コラム108:はじめての「いのちの授業」
2023年8月27日、富士市の男女共同参画事業の一環で、「折れない心を育てるいのちの授業」認定講師の関口圭子さんが、子育て中の保護者、地域の子育て応援者、興味のある方などを対象にお話をされました。その際、娘の関口眞央さん(小学校5年生)が、講師認定後、はじめて講演をサポートされました。当日をふりか…
コラム107:いのちの授業の温かさ 苦しむことは無駄なのか
ELC、いのちの授業との遭遇 大学1年の5月、サークルのイベントの一環で『折れない心を育てる いのちの授業』と出会いました。そして、長野宏昭先生との出会いもこのときでした。いのちの授業では、3つのレッスン「苦しみから支えに気づく」「苦しむ人を前にしてわたしにできること」「自分を認め大…
コラム104:苦しくて悲しい。けれど、その向こうに明るい静けさを見ていたい。いつも一緒に。
去年、山口県にあるサービス付き高齢者向け住宅「おげんきハグニティ」内の父の部屋に泊まって、看取りをしました。親子だからこそ理解し合うことの難しさもあり、看取りも簡単なことではありませんでした。 私の気持ちが揺れることは何度もありましたが、スタッフの皆さんのおかげで、父と過ごせる温か…
コラム103:過去から繋がる未来への道
「あなたより小さな子供でお母さんがいない人もいるんだから、あなたはここまで育ててもらえて恵まれているでしょ」 母が亡くなった19歳当時に言われた言葉。 「子供なんていたら大変なこともいっぱいあるのよ。むしろ羨ましい」 「人は結局ひとりなんだからみんな同じよ」 …
コラム102:沖縄の活動に見るワーカーズコープとの重なり:ユニバーサル・ホスピスマインドの社会実装を目指して
エンドオブライフ・ケア協会8周年記念シンポジウムで登壇された、ワーカーズコープ連合会センター事業団理事長・田中羊子さんは、「ワーカーズコープは、共に生き、共に働く社会をめざして、雇われるのではなく、自分たちで出資して、経営に責任を持ち、地域に必要な仕事をつくり出す「協同労働」という働き方を実践して…
コラム101:ハングルで伝えたい
在日朝鮮人として生まれて 私の祖父母は韓国で出生、両親は日本で出生したので、私は在日三世の朝鮮人である。学生時代から教師の道を目指していたが、家庭環境(長男、貧困)の事情もあり、高校を卒業して現在の職場である共和病院に就職した。 当初、臨床検査技師を志望したが、枠がなく事務…
コラム98:ピアサポーターとして 心はいつも近くにありたい
結ぶに夏と書いてゆか。名前の通り夏生まれのかに座です。2006年秋に乳がん告知を受け、かに座キャンサーが文字どおりキャンサーがんになったわけです。 そんな折、小澤先生のご講演を拝聴、『苦しみの中でも幸せは見つかる』との出会いがありました。が、当時の私には、苦しみの中に幸せを見つける…
コラム95:「Good enough」を届けたい
私は長女としてこの世に生を受けました。亡き母は、沢山愛してくれていましたが、とても厳しい人で、何に対しても完璧を求め、中々褒めてもらえなかった子供時代を思い出します。例えばスイミングのテストが不合格だった時、試合に負けた時、学校の成績表をもらった時、大学入試が不合格だった時・・・。悲しくて、悔しい…
コラム94:医師として治せなくても「わかってくれる人」に、私はなりたい
出会い 14年ほど前、松山市医師会主催の講演会でのことです。医師として私の人生に大きな変化が訪れました。当時の私は、大学病院から父の診療所に帰り、在宅医療を始めたばかりでした。在宅緩和ケアをしたくて地域医療を選んだのに、自分が役に立てているのか不安でいっぱいでした。 何が不…
コラム93:スクールカウンセラーとして、わかってくれる人になりたい
1冊の本との出会い 私は心理職、主にスクールカウンセラーをしています。保育園から小・中・高校まで様々な学校へ行きます。ある日、学校の図書室で、ふと目にとまったのが『折れない心を育てるいのちの授業』の本でした。 友人との話し方がわからない、勉強が全く理解できない、家族と仲良くし…
コラム89:ELCに出会って変わったこと・気が付いたこと
「苦しむ人の支えになりたい」 看護師を目指したとき、私はこの気持ちをどれくらい強く思っていたのだろう・・・ 「白衣の天使」にただ憧れていたのかもしれません。 自分の原点は何だったのか、なぜ命の現場に立とうと思ったのか・・・答えは出ていませんが、日々の患者さんやご家族とのかかわりの中で…
コラム88:弱さを認め 強く生きる
「強く、つよく 生きろ」 父は実直で厳しくも、いつもそばで私たちにたくさんの愛情を注いでくれました。 そんな父がこの言葉を残し急逝してから20年が経ちます。何もできなかった申し訳なさと、自分の無力さに後悔の念しかありませんでした。 その後看護師となった私は…
コラム87:カムカムエブリバディ!仲間と学び続けて<いのちの授業>を全国に届けよう!
私は2019年12月に<折れない心を育てるいのちの授業 (以下「いのちの授業」という。)>認定講師になりました。でも講師デビューをしたのは、つい最近の今年1月になってからのことです。 なぜすぐに授業をすることができなかったのか? 一つは翌年からコロナが流行り始め…
コラム86:「いのちの授業」を伝えている自分自身がいやされていく理由
私は「折れない心を育てる いのちの授業」を、小学生を中心に、たくさんの方にお話しする機会をいただいて、大阪市内、また最近ではオンラインでも活動させていただいております。 エンドオブライフ・ケア協会では、認定をいただいた講師が「折れない心を育てる いのちの授業」をそれぞれの…
コラム84:PTA・いのちの授業コーディネーター・親としての三つの視点から取り組んだこと
私はこれまで、実際に悩む中学の娘と一緒に「折れない心を育てる いのちの授業」を数回受講しました。娘は、何に悩んでいるのかもわからなくなるほどふさぎ込んでいましたが、この授業を受けるたびに、一つ一つ気持ちを伝えてくれるようになりました。 藁にもすがる思いで受けたあの日、娘は、隣にい…
コラム83:死に向き合うこと
「もう年だから。早く迎えにきてほしい。」 「これ以上しんどい思いをしながら生きていても仕方がない。」 病院で働いていると、しばしば耳にする言葉です。 このような言葉を聞いた時、何と言葉を返しますか? 私は理学療法士としてケガや障害を持った患者様に対…
コラム80:種を撒き、実を結ぶ
私は公立小学校、中学校、また公設私営の大学で児童・生徒・学生のためにソーシャルワークを行ってきた。元々心理職として教育現場で勤務していたのだが、私の力量が足りず、心理的なサポートのみでは一時的に子どもを笑顔にすることはできるが、子どもを取り巻く環境に根本的な原因がある場合、その環境に戻っていくと彼…
コラム79:優しい言葉と違和感の理由
「大丈夫だよ」 乳がんが見つかったと告げた時の夫の第一声。 「ありがたい言葉…のはず。だけどなんで?何がどう大丈夫なのか教えてよ!って言いたい自分がいる。 でも…私のためを思って言ってくれている言葉だし。 こんなことを思う自分の方が間違ってるのかな?」 心の中で押し問答…
コラム77:「OKプロジェクト」を共通言語に!!!
お恥ずかしいながら、当時小学2年生の娘と私は、本当に仲が悪かった。小さい時から、なぜかすぐにぶつかり合う。本当はとても愛おしい大切な存在なのに。 このぶつかり合いを何とかしたい、どうしたらいいんだろうと悩み、子育てが苦行にしか感じられない時もあった。 こんなことを思ってしまう私は、…
コラム70:~患者と医療従事者が苦しみを理解することによって厳しい医療現場を乗り越えていくかすかな希望~
私は新潟県在住で、デュシェンヌ型筋ジストロフィー症という病気を抱えています。呼吸する力や心臓を動かす力や飲み込む力が弱くなっていく病気です。現在でも平均寿命は30代前半と言われています。入院生活の中で医療従事者が心の声を聞くことが苦手なことを痛感していたので、医療従事者がどうやったら心の声が聞ける…
コラム68:報道現場に立つ私の“御守り”
それは13年前のこと。エンドオブライフ・ケア協会の設立の“種”をまく小澤先生に、私は出会いました。当時、私は30歳。報道番組のディレクターとして7年目の若手で、新聞や雑誌をめくっては、何か番組で取り上げるべきテーマはないか…と探す日々を送っていました。そんな時に目にしたのが「いのちの授業」…
コラム67:私の作業療法実践を支えるエンドオブライフ・ケアの学び
コラム67:私の作業療法実践を支えるエンドオブライフ・ケアの学び 清藤クリニック クリニックマネージャー 野尻明子さま (ELC第5回生、認定エンドオブライフ・ケア援助士、認定ELCファシリテーター) 現在、私は作業療法士(OT)として、クリニックの他にも、特別養護…
<死を前にした人にあなたは何ができますか?>
2015年7月に第1回のエンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座を開催しました。あれからもうすぐ5年を迎えます。一貫してこだわってきたことは、難しい専門用語ではなく、多くの人がわかる言葉で、何をしたら良いか、伝えることでした。 事例紹介 42歳女性のAさん。末期癌と診断され、担当医よりあ…
<始動します>
2月頃から続いていたコロナ騒動も、さすがに4ヶ月も経つと、新しい日常に変わりつつあります。この数年、毎週末は各地方で人材育成活動をしてきましたが、2月からは自粛しなくてはいけませんでした。 しかし、立ち止まるわけにはいきません。今まで以上に、それぞれの地域で苦しむ人は増えています。この3ヶ…
<20年前から変わらないこと>
今から20年前に書いたコラムを紹介します。前任のホスピス病棟で出会った患者さんから学んだことです。 「医療は治すことが目的でしょう。だから治すことができない患者は、医療の対象ではないと思うのです。あきらめるしかないのでしょうね。」 鍛冶屋の職人として生きてきたその人は、本当の病名を…
<学びの機会を広げるためにオンラインでできることを>
6月になりました。緊急事態宣言も解除され、徐々に人々が街にでかけるようになりました。とはいえ、いつ第2波がくるかわかりません。以前のような集合研修を安心して開催できる状況ではありません。 それでも苦しむ人の力になりたい人のために学びの機会を提供していきたいとの思いは、以前にもまして強くなっ…
<時代の2歩3歩先を読み、1歩先の行動を起こすこと>
つい半年前の常識が、まったく通じない世の中になりました。本当であれば、今頃はオリンピック・パラリンピック開催にむけて、世界の人達が日本に来る準備で慌ただしかったことでしょう。海外からの旅行客が日本の経済を押し上げる夢も、あっという間に消えてしまいました。 いつも心に留めることは、時時代の2…
<どちらを選んでも後悔するジレンマが課題です>
意思決定支援での課題の1つは、どちらを選んでも後悔することです。 心不全の悪化を認め、息苦しさを訴えている義母のこれからの療養について、このまま施設でできるかぎりの治療を行うのか、それとも入院して治療を行うのかを判断しなくてはいけない場面があります。 もし、入院したら、認知症のある義…
<愛の反対は 無関心です>
新型コロナウイルスに感染すると、その重症度によってホテルでの隔離か、病院へ入院して治療をうけるか、療養場所が変わります。 共通することは、自由に外に出られないことです。 もし皆さんが、何かしらの理由で自由に部屋の外に出られない状況に陥ったら、どんな思いになるでしょうか?散歩するこ…
<今 私が笑えるのは 一緒に泣いてくれたキミがいたから>
キャンサーペアレンツの西口洋平さんが5月8日に旅立たれました。35歳でステージ4のがんと診断される中、つながることで前向きに、声なき声を届け、生きやすい社会を実現したいと考え、キャンサーペアレンツを立ち上げました。2016年に、社会起業塾に応募されたとき、私もエンドオブライフ・ケア協会のメンバーと…
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