第24回「エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座」(東京)

  • 開催レポート

2月25日(土)、東京での養成講座がスタートしました。当日は49名の皆さまにご参加いただきました。開催にあたり、当日の運営面でご支援してくださった、地域学習会ファシリテーター・ファシリテーター候補のみなさま、ご取材くださった記者のみなさまに心より御礼申し上げます。

参加者

49名の方にご参加いただきました。

職種の内訳は、看護師61%、介護支援専門員13%、医師8%、介護職6%、保健師2%、心理士2%、その他8%でした。その他職種には往診アシスタント、看護学校専任教員、生活支援コーディネーターなど多彩な職種のみなさまにご参加いただきました。

地域別では、開催地である東京都および千葉県、神奈川県などの近県のほか、茨城県や富山県、岐阜県、熊本県など遠方からのご参加者もいらっしゃいました。

 

講座の様子

協会理事であり、横浜で在宅診療を行うめぐみ在宅クリニック院長の小澤 竹俊が、2日間の講師を務めました。


2日間の講座では、以下の要素を学びます。

  • 課題背景(2025年問題に備えて)
  • 人生の最終段階に共通する自然経過
  • 苦しむ人への援助と5つの課題
  • 意思決定支援
  • 自宅・介護施設で求められる症状緩和
  • 多職種連携で「援助」を言葉にする(マクロ)
  • 1対1で対応する(ミクロ)

ただ受け身で聞くのではなく、ロールプレイや事例検討のためのグループワーク、学んだことの振り返りなど、ほとんど休む間もなく、口と手をたくさん動かしていただきました。

懇親会

終了後、半数以上の方が懇親会にご参加くださいました。

受講者の生の声(当日)

2日間の養成講座も終わりに近づいたころ、会場内で受講者のみなさまから、そのとき感じたことを生のお声として頂戴いたしました。

赤池 芳恵さま、看護師
医療法人かがやき 総合在宅医療クリニック(岐阜県)

在宅専門のクリニックで診察の同行と訪問看護を仕事としてやっています。市橋理事長が講座に参加してすごく勉強になったということで、スタッフ全員に受講するようにとのことで受講しました。受講して自分の中で、どんな人に対しても理解するというところが、欠けていたことに気付けて良かったと思います。あと、実はスタッフの記録の書き方が変わってきていたんですが、受講してみてどういうところにみんなが着目し出しているのかが少し理解できて、良かったと思います。ロールプレイの時、見ている・聴いているところの観点がずれてきているから、相手が本当に苦しんでいることや辛い思いが自分の中に入ってこなかった、ということが勉強になりました。相手の気持ちを理解したいという自分自身の姿勢ですね。100%は分からないかもしれないけども、苦しみとか辛さをしっかりと聴けるということは、すぐにやっていきたいなと思っています。

 

山口 ゆかりさま、看護師
流山中央病院(千葉県)

がん性疼痛看護認定看護師として働いています。スピリチュアルケアにすごく興味があり、自分でも悩んでいる部分があって、自分の学びにしたく受講しました。認定看護師教育課程で教育も受けてきたのですが、その部分に関してはあまり深く学習がなく、自分の中で常日頃行ってるケアとか看護に疑問が生じていたので、もっと詳しく学んでスキルアップをしていきたいなと思いました。(受講してみて)とても学びが多くて…。一言で苦痛と言っても、苦痛ってなんだろうと思っていたのですが、希望と現実の開きが苦しみであったり、支えとなるものであったり、普段自分が何気なく行っている看護とかケアに感じていた疑問が、この研修を通して自分の言葉で言語化することができ、すっきり落とし込める内容でとても充実した研修でした。患者さんに実践して行きたいとは思うのですが、まずは学びを職場のスタッフと共有しながら、一緒にケアを行っていきたいなと思っています。

 

受講者の生の声(後日)

受講後、職場に戻って実践していらっしゃるみなさまの声をお聴きしました。

矢野 陽子さま、訪問看護師(神奈川県)

私は訪問看護に携わり10か月です。訪問に関しまったく知らず1からのスタートでした。その中で終末期のご利用者様と関わり、限られた時間のなかで私の声掛け、関わりはよかったのかと疑問を持っておりました。また、これから在宅にて終末期を迎える方が増えていく中で、少しでもその人らしさに近づいた関わり方を習得できればと思い講座に参加しました。

「苦しんでいる人は自分の苦しみをわかってくれる人がいるとうれしい」というキーワードを聞き、「反復」「沈黙」「問いかけ」からその人の思いの表出につながる具体的なコミュニケーション方法を学びました。私のコミュニケーション技術で出来るのか疑問でしたが、実際ロ-ルプレイを行えたことで、実践の場で出来るかもしれないと思いました。また患者役も体験できたことで、「わかってもらえている。わかってもらいたい」という不安から希望に変わるのを感じました。

講習後、実践の場にて学んだコミュニケーション方法を頭に置き、聞く姿勢や、声掛け一つ一つ意識していくことで以前よりもご利用者様から発せられる表情や言葉をキャッチし観察するようになりました。苦痛、疼痛によりなかなか思いを引き出す関わりが難しいことも多いですが、人生の最終段階に少しでも寄り添えるような関わりを目指していきたいと思います。

これから受講を考えている方へ、講義はとても分かりやすく入り込めました。またロ-ルプレイ、グループワークを通し様々な職種の方の意見を聞け、いろんな方向から学ぶことができます。二日間頭をいっぱい使いましたが、少しだけ自分に自信がつきました。

 

眞鍋 幸子さま、介護支援専門員
居宅介護支援事業所・青い鳥(熊本県)

参加しようと思ったきっかけは友人の誘いでした。

二日間の養成講座を受ける前に友人から横浜で研修があるからとの誘いがあり、横浜の『めぐみ在宅クリニック』であった小澤先生の講義をうけて感銘と同時に自分ではできていたつもりの『心に寄り添う』ことがまだまだだと自分で自分にダメだしすることばかりで、「もっと勉強をせんといかんばい(熊本弁で)」と思い参加しました。

参加してまず思ったことは、ここに集っておられる皆様の熱いこころと凄まじい向上心に「こりゃあついていけるかなあ(泣・不安)」と思いましたが、流石に心優しい人たちばかりで何とかついていくことが出来ました。

私が関わる利用者の方には、まさに今人生の最期の時を迎えておられる方がおられます。

以前から自分なりのケアを実践しては来ていましたが、改めて小澤先生の講座を受け、皆様との交流を深めていくうちに、気持ち新たにより充実した支援ができるようになりたいと思っています。

在宅で悩みながら支援されておられる方に、「悩んでいるのはあなただけではないこと、同じ志がある仲間と切磋琢磨することで自分に自信が持てることがひいては利用者の意向に沿った支援ができる」と自分の経験を踏まえてお伝えしていきたいです。

 

まとめ

東京には様々な地域から参加者が集まりますが、東京にも受講後に継続的に学びを振り返り、交流する場をつくりたいと、過去の受講生がELC東京として学習会を開始しました。7月8日には第2回を予定されています。

協会としては2日間の講座を提供して終わりではなく、受講した方がさらに理解を深め、実践し、振り返り、自らと周囲を進化させていく、そんなお手伝いができたらと願っております。

次回は、3月25日(土)-26日(日)、仙台開催をレポートいたします。

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