コラム18:エンドオブライフ・ケアから学んだことを生かし、家がいい。と言える在宅看取りモデル地域となる日を夢見て。
2016.09.16
コラム18:エンドオブライフ・ケアから学んだことを生かし、家がいい。と言える在宅看取りモデル地域となる日を夢見て。
ハート介護サービス東住吉支店 所長
津野 采子さま(ELC9回生、認定エンドオブライフ・ケア援助士、認定ELCファシリテーター)
はじめまして。私は介護職12年目の訪問介護員です。
エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座を受講したきっかけは、どうしても忘れられないケアがあり、振り返り日々あれで良かったのかと悩んで忘れられない思いからです。
2025年には、団塊の世代がすべて後期高齢者となり、また多死社会を迎える中、全国でもホームヘルパーが38万人不足するだろうと言われております。
人は生まれ、そして死んでいく。自然な事のはず。なぜか、生は受け入れられ易いのに死は受け入れられ難い。でも・・・まもなく死にゆく方への関わりでは、大事な何かを感じることができ、つらいだけの気持ちではなく、尊く、ありがたいことなのだ。そして誰かがやらねば、伝えなくては。受講して、このように確信できました。
ヘルパーの質の向上をと強く願い、地域で自社他社分け隔てなくこのような自分でも相談に乗らせていただくこともあります。まもなく亡くなる方を受け入れるのがつらい、難しいサービスはこなせない、死が怖いと感じる、訪問して息が止まっていたらどうしよう・・・ヘルパーの質の事など、お話は絶えません。ですが、大事なのは技術や慣れじゃない。私がやりがいや充実感を感じさせて頂けるのも、つらい思いも何もかもすべて人生の最終段階にある方々からの学びでした。人として成長させていただける、なんと尊い仕事なのだろう、と思えました。その尊い出会いを通して培った、優しい思いを言葉や態度で伝え、苦しんでいる人からこの人は理解者なんだと思って頂けるようになれたら、と思うのです。
実際に自然に、延命なく、希望する在宅で枯れるように亡くなって行く方々を目の前に他職種が連携し、しっかりした信念のもとにチームワークで穏やかに見送ることができた経験もある一方で、うまくいかず、希望に沿えず、後悔ばかりの時もありました。今もその繰り返しです。
「苦しんでいる人は、苦しみを理解してくれる人がいるとうれしい」のですから、その方の支えを見つけ強め、生きていてよかった、死ぬことがもう怖くないと思っていただけることが出来るのではないか。そういう自分でありたい。そういう自分だったら、沢山のヘルパーさんに伝えられ、そして苦しむ方々の支えを少しでも強められるのではないか、と思う様になりました。
支える側の介護者も、きっと死はつらいけど、苦しいケアだけど、分かり合い、共に感じ、人として成長させて頂ける上に支えあえると思うのです。
このエンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座に誘ってくださった丹後さんからの提案で、他職種連携を掲げ、地域でケアカフェも立ち上げました。今後の目標はもちろん、他職種連携ができる、在宅でええんやで。と自信をもって言える介護士の育成です。私自身も成長しなくては。
小澤先生が講義の中でUSJに「イッツ ア エンドオブライフ ワールド」のパビリオンを作る!というお話をされ、沸いて出た考えですが、大阪市東住吉区を在宅看取りのモデル地区にできる日が来るようにならないかな、なんて思い描いています。伝えて行かなくては、そしてそれは今の新しい私の夢でもあります。
エンドオブライフ・ケア協会では、このような学び・気づきの機会となる研修やイベントを開催しております。活動を応援してくださる方は、よろしければこちらから会員登録をお願いいたします。
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