愛媛対象「エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座」(2022年3月26-27日)

  • 開催レポート

 2022年3月26日(土)27日(日)の2日間、愛媛県の方を対象にオンラインでエンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座を開催いたしました。

ことのはじまり

 7年前のことでした。愛媛県から、一人の医師が、名古屋市で開催された2日間の研修に参加してくださいました。愛媛県松山市で現在ELC愛媛を立ち上げて活動されている、認定ELCファシリテーターの宇田真記さんです。2日間の研修に参加した宇田さんは、この学びが地元愛媛でも必要だ、ぜひ伝えていきたい、そう思ったのだそうです。

 しかし、自分一人で一体どうすればよいのか・・・。周囲を見渡し、まずはこの志に賛同してくれそうな、信頼できる仲間の医師たちに声をかけていきました。その一人が奥村淳子さんです。

 奥村さんも研修を受講し、その後二人は、地元の公民館や施設、ときに学童保育など地元の様々な伝手をまわり、デモンストレーションも交えながら、地域のみんなでこのホスピスマインドを学んでいきたいのだと、一つひとつ働きかけていきました。

 満を持して開催した第1回ELC愛媛学習会では、協会理事の久保田千代美が講師として現地に伺い、参加者は150名に達したそうです。

 地元のみなさまに求められていた学びであると確信した二人は、いつか、2日間の援助者養成基礎講座を愛媛で開催したい、それを夢見るようになりました。3年前のことです。

 そこに訪れたコロナ。オンラインでELC愛媛としての学習会は継続しながらも、紆余曲折を経て、ついにこの日がやって来ました。

研修の概要

 今回、もともとは「エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座」を集合研修として開催検討していましたが、昨今の状況に鑑みて、2日間を通してオンラインでの開催となりました。参加者は、患者・利用者の療養の場を問わず、看護師、歯科医師、薬剤師、社会福祉士、ケアマネジャー、行政書士など、37名の方がご参加くださいました。グループワークや1対1でのロールプレイなど、演習のサポートとして、全国の認定ELCファシリテーターが18名参加してくださいました。

こぼれ話

 1日目終了後の懇親会では、本記事冒頭でご紹介しましたELC愛媛のなりたちや、バーチャル背景として当日使用した見事な枝垂桜「相野の花」についてのエピソードを、宇田さんや奥村さんに教えて頂きました。

 「相野の花」は、愛媛県内子町にある樹齢60年超のシダレザクラです。桜守の勇さんが成人した頃、自宅の庭に植樹し、ご夫妻で大切に育ててきた、まさしく「愛の花」です。勇さんに桜の開花時期を訊ねると、「桜のことは桜に聞いてやってくれ!」と桜を主語に話されるのが印象的でした。夜のライトアップも、亡くなる年の春まで、80代の勇さんが主にされていました。
 今は、息子さんや地域の方々が桜を大切に守っています。毎年、見事な姿をみせてくれるこの桜が、地域の方々や私達の大きな支えになっています。
 一人では何もできない、支えや仲間がいると頑張れる、想いは時を超えて、亡くなった後も伝わると、「相野の花」が教えてくれているようです。

参加者の声

 2日間を終えて、ご参加のみなさまにお声を伺いました。

・がん相談員で事例そのままのようなこと毎日のようにあるので、いつも気持ちが重かったことが、今回の学びで、前向きに患者さんの対応できそうです。

・学びがとても多くありました。実践できるものもたくさんあり、仕事だけでなく私生活でいかせるものがたくさんあり、とても有意義でした。

・沈黙は苦手で沈黙は「悪」ぐらいに思っていたが、沈黙はいいことなのだと学びました。

・家族しか支えられないわけではなく、援助者がわかってくれる存在になることで、患者さんの支えになれる人はどんどん増え、援助にも色々な幅がでるのではないかと感じれたことが学びになった。

・今回の研修は、患者さんだけでなく、普段のコミュニケーションにも応用できると思った。来月からは新しい部署で、管理者になる予定なのでチーム力向上のために使いたいと思う。

・支えてもらいたかったと自分が思っていることに気づかされ、支えてもらってるところがたくさんあることにも感謝することができ、勇気づけられました。

 

 参加者のみなさま、おつかれさまでした。

●1日目集合写真

●2日目集合写真

今後のフォローアップ

 早速、4月はじめに、ELC愛媛学習会が予定されているとのこと。今回受講されたみなさまも、まだこれからのみなさまも、愛媛でご一緒に学んでいきませんか。

 

 

お知らせ一覧へ戻る

TOP