コラム12:エンドオブライフ・ケアの学びを活かした私の役割

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2016.04.26

コラム12: エンドオブライフ・ケアの学びを活かした私の役割

総合メディカルグループ 株式会社タイコー堂薬局本店 専務取締役
井上 龍介さま(ELC3回生、認定エンドオブライフ・ケア援助士、認定ELCファシリテーター

 私は大手調剤薬局チェーンのグループ会社で薬局運営に携わっています。また、地域ケアの充実や地域活性化のために、薬局や薬剤師がより活躍できるように多職種や行政、地域住民との関係づくりやコミュニティの創造に努めています。

 日々薬局運営や、コミュニティでの活動をするにあたり、特に心がけていることがあります。それは、「専門職業人として、患者さんの意識のズレに気づかず、一方的なサービスになっていないだろうか。」 あるいは、「自分の知っている範囲内で納めようと、ついつい誘導しがちになっていないだろうか」。こういったことを、時折自分に問いかけるということです。時には、『気づかぬうちにそれを強制しているのではないか』、『これでいいのだろうか』と、振り返り悩むことも必要です。

 そこで私は「3つの知る」を大切にしています。1つ目の「知る」は自分を知ること。どうにもならない問題に直面したとき、「できない自分」を受け入れられたらどうでしょうか。視点が変わると、「できない自分」から様々な可能性が広がります。幅広い知識が、多職種との共通言語になり、スムーズな連携につながります。さらに一歩、前へ進むことができるのです。2つ目の「知る」は相手を知ること。サービスを提供する側の視点のみでは、相手に不快な思いをさせているかもしれません。サービスを受ける側の視点でも考慮し、『相手のニーズに合っているのか』、『相手の思いは真実か』、『こちらの都合で決めていないか』を確認することは決して忘れてはいけません。3つ目の「知る」は地域を知ること。地域特性・資源を生かし、どの様に利用するのか。地域特性・資源を有効活用することは地域活性化と同時に患者さんのニーズにあった生活スタイルや人生をサポートする上で必須条件となります。

 

 私は外部勉強会や講習会に参加し、地域で活躍する多職種や異業種の方々と出会う機会を求めました。そして、多くの新たな知識を得ることができ、自分の仕事にも多職種の方々の関わりが多くなりました。さらに、アセスメントの権限移譲を互いに認め合うことができ、互助の精神を学びました。その結果、サービスの質的向上、さらに患者さんのQOLの向上に繋がったのです。

 また、このような学びをより多くの人と共有するために、カフェ方式の多職種連携研修会や交流会を有志と共に開催しています。これらのコミュニティは、その地域で出会った人たちとの交流を深めていく中で、大事にしているものや未来に描くビジョンが共通する仲間同士で立ち上げ、定期的に運営しています。どの様な状況でも、主体性を持ち取り組むことが大事だと感じています。

 さらに、エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座の学びを一層深化させる場として、大阪でご活躍されている白山宏人先生と久保田千代美先生を中心に受講者のフォローアップを目的とした交流会や勉強会に協力させていただいています。昨年10月に受講後、12月に懇親会、3月には勉強会を行いました。内容は、講座の振り返りと事例検討、近況報告です。特に事例検討では、職種ごとにグループを組み、エンドオブライフ・ケアの職種ごとの考え方やアプローチの違いを学びました。今後も、受講者の進化と深化を目的に、年に数回の定期開催を企画しています。

  エンドオブライフ・ケア援助者養成講座は、相手の「支え」や「苦しみ」に気づき、共に味わう手段を身につける素晴らしい学びだと思います。人生のどのような場面であっても活用することができ、その関係性を確かなものにすることができる可能性があります。その学びを、ぜひ現場で実践してください。自分だけの考えや行動ではなく、関わる人たちみんなで対策を考え行動し、共有してください。自分とは違う感じ方、受け取り方、対応の仕方を学び得ることで、さらに一歩前へ進むことができます。それは必ず、我々の業務、サービスの質、地域の関係性の向上に繋がります。すべての人と人とのつながりこそが、私の感じるエンドオブライフ・ケアの学びでもあります。

エンドオブライフ・ケア協会では、このような学び・気づきの機会となる研修やイベントを開催しております。活動を応援してくださる方は、よろしければこちらから会員登録をお願いいたします。

Theory of Change

セオリー・オブ・チェンジ