
2025年10月21日(火)、毎月恒例のオンラインイベント
「ユニバーサル・ホスピスマインドをもとに最強のチームを作ろう」を開催しました。
今回のテーマは、「支え合いの先にある、当たり前のよろこび」
~ふたごじてんしゃと「つなげる」がひらく未来~。
ゲストは、NPO法人つなげる代表で「ふたごじてんしゃ」開発者の中原美智子さんです。
🚲 ふたごじてんしゃ誕生の背景
2010年に双子を出産した中原さんは、長いあいだ外出もままならず、
「30キロを超える双子ベビーカーを押して街をさまよう毎日だった」と語ります。
スーパーにも入りづらく、ただ外気に当てるために歩くしかない日々。
「誰にも気づいてもらえない」「申し訳ない」と感じながら、
孤立のなかで子育てを続けていました。
転機となったのは、双子が1歳半の頃。
長男のときに使っていた自転車で、双子を乗せて1キロ先の花屋へ出かけた帰り道に転倒。
幸い大きな怪我はなかったものの、「もし車が通っていたら…」という恐怖から、
自転車という移動手段を諦めざるを得ませんでした。
しかし、
「もうこんな生活は終わりにしたい。二度と転ばない自転車に乗るんだ」
と思い立ち、“ふたごじてんしゃ”を自ら作る決意を固めたといいます。
当時、日本には双子専用の自転車が存在せず、問い合わせをしても
「道路交通法をわかっていない」「必要とされていないから作られていない」
と冷たく言われたそうです。
それでも、
「おかしい。私はこんなに必要としているのに」
と感じた中原さんは、同じように困っている親の姿を街で観察し、
「みんな顔が険しい。みんな困ってる」と確信。
自ら試作機を作り各地でイベントを開催するように。
「これがあれば保育園を選べた」「病院に連れて行ける」といった声が次々と届き、
「この現実を知っている私が、みんなが乗れるようにするのが務めじゃないか」
2014年にはメーカーとの協働により量産化の道を作り、
中原さんご自身はユーザーのフォローを行うようになったのだそうです。

🌱「助けて」と言えない現実のなかで
中原さんは、双子育児の孤立や「助けて」と言いづらい現実に向き合いながら、
苦しみを抱える親たちが安心してつながれる場づくりに取り組まれています。
「私は“向こう岸”に行ってもおかしくなかった。
でも、『ああいう大人にはならない』と決めた自分を信じたかった。」
その思いが、孤立のなかで踏みとどまる力になったそうです。

💬 対話の時間
お話のあとは、参加者が2つの問いをもとに小グループに分かれて対話を行いました。
問い①:
中原さんの話を聴いてどんなことを感じましたか?
今まで苦しさのあまり誰かに優しくなれなかったり、
つらくあたってしまったこと、そうなりそうだったことはありますか?
問い②:
自分が苦しいにもかかわらず、
誰かにやさしくなれる理由はどこから来るのでしょう?
参加者の声
• 苦しみがありながらも、同じ苦しみを抱えた人のために活動されている姿に心を打たれました。
• それぞれの人生にある苦しみを語り合いながら、優しさの循環を感じる時間でした。
• 母親として、支える立場として、自分の中の“よろこび”を再確認できました。
• オンラインでここまで温かく、安心して話せる場は本当に貴重です。
• 中原さんの言葉を通して、自分が過去に感じた孤独や葛藤にも光が当たるようでした。
多様な立場の方が集い、「苦しみを抱えながらも誰かを思う力」や「支え合いの先にある喜び」を共有した対話の時間となりました。
ご参加くださった皆さま、そして温かく場を支えてくださったファシリテーターの皆さま、ありがとうございました。
🌿 次回開催
第219回 ユニバーサル・ホスピスマインドをもとに最強のチームをつくろう
📅 2025年11月18日(火)19:00〜21:00(オンライン)
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