第37回「エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座」(東京)

  • 開催レポート

2018.03.27

1月20日(土)・21日(日)、東京でエンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座を開催いたしました。当日は57名の皆さまにご参加いただきました。開催にあたり、運営をご支援くださった地域学習会ファシリテーターならびにファシリテーター候補者のみなさまに心より御礼申し上げます。

参加者

57名の方にご参加いただきました。

職種の内訳は、看護師51%、医師9%、リハビリテーション職7%、介護職7%、管理栄養士3%、相談員3%、ソーシャルワーカー2%、介護支援専門員2%、その他16%でした。その他職種には歯科医師、助産師、保健師、心理職、鍼灸師、傾聴ボランティア、民生・児童委員、会社員など多職種の皆様にご参加いただきました。

地域別では開催地の東京および周辺県からの参加が目立つ一方、茨城、栃木、福島、長野、静岡や、遠く鹿児島からのご参加者もいらっしゃいました。

 

 

講座の様子

協会理事であり、横浜で在宅診療を行うめぐみ在宅クリニック院長の小澤 竹俊が、2日間の講師を務めました。


2日間の講座では、以下の要素を学びます。

  • 課題背景(2025年問題に備えて)
  • 人生の最終段階に共通する自然経過
  • 苦しむ人への援助と5つの課題
  • 意思決定支援
  • 自宅・介護施設で求められる症状緩和
  • 多職種連携で「援助」を言葉にする(マクロ)
  • 1対1で対応する(ミクロ)

ただ受け身で聞くのではなく、ロールプレイや事例検討のためのグループワーク、学んだことの振り返りなど、ほとんど休む間もなく、口と手をたくさん動かしていただきました。

懇親会

終了後、半数以上の方が懇親会にご参加くださいました。

 

受講者の生の声(後日)

受講後、職場に戻って実践していらっしゃるみなさまの声をお聴きしました。

若杉葉子さま、歯科医師
医療法人悠翔会(東京都)

 私は歯科医師として、病院や訪問診療で終末期の患者さんの口腔ケアや歯科治療、摂食嚥下障害で介入することがあり、対応の難しさを感じていました。昨年の4月から医療法人悠翔会で常勤の歯科医師として働き始め、終末期の患者さんと接する機会が増えてくる中で、会話の難しさから苦手意識を持つようになってしまいました。その中でこちらの存在を知り、受講させていただきました。

 養成講座の内容は私にとって目からうろこで、人の精神的な状態をここまでわかりやすく言語によって説明され、対応方法が述べられていることに驚きました。また、この内容は終末期の患者さんに対してだけでなく、すべての人が対象になると思いましたし、医療従事者以外のすべての方に知ってもらいたいと思う内容でした。

 実際の自分の臨床での変化としては、終末期の患者さんのところへ行くことに対する苦手意識が薄くなりましたが、苦しみを述べられるような関係性の構築が自分はまだ未熟であることにも気づきました。終末期の患者さん以外でも苦しみを抱えている方は多くいらっしゃいます。日常の診療において苦しみに気づくこと、日常的な会話を通じて関係性を構築し、支えをキャッチできる関係性を築くことの重要性を認識することができました。

 

田中 雄大さま、看護師
コパン訪問看護ステーション(東京都)

 私は昨年の4月から訪問看護を始めました。自宅でお看取りをする中で病院以上に多くの医療福祉スタッフとの連携が重要なこと。そして、家族など医療者ではない方の協力を得ることも重要だと感じました。ELC養成講座には多職種、一般の方とどのように協働して在宅でのお看取りをしていくのかヒントを得たいと思い応募しました。

 講座で利用者(患者)の“苦しみ”を把握していく。そして、苦しみがありながらも、穏やかだと思える“支え”を支援する方法を考えるというアプローチを学びました。また、利用者から“理解しようとしてくれる人”と認識してもらうことが大切だということも大きな学びでした。

 講座受講後、現場では“苦しみ”という表現を活用するように意識しています。それにより、医師やヘルパー、ケアマネージャーに対してスムーズに利用者の介入すべき点を伝えられるようになりました。また、家族に対しても“苦しみ”と“支え”という表現で説明することで、家族も利用者の苦しみを支える強力なメンバーとして参加してもらえることが増えました。そして、一番の変化は利用者の話を遮らず、反復、沈黙、問いかけを丁寧に使うことで、困難な事例の利用者でも信頼関係を形成できるようになりました。

 この講座を受けることで利用者、家族、スタッフへの関わる時の意識が変わりました。知識などを得られる講座は多くあると思いますが、意識まで変えてくれる講座は少ないと思います。そして、この講座では、同じ志を持った仲間に出会えることが大きいと思います。 “1人の100歩よりも100人の1歩”という言葉があります。持続可能な地域システムを作るために、1人だけが頑張るのではなく、周囲の人と力を合わせて課題に取り組む能力を養うことのできる講座だと思います。私もこの講座で学んだことを活かし、地域で関わる人々の最初の一歩を踏み出せるお手伝いをしていきます。

 

山田直子さま、看護師
上尾中央訪問看護ステーション(埼玉県)

 実は、講座の事、そして小澤先生の事、全く知らずに申し込みをしました。申し込みのきっかけは資料作りをしていてインターネットの検索していたところ、協会、講座を知りました。日頃、在宅で最後まで過ごしている方のケアに、もっと良い支援ができたらという思いもあったので、参加してみようと思いました。

 研修にて「私が相手を完全に理解することはできない。しかし相手が私を自分の理解者だと思うことは可能性として残る」「人は支えがあればどんな時でも穏やかでいられる。」という先生の言葉に、日々無力を感じていた私は感銘を受けました。

 研修後は終末期の利用者さんにまずは傾聴からと思い、研修のロールプレイングで行った事を思い出しながら実践してみましたが、つい相手の思いを推測して話してしまったり、マイナス的な言葉にはなかなか反復することできずにいます。しかし、研修での学びを日々振り返り、テキストを読み返して実践し続け、支援できるように心がけてます。

 聴講だけの 研修でなくロールプレイングで相手の立場になる事も学び、明日からすぐに実践したい!と思うような内容ばかりです。また、懇親会でも小澤先生とお話しできたり、参加している方たちと情報交換ができたり、研修以外でも得られるものも、たくさんありました。明日からのエネルギーを得られたような元気になれる2日間でした。

 

渡部 恵己さま、管理栄養士(東京都)

 講習を受けるきっかけは、勤務先である特養での看取りが増えてきたことです。高齢による身体状況の変化、摂食嚥下機能や認知機能の低下した利用者、その方々の人生最後のワンスプーンを整えていくことは、長い施設生活での関わりの上で、病状や身体・精神状態の理解を、職員や家族が持つことが必要だと考えたからです。

 管理栄養士は献立表や食事、アセスメント書類と向かい合うことが多くなりがちな職種です。受講し、ロールプレイングをするうちに、ケアに携わる職員は利用者に対する理解だけではなく、受け取ること、支えること、繋ぐこと…いろいろな技術が必要であること、またそれが不足していることを実感しました。

 そして、初めは特養の看取りとは違うという印象を持ちましたが、ロールプレイングをするなかで徐々に、施設での生活の中で早くからこの視点を取り入れることが、ケアの質を上げるために必要だということに気づきました。また、苦しみの度合は違えど、普段の生活、子供とのやり取りの中でも生かせる考え方なのではないかと感じました。

 なかなかうまくいかないことばかりです。継続は力。気づきを大切に、続けていきたいと思います。

 

まとめ

東京には様々な地域から参加者が集まりますが、東京都では認定ファシリテーターの皆さまにより、受講後に継続的に学びを振り返り、交流する場が設けられています。

協会としては2日間の講座を提供して終わりではなく、受講した方がさらに理解を深め、実践し、振り返り、自らと周囲を進化させていく、そんなお手伝いができたらと願っています。

次回は1月27-28日、名古屋開催をレポートいたします。

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