【イベント】新型コロナ・ショックに備えて最強のチームを作ろう 〜Vol.9 佐々木淳先生と語る日本の在宅医療・高齢者ケアの未来像〜(2020/12/15)

  • 開催レポート

12月15日(火)、以下のイベントを開催いたしました。

○新型コロナ・ショックに備えて最強のチームを作ろう
 〜Vol.9 佐々木淳先生と語る日本の在宅医療・高齢者ケアの未来像〜

https://4cteams-9.peatix.com/


当日リアルタイムで、120名のご参加がありました。

●全体テーマ:「超超高齢社会における医療・介護」

「人口動態の変化に伴い不足する社会保障財源と医療介護人材。高齢化に伴う疾病構造とアプローチの変化。昭和の時代と比べれば、世帯構成や生き方、暮らし方の形も大きく変わってきています。
今の時代、“病気”を治す医師がたくさんいれば幸せになれるとは限らず、病気を防ぎ、病気とともによりよく生きていく、そのようなケアサイクルを地域コミュニティのなかに作っていくことが新しいケアの形ではないでしょうか。

私たち対人援助職の仕事は目の前のその人を幸せにすること。そのためには、その人だけを見るのではなく、その人の向こうに見える生活、地域、社会を幸せにしていかないといけない。今日は普段の対人援助の視点を離れて、少し高いところから考えていけたら・・・」

このような導入のもと、佐々木先生からは、多様なデータと事例、ご自身をもたとえに出しながら、前半と後半に分けて、ケアに携わる私たち一人ひとりへ、いくつもの問題提起をいただきました。

―先行き不透明で予測困難な(VUCAな)未来に対して、VUCAな患者さんたちのニーズに私たちはこたえられているのだろうか。
―私たちが守ってきた医療システムは、果たして高齢化という社会の変化にキャッチアップできているのだろうか。
―私たちが生きる社会も、私たちが支える対象も、私たちが生きる将来も変わっていくなかで、ここからの先の未来をいかに豊かなものにしていくことができるだろうか。

お話を伺った上で、途中、小グループにわかれて対話の時間としました。

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●問い:
1.限られた資源で支援をしていかなければならない状況が生まれてきたときに、私たちは2つのことに気づく必要がある。1つは、社会保障の枠組みの中で保障されたフォーマルなサービスだけでは支えられなくなるのではないかということ。もう1つは、その人の生活の広がりとそのなかの支えは何か、専門職の枠の中でだけ関わっていてはいけないということ。関わるためにはまずは気づく必要がある。どうしたらこれらのことに気づくことができるのか。

2.わたしの生きがい
人は一人で生きていけないばかりか、地域に根っこを張って生きている。日本は一昔前とは全く別の国になっていくなかで、支える人と支えられる人との二分ではなく、いかにコミュニティのなかで一定の経済、健康(生きたいように生きられる能力)、つながりを保つことができるか、そのようなコミュニティをつくれるかが幸せを左右する。では、私たち自身の生きがいとは何か。

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ご参加のみなさまからいただいた感想です。

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・佐々木先生のお話は、すっと腑に落ちました。マクロな視点から、現場に落とし込まれる感覚を得られました。
・現状日本が抱える超超高齢化社会の問題、意識のズレについて、様々な統計でわかりやすくて国民に周知してほしいと思いました。
・世間の常識のように考えていた老人の枠組み(自分のビリーフ)に気が付いた。自分にとっては常識を変えていく行動が生き甲斐と気がついた
・生きがいを語って聞いてくれる人がいることは素晴らしい、そういう場が地域にもあると今後の超超高齢化社会にもプラスにはたらくのではないか、と感じた。・グループワークはつながりの創出と役割や役目の再確認・再認識に強くドライブをかけていただけました。
・医療の在り方が、これからの人生の多種多様な生き方とともに変わっていくのを楽しみにしつつ、自分にできることを実践していく夢も膨らみました。

* * * * *

前半の問いで重たい現実とも向き合いながら、後半の問いを通して、参加者のみなさん自身の大切なことに触れ、変化する表情が印象的でした。


「私たちは、なんとなく先入観のなかで、超高齢化社会ってこんなものだよね、働くってこういうことだよね、患者さんもVUCAだと思っているけれど、目の前の患者さんはVUCAでも、元気な人は信じられないほど元気。そのように見てみると、我々の未来は違って見えるかもしれない。

社会的には避けられない、厳しい現実が待っているが、逃げ出したい未来を実現したい未来に変えていくこと。見方を変えると、普段何気なくやっていることが、実は未来にとって重要だったり、周りの人にとって大事なつながりになっていたり。

自分がやっていること、やりたいと思っていたことをいろんな角度から見てみて、伸びしろがどこにあるのか、自分が気づいていなかった可能性がどこにあるのか、ゼロベースでいったん考えてみてはどうだろうか。」

佐々木先生からの提言で会は締めくくられました。

佐々木先生、ご多忙のなか、貴重なお時間をありがとうございました。


今後も「新型コロナ・ショックに備えて最強のチームを作ろう」シリーズは、毎月第3火曜日、オンラインにて開催して参ります。

次回1月19日も、テーマについて短く学んだあと、小グループでの対話を予定しています。ご一緒に学びたいみなさまのご参加をお待ちしております。

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●今後の研修・イベント開催予定
○新型コロナ・ショックに備えて最強のチームを作ろう
2021年1月19日(火)18:30~20:30
https://4cteams-10.peatix.com/

○折れない心を育てる いのちの授業
Vol.4 声に出して読みたい いのちの授業
2020年12月19(日)14:00~16:00
https://peatix.com/event/1707156/

Vol.5 だろうじゃなくて、かもしれない
~新型コロナウイルスのお話~(タイトル仮)
2021年1月11(日)10:00~12:00
https://okproject5.peatix.com/

○エンドオブライフ・ケアを通して折れない心を学ぶ学生の集い#3
1月13日(月)19:00~20:00
https://elcgauksei3.peatix.com/

○エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座
※初回受講の方は、事前にeラーニングの受講が必要となります。
1)休日昼2回コース(講師:小澤 竹俊)
2021年1月16日(土)17日(日)13:00-17:30
https://endoflifecare.or.jp/programs/show/8829

2)平日夜4回コース(講師:久保田 千代美)
2021年1月20・27・2月3日・10日
https://endoflifecare.or.jp/programs/show/8836

○地域学習会
(認定ファシリテーターによる各地域での学習会)
https://endoflifecare.or.jp/study-groups/


○その他オンラインでの学習機会
https://endoflifecare.or.jp/posts/show/8832
 

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