第69回「エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座」(東京)

  • 講座開催レポート

2020.01.21

2019年9月28(土)・29日(日)、東京でエンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座を開催いたしました。当日は52名の皆さまにご参加いただきました(2日間の受講者、eラーニング+2日目集合研修の受講者、ファシリテーター候補者枠の方を含む)。開催にあたり、運営をご支援くださった地域学習会ファシリテーターならびにファシリテーター候補者のみなさまに心より御礼申し上げます。

 

講座の様子

協会理事であり、横浜で在宅診療を行うめぐみ在宅クリニック院長の小澤 竹俊が、2日間の講師を務めました。


2日間の講座では、以下の要素を学びます。

  • 課題背景(2025年問題に備えて)
  • 人生の最終段階に共通する自然経過
  • 苦しむ人への援助と5つの課題
  • 意思決定支援
  • 自宅・介護施設で求められる症状緩和
  • 多職種連携で「援助」を言葉にする(マクロ)
  • 1対1で対応する(ミクロ)

ただ受け身で聞くのではなく、ロールプレイや事例検討のためのグループワーク、学んだことの振り返りなど、ほとんど休む間もなく、口と手をたくさん動かしていただきました。

懇親会

終了後、半数近くの方が懇親会にご参加くださいました。

受講者の生の声(後日)

受講後、職場に戻って実践していらっしゃるみなさまの声をお聴きしました。

 

柳彩千さま、介護職
市立福知山市民病院(京都府)

 小澤先生のことも協会の存在も知らなかった私に「この研修、行きたいんですよねー」と、ひとまわり以上若いかわいい先生が声をかけてくれたのがきっかけでした。腫瘍内科病棟で働いていると「早く死にたい」と言われることは少なくなく、苦しんでいる患者さまに向き合うのが難しい、辛いと思っていた私には渡りに船でした。受講し特に収穫だったのは、反復と沈黙を使った聴き方、自らの支えを知るという学びでした。そして、変わり者の集まりだと自他ともに認める(笑)素敵な仲間に出会えたことは何よりのギフトでした。そんな仲間という支えもいただき、以前では自然と足が遠ざかっていた苦しんでいる患者さまに対し、努めて向き合えるようになりました。まずはひたすら聴き、ともに沈黙を過ごす。その聴き方も、今までなら何と答えようかと考えながら聴いていたことに気付かされ、真に聴いていなかったことに反省。理解するのではなく、理解してくれる人、つまり聴いてくれる人になること。丁寧な反復を心がけながら実践中です。実際に回数を重ねる内に、介護士さんという呼び方から名前で呼んでくださるようになり、遠慮されていた身体的ケアを頼んでくださるようになりました。私自身は苦しんでいる人のケアに前向きになれ、そしてこの技術は家族や友人などに向けても同じだと感じています。この学びは日々の生き方を変えてくれます!

 

相談員 (東京都)

・養成講座ご参加の動機
 私はものごとの最後をとても大切なものと考えています。90歳を超えた実母がいて、将来必ず訪れる最期の瞬間を心穏やかに迎えてほしい、そのために娘である自分に何ができるかを考えた時に、小澤先生が講師のELC援助者養成基礎講座を知り、即日申し込みました。

・養成講座で得られたこと
 私自身が医療従事者ではないため、講座で出会ったグループの仲間は異業種の方たちですが、一緒に受講することでとても深い学びを得ることができました。志を一にする仲間を得ることができたのは大きな収穫です。
 また、当初は高齢の実母を看取るための心の準備と思って申し込みましたが、講座では実母を介護している実姉へのサポートも必要不可欠であるとわかり、そのためのスキルも身につけることが出来ました。

・現場で実践していること
 実姉は日々の介護疲れから体調を崩し危険な状況でしたが、私自身がELCで学んだ『支え」を実践することで、実姉自身が「一人で抱えなくてもよい」と思えるようになり、ストレスとプレッシャーが軽減され、介護疲れによる過労死を回避できました。
 私は日頃、家族や仕事、人生に悩む人達、またDVや虐待などの暴力被害者の支援・相談業務を行っています。電話や面接ではELC講座で学んだ『反復、沈黙、問いかけ』を駆使して傾聴し、相談者によりそい『わかってくれる人』になれるよう心がけています。最近は「こんなにわかってもらえたのは初めてだ」「こんなに丁寧に聴いてもらえて、心が軽くなった」などと言って下さる相談者が増えており実践でも役に立っています。

・受講検討中の方へのおすすめのポイント
 これほどロールプレイをみっちり行う講座を、私はかつて受けたことがありません。非常にハードですが、確実にスキルが身につく講座だと思います。
 また、小澤先生から直接学ぶことができるのがこの講座最大のポイントであり、素晴らしい仲間たちと出会える最高の場でもあります。

 

野澤 ひろみさま、看護師
厚生連新潟医療センター 新潟こばり訪問看護ステーション(新潟県)

 結婚を機に退職し、15年ほど主婦をしておりました。子どもも成長し、次は自分のやりたい事をしたいという思いで在宅医療に関心を持ち始めました。そんな時、在宅医療で活躍している知人から聞いていた小澤先生が新潟市で講演会を開催することを知り、すぐに申し込み拝聴しました。講演後先生とお話できる機会があり、「元看護師です。在宅に興味があり勉強させていただきました。在宅医療の現場で仕事復帰したいと考えています。」とお伝えしたところ、「元…はいらないですよ。在宅の仲間が待っていますから。」と温かい言葉をいただきました。この言葉に背中を押され、現在訪問看護師として勤務し1年が経ちます。20代の頃、患者さんのスピリチュアルな苦しみに対してうまい対応ができず悶々としたまま病棟看護師をしておりました。訪問看護は利用者さんの生活の場に入り、より密な関係の構築が必要となります。その様な中でこのままではいけない、苦手意識を無くしたいと思い今回受講しました。

 受講し、グループワークやロールプレイを体験したことでそれぞれの立場や視点での捉え方や考え方を共有することができました。他にも得られた事はたくさんありますが、いちばんの収穫は、出会って2日目の同じグループのメンバーの前で自分の苦しみを話せたことです。今まで人前で涙を流すこと、弱い自分をさらけ出すことは恥ずかしいことだという思いが何処かにありました。そのような私が自然とこの人達は聴いてくれる人だと認識し、苦しみを言葉にできた瞬間でした。苦しみのある人たちの支えになりたいと集まった同じ志をもった仲間に巡り合えた事、そしてこの経験こそが私の支えであるとも感じています。

 受講後、普段自分がどの様な聴き手であったのかを振り返えったところ、主観的な考え方を基準にしていたことに気付きました。自分の物差しで相手の苦しみの大きさを測るのではなく、まずは相手の意見を尊重し受け止めることを心掛けるようになりました。そして「わかってくれる人」になれる様、利用者さんが穏やかな顔でいられる様、まずは反復と沈黙を交えた援助的コミュニケーションを試行錯誤しながら実践しております。

 この講座は人生の最終段階にある人との関わり方について学ぶことができます。しかし、決して医療現場だけではなく様々な分野において苦しみを抱えている人にも当てはまる考え方だと感じました。受講後も地元で行われた勉強会に参加し、さらに仲間が増えました。地域での多職種協働を実現できたことは私の大きな財産です。

 

まとめ

東京には毎回様々な地域から参加者が集まり、その規模も少しずつ拡大している様子が伝わってきています。東京都では認定ファシリテーターの皆さまにより継続的な地域学習会が企画されています。

協会としては2日間の講座を提供して終わりではなく、受講した方がさらに理解を深め、実践し、振り返り、自らと周囲を進化させていく、そんなお手伝いができたらと願っております。

次回は、10月12日(土)-13日(日)、福岡開催をレポートいたします。

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