近くの方が懇親会にご参加くださいました。ペアで現在の活動内容などお話いただいた後、全体で他己紹介としてお相手についてご紹介いただきました。

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受講者の生の声(当日)

2日間の養成講座も終わりに近づいたころ、会場内で受講者のみなさまから、そのとき感じたことを生のお声として頂戴いたしました。

 


小向泰樹さま、看護師
杉田 賢二さま、作業療法士

ホームケアクリニックえん(岩手県)

1年前から在宅に関わるようになって、看取りの方や家族と接する機会が多くなり、接し方の技術や方法を自分の中で上げていかなければいけないと思い、受講することにしました。去年小澤先生が北上に講演に来てくださったことがあって、そのときに、人生の最終段階にある人の支援のさわりの部分のお話を聞く機会があって、もう少し学びを深める機会があればいいなと思っていました。地元に戻って、学びを仕事に活かしていくときに、今回学んだことを通して、接する相手の方の苦しい想いなど支えて、仕事に邁進していきたいと思います。学んだ技法を活かしながら深く接していって、患者さんから、「理解してくれる人だ」と思ってもらえるような看護師になれればと思います。今回はあくまでスタートラインだと思うので、学んだことを現場で活かしていきたいと思います。

大石 祐子さま、事務職
荒 浩美さま、ケアマネジャー
高杉 美紀さま、ソーシャルワーカー

医療法人社団 博愛会(北海道)

この会が全国に広がっていくことを考えると、今回医療職の方が多かったのですが、在宅で関われる介護職や地域のみなさん、ご家族も含めて、理解をどんどん広めていくというのが自分の役割なのかなと感じました。ケアマネとして、チームでその方を支えていくなかで、医療職ではないスタッフやご家族も一緒になって、その方の最期のあり方をお手伝いできることがこんなにたくさんあるんだ、ということを、一つひとつ伝える役割を担っていきたいと思いました。これからも繰り返し実践をしながら学びを深めて、周りにたくさんの仲間を作ってこういったことを共有しながら何ができるのかを一緒に考えていけるような地域を作っていきたいと思いました。

市戸 優人さま    
北海道室蘭保健所(北海道)、保健師

保健師というと、予防の分野が頭に浮かぶと思うのですが、保健所の保健師は難病(ALSや脊髄小脳変性症など)の方のケアを行っています。発病してから最期を迎えるまでの訪問支援を行っているのですが、最期をいずれ迎える、そしていつ最期がくるかわからない方と接することに、自分の中で苦手意識を感じていました。(2月に小澤)先生のお話を聴いてから、もう少し自分も心を軽くして、この人がどうしたら穏やかになるかを考えて接すれば自分も楽になるし、対象者さんにとってもいいケアができるかもしれないと思い、そのような気持ちでやってみると、まったく違うケアができたことに気づきました。自分が実際に業務で支援している人のことを思い浮かべ今後どのように関わっていこうか考えながら講座を受けられましたので、明日からの業務に活かせると思います。

 

受講者の生の声(後日)

あれから1か月。職場に戻って実践していらっしゃるみなさまの今をお聴きしました。

 

岡田 久美子さま
(医)桑園中央病院(北海道)、透析療法指導看護師 

私はこれまで20年以上透析患者さんの生活に関わってきました。透析医療も患者さん自身の高齢化・老老介護・認認介護などこれまでとは違う課題に直面しています。様々な背景の中で、透析患者さんの「人生の最終段階」にどう携わるとよいのか日々悩む毎日です。

特に、透析の中でも血液透析を選択されている患者さんの人生の最終段階で、透析を中止するということは、死に直結することにつながります。その患者さんらしく、またご家族も満足 して「生ききった」と思えるよう寄り添ったケアを提供をするために、今の自分にできることはなにか模索し、今回の研修に参加させていただきました。

研修では、人の人生に寄り添うということに真摯に向き合う大切さについて、じっくりと振り返る時間をいただくことができました。沈黙・反復のコミュニケーションの中で、患者さんの気がかりなことを知り、苦しみを分かちあえる医療者でありたいと思います。

また、今回の研修のご縁で、たくさんの仲間と出会うことができました。今後、いのちを支えあう仲間同士で支えあえるよう、この北海道の地で頑張りたいと思っています。

 

渡邉 真喜子さま
社会福祉法人藤の園 訪問介護事業所 花川聖マリア(北海道)、介護職

   Watanabe-sama昨年東京で小澤先生のお話を拝聴させていただく機会を得て、その後札幌でエンドオブライフ・ケア養成基礎講座が開催されることを知り、「必ず受講しよう!」と心に決めておりました。

 私自身、介護の世界に長く携わってきている中で、いつの間にか「分かったつもり」になっていた自分に気が付きました。本当の意味で、「人を支える」とはどういうことかを学びたいと思ったことが大きな動機となりました。

  実際に受講して心に深く残ったことは、どんな自分であれば苦しむ相手から見て「この人は分かってくれる、理解してくれる人」となれるのかということ。繰り返し行われるロールプレイの中からそのことを実感することができました。もう一つは「援助を言葉にする」ことの大切さです。私は「言葉にして伝える」ことが苦手ですが、現場で伝えていくことはとても大切な役割であることを理解しました。

  現場での実践はまだまだですが、まず相手と向き合う姿勢やお話を聴く態度には今まで以上に意識を向けるようになりました。反復・沈黙・問いかけを心がけながら、相手の思いに寄り添えるように実践して行きたいと思います。また現場職員にも事例を用いながら伝えて行こうと思います。

  受講を検討されている皆さま。先生のお話はもちろん、ロールプレイを通して「人を支える」ことの難しさと素晴らしさを学ぶこの機会を逃さないでくださいね! そして共に学びあうグループメンバーとの出会いも素晴らしい宝物となりますよ!

 

岩永 輝明さま
一視同仁会 札樽・すがた医院(北海道)、リハビリテーション職

Iwanaga-sama人生の最終段階における方々と接する機会があり、「ご本人の本当の声を聴くことができていたか」「答えようのない語りにおいて、自分の姿勢はどうあったか」を再考し、寄り添う姿勢や態度を学びたく受講しました。

受講では、多くの気づきがあり、特に心に強く印象として残ったのは「沈黙と反復」そして「苦しみを味わう」ことでした。ロールプレイを通して、メタ視点で再確認することができ、患者さんの心奥底にある苦しみをキャッチする場面を見逃さないように幾つかのポイントを交えながら学ぶことができました。

受講後、普段から他者を寄せ付けない雰囲気の方が、学んだことを実践することで、ご自分の想いを吐き出され、対話することができました。

これからも、ひとりひとりの人生の最終段階において、穏やかな表情がみられるように、一歩ずつ取り組んでいきたいと思います。

 

まとめ

開催終了後、自発的に地域のFacebookグループが立ち上がったり、まずは個人や組織のレベルで少しずつ実践し始めているなど、うれしいお声も伝わってきています。ぜひ、今後も地域で仲間と学びを深めていかれることを願っております。

協会としては2日間の講座を提供して終わりではなく、受講した方がさらに理解を深め、実践し、振り返り、自らと周囲を進化させていく、そんなお手伝いができたらと願っております。

次回は、5月14日(土)-15日(日)大阪開催をレポートいたします。多様な参加者のみなさまとお会いできますことを、スタッフ一同楽しみにしております。

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