第26回「エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座」(横浜)

  • 開催レポート

2017.07.23

4月8日(土)、横浜めぐみ在宅クリニックでの養成講座がスタートしました。当日は、eラーニングのスクーリングとしてご受講くださった方、またファリシテーター候補としてご参加くださった方を含め、50名の皆さまにご参加いただきました。開催にあたり、当日の運営面で多くのご協力をいただきましたことを心より御礼申し上げます。 

参加者

50名の方にご参加いただきました。

職種の内訳は、看護師40%、介護支援専門員20%、介護職12%、医師6%、薬剤師4%、その他18%でした。その他職種にはソーシャルワーカー、フットケア施術者、死化粧師/エンゼルメイク指導者、助産師、相談員、保育士、訪問美容師、臨床検査技師など、多彩な職種の皆さまにご参加いただきました。

地域別では開催地の神奈川県や東京都、千葉県等近隣のほか、中部地方や九州地方など、遠方からのご参加者もいらっしゃいました。

講座の様子

協会理事であり、横浜で在宅診療を行うめぐみ在宅クリニック院長の小澤 竹俊が、2日間の講師を務めました。


2日間の講座では、以下の要素を学びます。

  • 課題背景(2025年問題に備えて)
  • 人生の最終段階に共通する自然経過
  • 苦しむ人への援助と5つの課題
  • 意思決定支援
  • 自宅・介護施設で求められる症状緩和
  • 多職種連携で「援助」を言葉にする(マクロ)
  • 1対1で対応する(ミクロ)

ただ受け身で聞くのではなく、ロールプレイや事例検討のためのグループワーク、学んだことの振り返りなど、ほとんど休む間もなく、口と手をたくさん動かしていただきました。

懇親会

終了後、半数以上の方が懇親会にご参加くださいました。

受講者の生の声(当日)

2日間の養成講座も終わりに近づいたころ、会場内で受講者のみなさまから、そのとき感じたことを生のお声として頂戴いたしました。

川口 美幸さま、介護支援専門員
湘南シニアサービス(神奈川県)

ケアマネージャーをやっています。看取りのケアに入ることが多く、少しでもその方の希望が叶うエンディングをと考えていても、なかなか死を間際にした方へのケアが難しく、自分の母の看取りを頭に浮かべながら手探りでやってきたのが課題だったので、クリアしたいと思い受講しました。

先生の説明が非常に整理されていて分かりやすく、またロールプレイを通して日頃自分が体験しない役割、例えば患者さん自身を体験して、とても霧が晴れるような感じで、今、徐々にすっきりとしてきています。

(研修は)難しかったです。でも、明日から是非活かして、地域とか仲間とか皆に広めたいと思うくらいとても良い研修でした。今後自分の支援の中には当然活かしていくんですが、地域包括ケアの中でどうしても落とし穴になることがあると思うんですが、そこを対外的に文句だけ言っているのではなく、自分がこの町で最期まで生きたいね、こんな風に亡くなりたいね、っていうような土台をみんなで作りたいと思います。

 

中川 麻美さま、看護師
医療法人社団悠翔会 在宅クリニック渋谷(東京都)

訪問診療を専門にしているクリニックの、医師に同行の看護師をしております。現場でご自宅を訪問する中で、やはり「死にたい」や、苦しい思いをおっしゃってくださる患者さんにどう返していいのか、というところに自分の課題があると感じていて、ディグニティセラピーや先生の著書を見て、すぐにでも勉強したいと思って受講しました。

実際に反復、沈黙、傾聴するということは、看護の勉強の中で何度も言われてきていて、実際にやろうとしていたのですが、その本当の意味や患者さんの思いがロールプレイを重ねる中で実感できて、すごい学びになりました。実践の場で患者さんに提供していくという形を取っていきたいというところと、やはり同じ悩みを抱えている看護師さんやヘルパーさん、ケアマネージャーさんやご家族の方にも、すごく困っている方がいらっしゃると思うので、もし興味があったら、こういうところで学べるよ、っていうのを伝えて、一緒にこれに取り組んで行く仲間を作っていきたいと思っています。

 

受講者の生の声(後日)

受講後、職場に戻って実践していらっしゃるみなさまの声をお聴きしました。

阿部智介さま、医師(一般内科)
医療法人慈孝会 七山診療所(佐賀県)

「どうして私は死ねないのですか?」繰り返されるその問いかけを、私は辛く感じていました。逃げないで患者さんに向い続けるためにも、その壁を乗り越えたい。そう思いELCの門を叩きました。

その問いを私に投げかけられたのは、100歳を越えて認知症もなく、身の回りのことは自分でできている理想的な長寿の方です。一般的に考えれば幸せなことですが、限界集落の環境がそれを許しません。先に弱っていく子どもの為にも自分は早く死ななければならない。それがその方の思いです。

生きる苦しみとは何なのか?その苦しみの中にある支えは何なのか?今回の講座を通して、私は悩み続けていたその問いに対する考え方を言語化できたのではないかと思います。考え方を言語化することで思考が整理され、そのアプローチは的確になります。希望と現実の差を苦しみとして感じとり、患者さんにとって話を聞いてくれる人になる。それを心掛けていくことで、患者さんの表情も少し穏やかになってきました。そして、私自身の苦しみも軽減しました。

過疎化が進む地域では、そこに生きる人が「死」とも向き合っていかなければなりません。そのためにもELCで学んだことを地域で伝えていきたいと思います。

石井 純子さま、社会福祉士/介護支援専門員 
高齢者あんしんセンター希望館(群馬県)

地域型包括支援センターで社会福祉士をしております。養成講座参加の動機は、友達からのお誘いでした。「プロフェッショナル仕事の流儀見た?小澤先生の講座に行きましょう」と。

日頃の業務の中、相談者には「石井さんには私の気持ちはわからない」「石井さんは一体何をやってくれる人なの」「石井さんは言葉も丁寧だし優しく話す。でも薄っぺらい」(泣)。そんな私に足りなかったこと。それは「私は理解している(つもり)」が、相手には「理解してくれる人」と思われていなかった。私は、この仕事に対する熱いハートはある。しかし技術がなかったのではないか。

日々の現場では、「聴き方」の反復、沈黙、問いかけを応用し実践しています。この講座のロールプレイの演習は、患者役、聞き役その様子を観察する観察者として学びます。たかがロールプレイと思うことなかれ。看護師さんがドクターが介護職が、それぞれの役に感情移入して見事に演じることにより、それぞれの立場を理解できます。患者役になった看護師さんは号泣し、ドクターは「私が患者さんを怒らせた原因がわかった」と。

私は、自分に欠けていたものに気付きました。是非、演習の効果を体感して下さい。

まとめ

横浜では2016年4月以降、2回目の開催となりました。折しも、受講生主導で開催している地域学習会として、ELC東京の開催を控え、ファシリテーターの方々が自身の学びを兼ねて、運営サポートにお越しくださいました。学習会開催のご案内があり、今回ご参加くださった方々の中から、ELC東京へのご参加希望も多くあったようです。

協会としては2日間の講座を提供して終わりではなく、受講した方がさらに理解を深め、実践し、振り返り、自らと周囲を進化させていく、そんなお手伝いができたらと願っております。

次回は、5月13日(土)-14日(日)、東京開催をレポートいたします。

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