2026年1月25日(日)、福岡にて
「ともに認知症と生きる力を育てる 〜ともにん〜」
ファシリテーター養成講座の第1回を開催いたしました。
この半年間、
地域限定でトライアルを重ねてきた「ともにん」ですが、
いよいよ担い手を広げていく段階へと進み、
今回はその第一歩として、
認定ELCファシリテーターや
「折れない心を育てる いのちの授業」認定講師
の資格を持つ方を対象に、
初めてのファシリテーター養成講座を開催しました。
全国から計38名の皆さまがご参加くださり、
沖縄や金沢など遠方からの参加も多く、
久しぶりの再会に笑顔を交わす姿も見られ、
まるで同窓会のような温かさに包まれた会場となりました。
同時に、それぞれが自分ごととして真剣に向き合う
熱のこもった対話の時間でもありました。
認知症とともに生きるご本人やご家族が抱える
「なんで自分がこうなったのだろう」
「これからどうしたらよいのか」
「誰にもわかってもらえない」
といった、解決が難しい苦しみ。
一方で支援にあたる方も、
どう関わったらよいかわからず距離を置いてしまったり、
よかれと思って手を差し伸べても相手の表情が晴れず、
無力感を抱くことがあるかもしれません。
こうした解決が難しい苦しみを抱えている
それぞれの語りに耳を傾け、
対話を通して、
自分にとって大切な支えに気づくこと。
立場を超えて、それぞれの幸せを願い、
自分のありかたを見つめ、言葉にしてみること。
ホスピスの現場で育まれた
ユニバーサル・ホスピスマインドを基盤に、
当事者・家族・専門職・地域住民が「ともに」学ぶ
新たなプログラムとして「ともにん」が誕生しました。
ファシリテーター養成講座当日は、まず参加者自身が
「ともにん」ワークショップを体験者として受講し、
その後、高知県立大学 教授・矢吹知之先生から
特別講義をいただきました。
認知症施策の歴史的な背景から昨今の動きまで、
また、ご自身の豊富なご経験をもとに、
研究、教育、場づくりの実践に至るまで、
幅広く私たちの視野を広げてくださいました。
特に、2023年に成立した認知症基本法の理念
として掲げられる「共生社会の実現」や、
人権を基盤とした社会づくりの必要性について。
また、支援や教育における姿勢として
「教え方上手ではなく、気づかせ方上手を目指す」こと、
「無知の姿勢」で相手の主観的な真実に
耳を傾けることの重要性を折に触れてお話くださいました。
さらに、「曖昧な喪失」や本人と家族のあいだの
認識のギャップといった
実践現場で向き合う複雑な感情にも触れ、
“安心して話せる・聴いてもらえる場づくり”の意義、
「心理的安全性」の重要性が
改めて共有される時間となりました。
このプログラムでは、講義だけでなく、
物語やグループ対話を通して参加者自身が体験を言語化し、
立場を超えて
「人は誰もが苦しみを抱えながらも、
支えとともに幸せに生きることができる」
という普遍的な前提を共有しています。
今回の講座でも、まさにその理念が体現されるような、
立場を越えた対話と気づきが生まれました。
「ともにん」のプログラムは、これで完成ではありません。
今回ご参加いただいた皆さまからの声をもとに、
現場の実情に合わせて常に進化させていきます。
皆さまと「ともに」創っていく、「ともにん」。
ご本人も、ご家族も、専門職も、地域の人も。
関わるすべての人と一緒に、笑顔あふれる未来を目指して。
今後も「ともにん」の歩みを、
どうぞ温かく見守っていただければ幸いです。

© End-of-Life Care Association of Japan