【講座】オンライン開催「第79回 エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座」(9/12-13)

  • 開催レポート

2020年9月12日(土)・13日(日)に、エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座をオンラインで開催いたしました。

主催する公開講座としては通算79回目、各地の職能団体等が主催となるインハウス研修を含めると、97回目の開催となります。


講座の構成

 主に知識部分については開催日までに動画を視聴いただき、当日は演習を中心にWeb会議室「Zoom」で学んでいただけるようになっています。

 動画とオンラインを通して、以下の要素を学びます。

・課題背景(2025年問題に備えて)

  1. ・人生の最終段階に共通する自然経過
  2. ・苦しむ人への援助と5つの課題
  3. ・意思決定支援
  4. ・自宅・介護施設で求められる症状緩和
  5. ・多職種連携で「援助」を言葉にする(マクロ)
  6. ・1対1で対応する(ミクロ)

 ロールプレイや事例検討のためのグループワークなど、小グループにわかれて、ファシリテーターとともに、じっくりと学んでいただきました。

受講者の生の声(開催直後)

・分かりやすいスピードと言葉を使っていただいたので、医療関係者ではない私でも理解に戸惑うことはありませんでした。
・今まで臨床研修などでロールプレイを経験したことはありますが、こんな熱のこもったロールプレイは初めてでした。
・看護師としての自分がやりがいを感じる人生の最終段階にある患者の看護を行う上で、必要な技術を学べる場所を探していました。
・子育て中で遠方の時は参加を諦めていました。参加しやすくありがたいです。
・こうした苦しみを抱える人への対応に関しては、企業の管理職研修にも十分に応用できる内容だと感じた
・今回、エネルギー消費の大きい研修でしたが学びがそれ以上に大きく、今後の自身のケアマネ人生に大きく影響する研修と感じています。
 

受講者の生の声(後日)

受講後、職場に戻って実践していらっしゃるみなさまの声をお聴きしました。

神谷はづきさま、リハビリテーション職
イムス札幌内科リハビリテーション病院(北海道)

 今回、参加させて頂いたきっかけは私がリハビリ学生の時に実際に小澤先生の講義を受けたことです。元々『終末期』という分野に興味があり、就職先でもお看取りの経験をする中で自分自身のやるせ無い感情や疑問が多くうまれ、自分を認められるためにも、もう一度小澤先生のお話を聴きたいと思ったのがきっかけでした。実際の今回の講義では、相手の話を聴く際に『共感したつもりになること』だけではなく『相手の意見を素直に受け入れて共感する』ということができるようでとても難しくとても大切であることを学びました。また、『わかってくれる人』がいると思えたとき、終末期だけでなく人間誰でも支えになるのではないかと感じることができました。現場で援助的コミュニケーションを実践することで今まで以上に相手が大事にしていたことなどをその人の言葉で話してくれるようになりました。また、私自身もその方の言葉そのものの意味を意識する様になったことでより具体的な希望に沿った介入ができるようになったのではないかと感じています。

 『相手のためにこれだけ考えて関わっているのに上手くいかないことが多い...本当にこれでよかったのか...』などとと思った経験がある方はぜひこの講義を受けてほしいなと思います。きっと相手が本当に求めていることが見えてくるヒントになる、相手を知ろうとする気持ちが伝わるだけでも相手は穏やかになれるんじゃないかと私は講義と現場を通して感じる事ができました。

 

南香帆里さま、介護支援専門員
ケアプランサービスつなぎ(和歌山県)

・養成講座参加の動機について
 最近、「人生の最終段階」ある人に関わることが多くなりつつあり、自身が行っている対応で十分なのか、もしくは対象者に苦痛を強いてはいないか心配していました。人生の最終段階にある人に関わることの重大さ、責任の大きさに不安がありました。そこで見つけたのがこの講座でした。

・受講後に現場で実践していること
 まずは「聴く」!ここに意識を置いて対応しています。そうすると相手方から自然と言葉が出てくるんです。こんなすぐに反応が出ることに驚きました。相手方からは「聴いてくれているので色々と思いが出てきます。」と「話せる人で良かった。」と言葉をいただきました。このケースにおいては自分自身の中でも迷いが出ないケースとなりました。

・受講前後で自身が変わったと感じたこと
 学習し、明らかに対応時の焦りがなくなりました。残された少ない時間の中ですが、その中でも余裕をもって対応にあたることができています。最期を迎えられるご本人とご家族の思いがきちんと聴けていると感じます。対応する事への自分が感じていた負担や不安感もなくなりました。

・受講検討中の方へのおすすめポイント
 受講前は緊張します。受講中もエネルギーを消費します。ですが、講師の先生をはじめ、ご指導くださる皆さんもとても温かく、学習しやすい場と感じています。自分自身の成長にもなりますし、何よりも「人生の最終段階にある人」が穏やかな時間を過ごせている空間が感じられます。「人生の最終段階にある人」を対象に職務に当たる人、そうでない人もぜひ受講してもらいたいと思います。

 

安喜智恵美さま、看護師
訪問看護ステーションかがやき松山(愛媛県)

 私は、現在訪問看護師として働いてます。在宅の仕事は大好きですが楽しいことばかりではありません。辛いこと、無力感などを感じることも少なくはないです。利用者様や家族様に寄り添い少しでもその人らしく生活ができるようにと努力をしてきました。

 看取りや困難事例にも数多く関わらせて頂きました。私は、会話の中での沈黙が苦手で、つい想像や自分が感じたことなどを話してしまい、話が途切れたり、時には地雷を踏んでしまったりしたこともあります。どう対応したらいいのか?と考えてはいたのですが、仕事に追われ対応策もなく業務にあたっていました。そんな時に知り合いの先生のフェースブックで、このエンドオブライフを知り、吸い込まれるようにオンライン受講を申し込みました。

 受講で得られたことは沢山ありました。利用者様にとって「沈黙」は苦ではないということ。そして援助的コミュニケーションの基本である「苦しんでいる人は自分の苦しみをわかってくれる人がいるとうれしい」。

 私は、このことを考えて利用者様に接していたかと考えました。マイナス的な言葉の反復、沈黙、問いかけ、一連の援助的コミュニケーションの重要性を知り本当に受講して良かったと思いました。そして私たち援助者のケアの必要性も再認識し、自分の職場では出来ていなかったと反省し、今後はこの学びを生かしていきたいと思いました。それと、一緒に受講した方や講座に携わって頂いた方々に知り合えたことです。私の大きな宝物です。

 現場で実際に実践してみて、「もう死にたいと思うこともある」と言われたときに、援助的コミュニケーションで、「今までの支えは何だったのかな。家族かな。娘も頑張ってくれてるし、でも現状では私のことをわかってくれてるあなたが支えだよ。まだ頑張って生きようと思う。ありがとうね」と言われ利用者様の前で涙が出てしまいました。

 受講前後では、時間に限りがあってもゆっくりと話をし、その中で支えとなっているのは何だろう?病気以外に視点がいくようになりました。

 エンドオブライフ・ケア援助者養成講座を検討している皆さん、考え方や思い等が変わると思います。全国の皆さんとも繋がり学びも沢山あります。苦手なロールプレイもありましたが、女優になったつもりで楽しく出来ました。患者さん役で沈黙や間というものが苦ではなく、自分の話を聞いてくれてる、自分の頭の中を整理させてくれてると私は理解しました。

 とても楽しく学べますので、一緒に頑張りましょう。

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今後の研修・イベント開催予定

○エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座
※初回受講の方は、事前にeラーニングの受講が必要となります。
休日昼2回コース(講師:小澤 竹俊)
2020年11月14日(土)15日(日)13:00-17:30
https://endoflifecare.or.jp/programs/show/8834

○新型コロナ・ショックに備えて最強のチームを作ろう
~Vol.8 ディグニティセラピー 
2020年11月17日(火)18:30~20:30
https://4cteams-8.peatix.com/

○折れない心を育てる いのちの授業
~Vol.3 0才も100才も みんなでつなぐいのち
2020年11月29(日)10:00~12:00
https://okproject3.peatix.com/

○エンドオブライフ・ケアを通して折れない心を学ぶ学生の集い#3
1月13日(水)19:00~21:00
https://elcgauksei3.peatix.com/

 

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