2021年3月14日(日)、以下のイベントを開催いたしました。
〇折れない心を育てる いのちの授業~オンライン~
Vol.7 暮らしの保健室から見える風景
今回は、協会理事であり、奈良県で「くらしの保健室なら」を運営する、久保田千代美さんと、通学サポートをする小4の宮崎響さんに進行いただき、約80名の方にご参加いただきました。
以下は久保田さんからの報告です。
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日々の暮らしの中には、小さな困りごとから大きな苦しみがあります。看護の手当や社会資源に繋げて解決できます。しかし、すべての苦しみが解決できるとは、限りません。解決できない苦しみを聴いてくれる人が暮らしの保健室にはいます。学校の中に保健室があるように地域のなかで誰もが利用できる保健室です。「暮らしの保健室なら」のモットーは、苦しむ人と出会ったら、その場が暮らしの保健室になります。目の前のその人の幸せのために一緒に考えたいと思います。
一年前、「医療的ケアの必要な児童」の通学中のサポートをしてくれる看護師を探しているという相談があったことがきっかけで、響ちゃんの通学をサポートすることになりました。響ちゃんは、本が好きな小学4年生の女の子です。特徴といえば、気管切開をしていて、持続的に酸素吸入をしています。時々、痰の吸引が必要です。自分で身体を動かすことはできませんが、言葉で自分の希望を伝え、あらゆることを自分の意志で決めて、学校生活を楽しんでいます。「学校が大好き」と朗らかで、頑張り屋さんの響ちゃんにも苦しみがあります。苦しくても頑張れるのは支えがあるからです。響ちゃんの支えとなる関係、選ぶことができる自由、将来の夢を聴いてゆきました。そして、幼い響ちゃんが、一人でICUに入院してさみしくて毎日、泣いていたとき、支えになったものは、「パパとママの面会時間と手紙」と話してくれました。人は苦しくても支えがあると頑張れる。「あの時はまだ、幼かったから」と過去を振り返って今があることを語る響ちゃんから、困難を乗り越えた強さを感じました。
反復の練習では、恥ずかしがらずにとても感情をこめて、ロールプレイをしてくれました。響ちゃんはゲスト出演が決まってから、毎日、楽しみにしてくれました。ZOOMでミーティングを3回しました。友だちや学校の先生、病院の医師、訪問リハビリのセラピストさん、親戚の人が参加してくださっていました。みなさま、響ちゃんの支えです。そして、参加者のみなさまが、あたたかく見守ってくださって、コメントもたくさんいただき、有意義な時間になりました。ありがとうございました。
苦しくても穏やかでいられるのは支えがあるから
苦しんでいる人は自分の苦しみをわかってくれる人がいるとうれしい
このことを響ちゃんとかかわって実感しています。参加してくださった方々にも伝わっていたら幸いです。
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久保田さん、響さん、当日に向けたご準備を含めて、温かな授業をありがとうございました。参加者のみなさまも、小グループでの対話に積極的にご参加くださいましたこと、御礼申し上げます。
折れない心を育てるいのちの授業 オンラインでのイベントシリーズは、次回4月の開催が決まりましたら改めてご案内いたします。
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●今後の研修・イベント開催予定
○新型コロナ・ショックに備えて最強のチームを作ろう
~Vol.12 連続企画 ディグニティセラピーと現場の私たち(その1)
ディグニティセラピーとディグニティ・モデル
2021年3月16日(火)19:00~21:00
https://4cteams-12.peatix.com/
○エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座
※初回受講の方は、事前にeラーニングの受講が必要となります。
1)平日夜4回コース(講師:久保田 千代美)
2021年3月18・25・4月1・8日
https://endoflifecare.or.jp/programs/show/8840
https://youtu.be/luhc7FUN2_U (講師からのご案内)
2)休日昼2回コース(講師:小澤 竹俊)
2020年3月20日(土)21日(日)13:00-17:30
https://endoflifecare.or.jp/programs/show/8833
○地域学習会
(認定ファシリテーターによる各地域での学習会)
https://endoflifecare.or.jp/study-groups/
○その他オンラインでの学習機会
https://endoflifecare.or.jp/posts/show/8832
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