令和3年度実施:大阪市内小中学校への「折れない心を育てる いのちの授業」出前授業

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2022.05.15

 令和2年度に続いて令和3年度も大阪市教育委員会と連携させていただき、 大阪市内小中学校各校へ「折れない心を育てる いのちの授業」出前授業をお届けいたしました。令和3年度は合計16校からお問い合わせをいただき、1‐3月だけでも9校26クラスへお届けさせていただきました。令和3年度実施に至らなかった依頼は、令和4年度実施予定としております。

 また、令和3年8-9月には、大阪市内の幼稚園から高校までの養護教諭を対象とした研修を担当させていただき、200名がご参加、その参加者からのご依頼もいただきました。

 長期化するコロナ禍で、苦しみを抱え自他を傷つける児童・生徒の存在や、真摯に対応する先生方のご尽力についても、限られた時間のなかで伺う機会となりました。この先もしばらく続くと予想される、様々な行動の制約、子どもたちの心身への影響、先生方へのご負担等、少しでも緩和され、これからの活動のヒントとなればと願い、令和4年度も依頼に基づき授業に伺いたく考えております。


1. 対象校

 令和3年度に出前授業のご依頼をいただいたのは、大阪市内小学校11校33クラス、中学校1校3クラス、大阪市教育センター主催養護教諭研修3クラスでした(令和2年度実施校からの紹介などを含む)。緊急事態宣言のなか、特に2-3月は対面を避けてオンラインでの授業実施が多くなり、クラス数は対面とほぼ同数となりました。

2. 小学生向け授業の概要

●担当講師:「折れない心を育てる いのちの授業」認定講師145名のうち、対面授業は主に近畿在住の講師、オンライン授業は全国の講師

  • ●時間:45分×2時間
  • ●形式:クラスごとに講師がPPTスライドと映像をもとに進行、児童は手元のワークシートに記入
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3. 小学生の感想

 「折れない心を育てる いのちの授業」実施後、クラスごとに時間を設けていただき、授業を通して気づいたことや学んだことを、感想文として記述していただきました。特徴として、ただ頭で理解したり心で感じたりするだけではなく、自分や相手に対する次の行動を示唆する感想記述が多く見られます。知識レベルの記載(~と知った、~とわかった)もありますが、一歩踏み込んで、自身の現在または過去の悩みや、そこから気づいた自分にとって大切な支え、今後やってみたいこと、などに触れているものなどを中心に、個人情報に配慮した上で抜粋してご紹介いたします。

1. 授業を通して気づいたことや学んだこと

①自身の生死について考えた

・私は、今まで、私なんて、この世にいなければいいんだ、はやく死んだほうがいいんじゃないかとずっと思っていました。でも、命の授業をして、私は生きていていいんだ、生きなきゃいけないんだと思いました。これからは、自分は生きるという言葉を自分の支えとしてこれからの人生をたのしくすごします

・私も同じでした。私なんかいなくてもいいんだと思っていました。私なんか必要じゃなくていいんだと思っていました。でも、わたしにはささえてくれる人がいるんだとおもいました。この授業で新しいとびらが開きました。

・なかなか自分に自信がつかないし、死にたいと思ったことも何回もあったけれど、友達がいてくれたおかげで立ち直ることができたんだなと今回のいのちの授業で思いました。

②苦しかった経験から支えに気づいた    

・休校時、本当に心が折れて、何もかもいやになって毎日のように泣いて、親に何回も何回も話を聴いてもらって、でもしつこいって思ったのか受け流されるようになって、むしろ分かろうともしなくなってきて、本当に苦しかったけど、学校に行けるようになって、クラスが明るくて、暗いニュースばかりだったけど、今まで不安だったり苦しかった事が、教室にいるだけで、気持ちが晴れて、立ち直れた事を思いだし、支えてくれる物があったんだなと思いました。

・ぼくは、「なぜ・・・」「どうして・・・」と思うことが多いです。けどぼくにはたくさんの支えがあります。その支えがなくなったら、ぼくはNanaさんのように、生きたくない、と思ってしまうかもしれません。けどこの授業を受けて、改めて、命って一つしかない大切なものなんだなーと思いました。

・私は今年、中学受験をしました。受験勉強はとてもくるしくて泣きそうになりましたがあきらめないでやることができたのは、家族や塾の先生、友達が支えてくれたおかげなのかなと今回の授業を通して感じました。

③自分が苦しみ(希望と現実の開き)を抱えている(いた)ことに気づいた

・まわりには、元気で明るいと思われているのですが、ほんとうは、つらいんです。家ぞくがいないところでいつもないていました。

・自分は、苦しいことが少ないと思っていたけど、心の中では、苦しいことがいっぱいあるんだなと思いました。

・ぼくはいつも、弟とケンカしたとき、いつも悪く言って、いつも、弟の心をきずつけてしまい、自分が悪くなってしまいます。自分には、希望と現実があることがわかり、苦しみには、解決できる苦しみと解決できない苦しみがあることが分かりました。

④授業を聴いて安心した、心が穏やかになった    

・わたしは、新がたコロナウイルスがはやってから、すごくふあんなきもちになったり、くるしくてつらくて、心がくだけそうなくらいふあんとストレスにおしつぶされそうなんです。だから、こうやって活動をしている人がいるということがとてもうれしいです。

・悩みがどんどん膨らんでいくじきなのでこんな活動をしてくださってうれしいなと思いました。またお話したいです。

・私は授業が終わった後、さっきのもやもやが心の中が晴れるような気持になりました。私は今、書いている時も、心が晴れています。

・自分はあまり自信がなくていろいろなやんで、もうあきらめようとした時今日きてくれた先生がたに心を開かされて元気をとりもどせました。この授業がなかったら自分は、ずっとなやんだままでした。

⑤苦しみとの向き合い方がわかった    

・私は何かつらいことや悲しいことがあったときに、なかなかたちなおれないのですが、今回の授業で自分にも支えがあるんだなと思いました。私はこれからなにかつらいこと、悲しいことがあったときにこの授業のことをよく思いだして、のりこえていこうと思います。

・私は自分でも明るい方だと思うけど、うらでは落ち込んでいるときがあるので、その対応の仕方をさがしていたので、今回の授業で「支えがあればおだやかになれる」と聞いて、これから参考にしてみようと思いました。

・人は色々ななやみをもっていると思います。私もその一人です。人に中々言えないなやみをもっている人もいます。しっている人に話すのはむずかしいですが、初めて会う人、話す人にはさらっと話せることがあります。

  • ⑥こんな人にこの授業を聞いてほしい    

・このじゅぎょうをうけなかったら友達のよさに気づけなかったかもしれません。だからわたしと同じ思いをしている人に聞いてほしいです。

・私はそのような子をたすけたいと思っています。いじめはつらいし、自分をかくすことはしてほしくないです。・・・2年生のころの私に聞いてほしいです。

・僕は、今回の授業を、「今、苦しんでいる人」より、「今、だれかを苦しめている人」に聞いてほしいと思いました。なぜそう思ったかと言うと、今回の授業をしていて、「自分が苦しめている側だったらどう思うだろう」と考えたからです。

・また、私が5、6年生になった時にきてほしいです。それでまた、いのちの授業を教えてください。

  • 2. 自分と相手に向けた今後のアクション

    ①自分や支えを大切にしたい    

・自分は、お姉ちゃんとけんかをよくしてしまいます。自分がいなければお姉ちゃんはわたしとけんかすることもなく幸せに生きていけるのにとずっと思ってました。けど今日のじゅ業で自分を「だいじょうぶ」とみとめてくれる人がいることに気がついて、自分の命を大切にしようと思いました。

・私は自分が大きらいなので、これからは、自分を認められるくらい一生けん命努力して、いつか、自分のことを自分で認めたいです。

・私がこの学習で感じたことは、「苦しい時に支えになるものって意外と少ないんだな。」でした。私の支えになる人は、お母さんと友だち人、本でした。考えてみると意外に少なくて、少し不安になりました。だけど、これから増やす、ということも出来るので、少しずつ、増やしていこうと思いました。

・小学3年生の時自分の心に負けて、学校に行きたくない。といってうそをつきつづけていかなかった時がありました。そして、小学4年生になって1がっきは、そのまま、うそをつきつづけていました。そして、2がっきになると、心にうちかって学校に元気にいけるようになりました。もう、うそは、つかないと心でちかっています。

②助けを求めてよいかわからなかったが、これからは誰かに相談してみようかと思う

・これからは、解決できる苦しみは、自分で解決し、解決できない苦しみは家族や先生に相談することがこのじゅぎょうで分かりました。私も、早くこの世からいなくなりたいと思っていたけど、このじゅぎょうを受けて、もう少し生きようと思いました。様々なことを教えてもらったので、苦しいことがあればこのことをおもいだす。と思いました。

・私は、ちょっとしたことできれたり、すねたりをくりかえしていました。なぜなら、4年になってから友達関けいもくずれて、低学年に宿題や勉強じゃまされたりして、ストレスをかなりためていました。5年になって、ストレスはもう限界に近づいてました。なぜそのことをずっと母や父、先生にずっとだまっていたのか、それはこわいからです。「どうせ、自分のせい」と思っていたから、話せなかった。話をしてくれる先生もいたけど反復してないので話をするのがずっといやだった。けれどこんかいのこの話で気持ちがすこしかるくなりました。これからもなやみは、だれかに話そうと思います。

・私が誰かに悩みを相談したいと思っても、どんな人に相談したらいいのかもわかりませんでした。ですが、「聴いてくれる人」に言うといいのがわかりました。前までは、相手にこんなことを言っても困ってしまうだけだと思っていました。これから勇気を出して誰かに相談し、自分がおだやかでいられるようにしたいです。

・たまに、イヤな事があったら物にあたってしまうくせがあって、でもいやなことがあってもおだやかでいられることを知って、これからはイヤなことがあってもすぐものにあたらずにひとまず、おちついて、だれかにそうだんしようと思った。

・この授業を聞いて、自分はだれかに話を聞いてほしかったのかな?とか、自分のことを少しだけれど、分かるようになりました。だけど、考えてみて、やっぱり、相談したりすることで何か変わるのかなとか、思うけど、個人的にそれを否定されたらどうしよう・・・とか色々考えてしまったりするので、どうしようもないなぁ、と思いました。

③支えに気づいたから、今度は自分が支えになりたい    

・友だちや親、先生に話をしてもなにもかわりませんでした。でも一つだけ、少し楽にしてくれるものがありました。推しや友だちとの楽しいおしゃべりでした。ほんのささいな支えでも、とってもおだやかになれました。わたしも、こんなそんざいになれたらいいなと思いました。

幼ち園のころからの友達が●●に引っこしてしまうことを知って、30分~1時間ぐらい泣いていました。中学生になったら、同じ学校に通えることになっていたし、大好きな友達だったのでとても悲しかったです。でも、そのとき、かっているねこが近くまで来てくれました。何を言っているのかは分からないけれど、うれしかったし、心が温かくなりました。今回の「命の授業」で、私は支えの大切さを学びました。だから、今度はだれかの心の支えに私がなれるよう、がんばってみようと思います。

・ぼくは三年生のころ色んな人に支えられました。先生方に特に支えられました。ぼくがあばれている時●●が来てくれて「■■、話聞くから▲▲行こう」と言って▲▲の部屋に行って話を聞いてもらったらぼくはスカッとします。●●だけじゃなくほかの先生方もそうです。ぼくはその時本当に支えられていると思いました。支えられるとうれしいとわかりました。ぼくはじゅんや君の言っている事がわかりました。ぼくも支えられるだけじゃなくぼくもいろいろな人を支えたいです。

・この2時間のじゅ業を通して分かった事や心にひびいた事は、みんなにささえられて生きてるんだということです。ぼくはみんなの役にたてずきずつけてばっかりでした。今日のじゅ業であらためて思いました。なので、次からみんなの支えになっていけるような人間になっていきたいです。

・こまっている人がいたら反ぷくを使ってみます。でもできるだけこまっているひとがいない世界にしたいと思っています。ぼくはこまっているときは何回もあります。でもそのたびぼくを支えてくれる人があらわれます。そのことを思い出しながら今回の授業をきいていました。今までたすけてくれた人にかえしたいと思っています。

④誰かの支えになりたい、話を聴いてあげたい        

・とにかく、自分はいろいろな人のやくにたちたいのです。これからも、この授業を思い出して、がんばりたいとおもいます。

・苦しんでいる人はいまいるかもしれない。苦しみは、自分にしか見えない。人の苦しみは分からない。いま●ー●(このクラス)はほとんど全員いるけど、苦しみをかくしている子もいるから、そういう子は私も分かってあげたいと思います。

・1人の支えがあるだけでも、うれしい人はたくさんいるんだったら、100人1000人10000人の人たちが支えてくれたらもっともっとうれしいんだとよく分かりました。だれかに支えられたら、次はその子を支えたり、いろんな子を支えればいいんだと思いました。

・つらいことや、悲しいことがあったとき、だれかに相談できるのはあたりまえだと思っていたけど、そうではないことに気づきました。支えてくれている人がいて本当によかったです。もし支えてくれている人がいない人がこのクラスやともだちにいたら私が支えたい。

・今日の授業を聞いて、わたしだけときめつけたらダメなんだと思いました。なので、学校などで落ち込んでいる人がいたら、相手の気持ちを考えていきたいです。

  • ⑤学んだことを誰かに伝えたい    

・私も、苦しんだこと、何度もあります。でも、そういう時、何度も支えられています。このじゅ業で、またその時のことをふり返りました。動画を見て、ほかにもまたちがう苦しみをかかえている人がいることが分かりました。私も、そういう方の支えとなりたいと思いました。また、苦しんでいる方にこのじゅ業で学んだことを伝えたいと思いました。このくり返しで、苦しんでいる方に、心の支えとなるものを、見つけてもらいたいと思いました。

・私は母親にも自分の気持ちをわかってほしいので、ぜったい母に伝えます!

・今日は、すごく勉強になりました。すごくたのしかったし次もしけんやいろいろなった時は、今日ならったことをみんなにいいます。あと今日のことをお母さんにいいます。

・母や父にも「ぼくの反こう期がきたらこんなふうに対しょして」と伝えようと思いました。

  • ⑥私にできることがある

・授業の夜、反復を母に使ってみました。その後に事じょうを説明すると一生使うでと言われました。これから苦しみをもった人とはいっぱいあっていくと思うので反復を使って相手にわかってくれているんだというような気持ちにさせてあげたいです。

・わたしは、できないことがたくさんあります。でも、●●さんはできないことがあってもできることをやればいいとおしえてもらいました。だから、わたしは、できないことがいっぱいあっても自分のできることをやろうと思いました。そして、●●さんは人の気持ちはだれにもわからないから、自分は、相手の気持ちをきいてあげるのが大切とゆっていました。だから、わたしは、相手が苦しそうだったら、相手の気持ちを考えたり、たすけてあげたいなと思いました。

・「人をいじめずみんな仲良くして、人をきずつけずにする」といったことが最近ずっとあたまのどこかでおもっているんです。たぶんいのちの授業からだと思います。

・わたしは、友だちとたまにけんかをしてしまうことがあるけれどどうしてもなかなかなかなおりできないときもあるけれど、おたがいの気持ちを言ったらなかなおりできました。この学習では、1人でかかえこまないで、おたがいの気持ちをすなおにつたえたりしてまたけんかになったらなにが原因かを反復をしてちゃんと聴いてはなしあいたいと思いました。

4.教職員の感想

  • ・自身の生死について悩んだ生徒が、この授業をきっかけに生きることの意味を真剣に模索し始め、色んな人の話を聞いて考えを深めたり自分自身と向き合うようになりました。また、進路についても悩みながらも色々と模索し少しずつ前に進めるようになりました。生徒自身、授業の内容が心に染み入り、この出会いにとても感謝しています。

・自分自身の生き方、児童らとの関わり方を見直す授業となりました。児童らがつらい時、ふとした時に思い出してくれる支えになってくれるだろうと考えます。継続的に実施するのと、実施しないのとでは大きな差が出ると考えます。

・子どもたちが、これから人生を歩んでいく上でとても大切な考え方を学ばせていただいたと思います。

・いきなり「あなたはきまりを守っていないからダメ」というように厳しく上から目線で指導をせずその子がどんな気持ちでそんな失敗や間違いをしてしまったのか、しっかり考え、寄りそうことのできる教師を目指したいと思います。家族とのケンカでもなぜつらいのか、ゆっくり耳をかたむけられる人間になりたいです。そして、この先、一人一人の子どもたちが、相手の気持ちを考えつつも自分らしく生活していけるよう全力でサポートしていきたいと思います。

5. まとめ

 コロナ禍で学習時間や活動に様々な制限があるなか、このようなときだからこそと、速やかにご依頼と調整をくださった各校の担当教職員のみなさまに、心より御礼申し上げます。

 日ごろ先生方から直接伝えにくい、あるいは聴きにくいと予想される、児童の心の内面に触れる機会として今後もお役に立てれば幸いです。特に、授業後、自分の苦しみに気づいた後、その苦しみと対話し続けることは、この先もまだ続くと予想されるコロナ禍で答えのないなか、自分という存在を見つめる大事な機会となるのではないかと拝察いたしております。

 令和4年度も授業実施、並びにその後のフォローアップとして、ぜひご活用ください。

6. 「折れない心を育てるいのちの授業」講師トレーニングのご案内

 2019年度から、全国的に講師育成を開始し、現在までに145名の認定講師が誕生しています。2022年度は年4回の講師トレーニングを予定しております。

 講師トレーニング受講後は、コーディネーターとして学びの場を作っていただいたり、認定を受けて講師として、学校に限らず、また、対象年齢を問わず、授業を実施いただいたりすることができます。

 ご関心のある方は、こちらをご参照ください。

折れない心を育てるいのちの授業プロジェクト
講師トレーニング開催日程

参考情報

大阪市教育委員会 教育長からのメッセージ
ユニバーサル・ホスピスマインド・みんなのスピーチ 0100 VOICES
令和2年度大阪市10校での授業実施報告

 

Theory of Change

セオリー・オブ・チェンジ