【イベント】認知症当事者の声から 私たちは何を学ぶのか?(丹野智文さん):第193回ユニバーサル・ホスピスマインド(2023年9月19日)

  • 開催レポート

  

 2023年9月19日(火)、毎月第三火曜日開催のオンラインイベント「ユニバーサル・ホスピスマインドをもとに最強のチームを作ろう」を開催しました。

 

 「認知症当事者の声から 私たちは何を学ぶのか?」と題して、前半は認知症当事者の丹野智文さんとの対談映像をもとに、小グループに分かれて対話しました。

 

 後半は丹野さんご本人にライブ出演いただき、認知症になってからの生き方・想いを伺いながら、認知症になってもその人らしく生きるために周囲ができることは何かを考えました。

 終了後にいただきましたお声です。

 

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・以前認知症の研修で講師の先生から認知症のケアは本人3割家族7割と教えられました。私はずっと違和感ばかり。それをおかしいと思う人もまわりにはおらず、今まで?でした。今日の話を伺い、自分の違和感は間違ってなかったと感じることができました。

・本人のできることを奪わないでほしい。家族や支援者の思いで、できることも諦めさせているのではないかと気付かされました。諦めの中の喜びにしているかもしれないとの気づきがありました。

・当事者の方の思いに気づかされた。知らないうちに、自分たちが垣根を作っていたことに気が付いた。

 (小グループでは)お一人お一人、置かれた環境の中で見出した問題を真剣に見つめ、新たに解決法を探ったり目標を見つけていらした。とても素晴らしいと思った。。ほんの少しお話できただけでも仲間になった思いがして、とても心強く嬉しく感じた。

・診断後にすぐに介護保険ではなく今までの生活がどうすれば続けられるのか誰も教えてくれなかった。この言葉に衝撃を受けました。

・「認知症」に関して私は本当に何もわかっていなかった・・ということを、改めて感じました。そして、レッテルを貼って先回りの支援し、そのことが本人のあきらめ、ひいては依存を作り出すということ、本人にまず困りごとをきちんと聞くということ、何もかもが耳が痛くて反省しきりでした。改めて、「認知症」に限らず どんな相手でもどんな状況でも、「決めつけない」「わかっているふりをしない」ということを大切にしようと痛感しました。わかっていたつもりでしたが、全然わかっていない自分に気づきました。

・認知症と病名がつくと、良かれと思って先回りして、本人を依存という病気にしてしまう。印象に残ったことがいくつかあります。本人が選ぶものがあったときは本人が決めた方が忘れない。良かれと思って本人の事を思ってこれが好きだろうと勝手に買ってきてはいけないという事を知りました。目の前の不安を持っている人が笑顔になるように話を当事者の方が聴く。ピアサポートはまず、自分の自己開示をしてから相手の話を聴く。(自分の経験を話をしてから・・・)できなくなったらどうしたらうまくいくか?みんなで考える。代わりに周りの人が動くのではなく、本人が一人でやるにはどうしたらできるか考えるという事も「そうだ」と思いました。

・伝えたいこと一つ一つをはっきり伝えてくださり、とてもわかり易かった。若年性認知症の御本人の発信が、書面ではわからないような些細な部分まで及んでいて、色々なことに気づけた。認知症の方に声をかける時、良かれと思っていっていたことがそうでなかったり、ほんの一言加えるだけでまるで違う反応を引き出すことができることに気づけた。

・「診断後のサポート」を病院内で作っている仕組みのこと、「明るい当事者が居て、自分のことを先に話すことで、診断された後の不安な表情の人が笑顔になり沢山話してくれる」「家族の関係性が崩れてしまうことが問題」という部分が心に残りました。どの言葉も心に刺さりました。相手に限りない関心を寄せ、対話を通して相手の世界観を聴かせていただくこと、本当に自分はできていたのかな、と、もう一度振り返りました。今まで十分ではなかったと思うので、明日から心して過ごしたいと思いました。そして、そのことに気づかせてくれた丹野さんに感謝です。

・自分が笑顔になる為ではなく、目の前の不安を持っている人が笑顔になる為にどうしたらいいか?話をしっかりと聴くこれが大事。そうすると笑顔がこちらにも届く。元気が出てくる。こちらが元気になる為に話を聴くのとは違うという言葉の違いに「ハッ」としました。

 

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 丹野智文さんとの対談映像はこちらからご視聴ください。

◆丹野 智文(たんの ともふみ)

1974年宮城県生まれ。東北学院大学を卒業後、県内のトヨタ系列の自動車販売会社に就職。トップセールスマンとして活動していた2013年、30歳で若年性アルツハイマー型認知症と診断を受ける。2014年には、全国の認知症の仲間とともに、国内初の当事者団体「日本ワーキンググループ」(現・一般社団法人「日本認知症本人ワーキンググループ」を設立した。15年前から、認知症の人が、不安を持つ当事者の相談を受ける「おれんじドア」を仙台市内で毎月開いている。2023年6月30日より、自身をモデルにした映画「オレンジランプ」が全国ロードショーで公開されている。


毎月第3火曜日のイベント、次回は以下となります。
初めての方も、ご参加をお待ちしております。

●ユニバーサル・ホスピスマインドをもとに最強のチームを作ろう:第194回
・日時:2023年10月17日(火)19:00-21:00
・申込: https://endoflifecare.or.jp/programs/show/8969

●ユニバーサル・ホスピスマインド チャンネル
 https://www.youtube.com/channel/UC8e0kFAcTwqnyxOr-oB_N1A

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#エンドオブライフ・ケア
#ユニバーサルホスピスマインド

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