第70回「エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座」(福岡)

  • 講座開催レポート

2020.02.10

2019年10月12(土)・13日(日)、福岡でエンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座を開催いたしました。当日は59名の皆さまにご参加いただきました(2日間の受講者、eラーニング+2日目集合研修の受講者、ファシリテーター候補者枠の方を含む)。開催にあたり、運営をご支援くださった地域学習会ファシリテーターならびにファシリテーター候補者のみなさまに心より御礼申し上げます。

講座の様子

協会理事であり、横浜で在宅診療を行うめぐみ在宅クリニック院長の小澤 竹俊が、2日間の講師を務めました。


2日間の講座では、以下の要素を学びます。

  • 課題背景(2025年問題に備えて)
  • 人生の最終段階に共通する自然経過
  • 苦しむ人への援助と5つの課題
  • 意思決定支援
  • 自宅・介護施設で求められる症状緩和
  • 多職種連携で「援助」を言葉にする(マクロ)
  • 1対1で対応する(ミクロ)

ただ受け身で聞くのではなく、ロールプレイや事例検討のためのグループワーク、学んだことの振り返りなど、ほとんど休む間もなく、口と手をたくさん動かしていただきました。

懇親会

終了後、半数近くの方が懇親会にご参加くださいました。

受講者の生の声(後日)

受講後、職場に戻って実践していらっしゃるみなさまの声をお聴きしました。

 

にった歯科医院 歯科医師
新田 洋司さま(福岡県)

 私がこの研修会を受講するきっかけとなったのは、7月に戸畑で開催されたELC研修会での小澤先生講演会です。平成2年に歯科医院を開設。外来、在宅、施設訪問歯科診療を行ってきました。

 今まで、治療中治療後にも患者さんにかける言葉は「頑張ってください」が、ほとんどでした。

 ある日、外来受診可能ですが、がん闘病中の患者さんから、「先生、きついです。私こんなにきつい思いをしながら頑張って生きなきゃいけないんですかねー...。」と言われました。その時に、何と答えてよいか、困惑しました。

 また、非がんで在宅療養中の患者さんの奥様と娘さんからは、「先生、この歯の治療をしなければお父さんはどうなりますか?」『この歯が原因で、食事ができなくなったり、病巣感染といって全身にもバイ菌がまわって命にかかわる場合もあります。』「それならそれでいいんですけどね」これも返答できなかったことを覚えており。いつも頭から離れませんでした。

 養成講座を受けることで、患者さん本人だけでなくご家族にも寄り添えることが少しでもできるようにならないかと思い参加しました。

 2日間の研修は、講義とロールプレイングの繰り返しでかなりハードではありましたが、援助的コミュニケーションにおいての基本 反復・沈黙・問いかけこの3つをいつも心において、患者さんと接するようにしようと思いました。

 ただ、10月以来、そういう援助的コミュニケーションを必要とする患者さんと接する機会がありませんでした。自分の心掛けが足りないのか、患者さんや、ご家族の苦しみに気づけていないのかもしれません。

 この開催レポートにコメントを寄せるにあたり、もう一度、講座ノートを開いて、日々の診療にも取り入れることができたらと思います。

 

介護支援専門員
ケアプランセンター花えがお(福岡県)

・養成講座ご参加の動機
人生の最終段階の方や御家族への対応方法が分からず、悩んでいたところ、小澤先生の講演会に参加でき、私が知りたかったのはこれだったんだ。との思いから講座へ参加させて頂きました。

・養成講座で得られたこと
患者役になる事で新たな気付きや感覚を体感することが出来ました。また、相手が分かるように簡単に説明する技術等も含め、相談業務には欠かせない知識を得ることが出来ました。

・現場で実践していること
研修終了直後に、ご利用者が逝去され、御家族より連絡がありました。講座で学んだ知識を思い出し対応する事で、ケアマネが貴女で良かった。と言って頂けた事がとても嬉しかったです。

・受講検討中の方へのおすすめのポイント
大切な方の心に寄り添うためには、相手への伝え方や、相手を受容する技術の習得は欠かせないと思います。
「百聞は一見にしかず」です。

 

赤山留美子さま、専任教員
八代市医師会 八代看護学校(熊本県)

 今回、受講した動機は、2018年9月のひまわり在宅クリニック10周年記念講演に参加した際に初めて小澤竹俊先生を拝見し、やさしい話し方や声のトーンが心地よく、とても印象に残りました。2019年1月熊本県介護支援専門員協会主催の半日体験型講演に参加し、もっと学びたいと思いました。念願かなっての第70回「エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座」に参加することが出来ました。

 援助的コミュニケーションとして相手の苦しみを100%わかることは出来ないが「苦しんでいる人は自分の苦しみをわかってくれる人がいるとうれしい」そのわかってくれる人の聴き方には反復、沈黙、問いかけがあることを学びました。相手がどのようになったら穏やかに過ごせるのかを考えながらグループワークを行い、とても濃厚な2日間でした。

 私が所属している看護学校は昼間定時制であり年齢も幅広い学生がいます。それ故に悩みを抱えて苦しむ学生も多く今回の学びを実践し、丁寧に話を聴くことで自分をわかってくれる人と認識してもらい、答えることができる苦しみに対しては答えることができるような支援を行ってきました。学生が穏やかになれるようにしっかりと支えていける存在になりたいと思います。

 小澤先生直筆の「誰かの支えになろうとする人こそ一番支えを必要としています」という言葉を胸に支えを必要としている人の支えになりたい。この想いを地域へ広め仲間を増やし皆で支えあえる関係が構築できれば一番良いと思いました。

 

まとめ

福岡での開催は、今年6月の第64回に続き10回目の開催でした。九州山口地域では認定ファシリテーターのみなさまにより、山口、糸島唐津、福岡、北九州、宗像、長崎、波佐見、大分、熊本、鹿児島、喜入、奄美など、継続的に地域学習会が企画されています。

協会としては2日間の講座を提供して終わりではなく、受講した方がさらに理解を深め、実践し、振り返り、自らと周囲を進化させていく、そんなお手伝いができたらと願っております。

 

次回は、10月26日(土)-27日(日)、札幌開催をレポートいたします。

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