第25回「エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座」(仙台)

  • 開催レポート

3月25日(土)、仙台での養成講座がスタートしました。当日は38名の皆さまにご参加いただきました。開催にあたり運営をご支援してくださった、地域学習会ファシリテーター・ファシリテーター候補のみなさま、地元仙台のサポーターのみなさまに心より御礼申し上げます。

参加者

39名の方にご参加いただきました。

職種の内訳は、看護師46%、介護支援専門員20%、薬剤師10%、介護職8%、相談員5%、ケアマネジャー3%、管理栄養士3%、保健師3%、リハビリテーション職2%でした。

地域別では開催地の宮城県以外に岩手県、福島県からも多くお集まりいただいたほか、東京都や千葉県、神奈川県など、遠方からのご参加者もいらっしゃいました。

 

講座の様子

協会理事であり、横浜で在宅診療を行うめぐみ在宅クリニック院長の小澤 竹俊が、2日間の講師を務めました。


2日間の講座では、以下の要素を学びます。

  • 課題背景(2025年問題に備えて)
  • 人生の最終段階に共通する自然経過
  • 苦しむ人への援助と5つの課題
  • 意思決定支援
  • 自宅・介護施設で求められる症状緩和
  • 多職種連携で「援助」を言葉にする(マクロ)
  • 1対1で対応する(ミクロ)

ただ受け身で聞くのではなく、ロールプレイや事例検討のためのグループワーク、学んだことの振り返りなど、ほとんど休む間もなく、口と手をたくさん動かしていただきました。

懇親会

終了後、半数以上の方が懇親会にご参加くださいました。

受講者の生の声(当日)

2日間の養成講座も終わりに近づいたころ、会場内で受講者のみなさまから、そのとき感じたことを生のお声として頂戴いたしました。

高橋 和人さま、介護支援専門員
NPO法人里つむぎ八幡平(岩手県)

施設を立ち上げ、今は理事長・統括施設長という形で働いています。グループホームや有料老人ホームでこれまでにも看取りはしてきたのですが、看取りに至る過程で知らないことが多過ぎて、利用者やご家族との関わりの中で適切な言葉づかい、表現が出来なかったことから、1年以上前から受けたいと思っていました。受講してみて、疲労感と充実感がない混ぜになっているのですが、一番感じたのは、日頃の自分のコミュニケーションの取り方の、あまりいい言葉ではないのですが、いい加減さを痛感しています。いつもはどうしても自分が主となって語ることが多いので、聴く力を養っていきたいなと今強く思っています。看取りもずっと継続してやっていきますので、職員たちにぜひ今回の学びを少しでも広げていきたいと思っています。職員も少しずつ参加していきながら、法人全体でこのエンドオブライフ・ケアに取り組んで行くことが出来ればと。もっともっと勉強しなければいけない、それが一番ですね。

 

千葉 忍さま、管理栄養士
医療法人仁医会 釜石のぞみ病院(岩手県)

療養型病院で管理栄養士として働いています。主に「食」に関して患者さんと関わり「食べる=生きること」としてずっと仕事をしてきましたが、今いる職場が療養型で、お看取りの患者さんがいる中、「生きる」だけを強調していることに限界を感じて、生きるを語るために自分なりの視点で死を見つめてみようかなと思ったのがきっかけです。正直、今日ここに来るまでは、お看取りが近くなった患者さんのお部屋に足が遠のいていました。掛ける言葉が見つからないとか、食事がもう止まってしまって私の出る場面は無いんじゃないだろうか、と逃げの姿勢だったんですけども、少し強くなれたというか、寄り添う、支えになる勇気を持てるきっかけになったような気がします。まずは明日からの自分の職場で、患者さんと真摯に向き合っていくことに努力したいと思いますし、今日学んだことを地域の仲間に伝えながら、一緒に歩んで行ける仲間づくり、組織を増やしていきたいと考えています。

 

受講者の生の声(後日)

受講後、職場に戻って実践していらっしゃるみなさまの声をお聴きしました。

渡辺 美起子さま、看護師
福島県立医科大学附属病院(福島県)

私が養成講座に参加した動機は、在宅療養移行支援や、転院調整をしているので、患者さんの思いを聴かなければならないからです。でも、人生の最終段階の方々への対応に苦手意識がありました。そんな時、小澤先生の講演を聴いて感動し、受講を決めました。

養成講座を受けていて感じたのは、ロールプレイは小澤先生が必ずお手本を見せてくださるのでまねすればいいのですが、なかなか自分の癖が出たりして上手くいかないこともあり、自分の弱みを知るいい機会にもなりました。「苦しんでいる人は、苦しみを分かってくれる人がいるとうれしい」。そうか??思いをキャッチすれば良いんだ。今は、「今一番気になることは何でしょうか?」 この言葉は魔法のようで、患者さんからいろんな話が出てきます。私はその思いをキャッチして、実現するために地域の担当者に繋いでいます。養成講座で出された課題は大変でしたが、全て患者さんとの会話からケアにつなげることができました。

患者さんの望む療養場所で、最後まで穏やかな表情で生ききる支援ができるようにこれからも学び続けます。おすすめポイントは、やはり、苦しみを分かってくれる人だと思ってもらえる自分になれる研修です。

 

三浦 丈美さま、介護支援専門員
ひなたぼっこ(宮城県)

主任ケアマネジャーをしています。所内で看取りについて話し合う機会も多くなっているので、あらためてターミナルケアにおける対人援助について学ぼうと思い受講しました。

受講によって、いろいろな気づきがありましたが、実際にロールプレイをしてみて、ゆったりと自分の思いを聞いて貰える心地よさや次に湧き上がってくる思いを言葉にしていく上で沈黙は大切な時間であることを実感できたことはとてもよかったです。又、苦しむ前には気づかなかった大切なつながりや支えがあることに気づくことによって、人は穏やかになれると言うことを学び、とても救われる思いがしました。お一人お一人のそのような時間を大切にしていきたいと思います。

今回、客観的に自分自身の心の整理をする機会にもなり、支えの強化を得たように感じます。受講して本当に良かったです。ありがとうございます。

受講後は、小澤先生の著書を読んで勉強しながら、所内研修で伝達したり、日常の個別の関わりの中で反復等を意識しながら傾聴を心がけるようにしています。所内ケアマネジャーや関係機関の方々にも今後開催される養成講座参加を勧めています。

 

まとめ

仙台では、昨年9月に行われた第17回に続いて3回目の開催でした。認定ファシリテーターも新たに誕生し、東北にもこれから新たな学びの場が広がっていくことを期待しています。

協会としては2日間の講座を提供して終わりではなく、受講した方がさらに理解を深め、実践し、振り返り、自らと周囲を進化させていく、そんなお手伝いができたらと願っております。

次回は4月8日(土)-9日(日)、横浜開催をレポートいたします。

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