コラム59:もう見て見ぬふりはしない・もう眼をそむけない、全国に広めようELC連帯の輪!

  • 原点
  • わかってくれる人がいるとうれしい
  • いのちの授業

日本のてっぺん最北端の街 稚内市 
道北勤医協 宗谷医院 指定居宅介護支援事業所
社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士・主任介護支援専門員 
石山武浩さま

(ELC第53回生、認定エンドオブライフ・ケア援助士、認定ELCファシリテーター)
 

 私は、いつも周りから「困っている人がいたら、後先考えずに、その人のために行動する」と言われます。自分の中では考えていないわけではないのですが、すぐに何かしなければと行動に移してしまいます。その原点は、北海道遠軽町(えんがるちょう)という人口2万人程度の町で中小企業会社員として共働きする両親のもと貧困家庭で育ちました。小学生の頃、近所にいた二つ年上の体の不自由な障がいのあるお兄ちゃんとよく遊んでいました。ある日そのお兄ちゃんが、周りの友達から馬鹿にされたり、茶化されたり、押されたりと今思えば「いじめ」のように、からかわれていました。その時、自分は声を出してお兄ちゃんの事をかばう事ができず、その後、ずっと心の傷として残り後悔していました。

 中学生になり当時1976年STV番組「ふれあい広場サンデー九」と言う体の不自由な人を助けながら、その当事者の生きる生活を守る番組を見た時に、小学生の時を振り返り、泣きながら見ていたのを思い出します。どうしてあの時、声を出してお兄ちゃんを守らなかったんだろうと悔しい思いでいっぱいになりました。そのお兄ちゃんは、中学になり親元から離れ、介護の面倒をみてもらえる施設に入所し、穏やかに暮していました。お兄ちゃんは穏やかに暮していたのですが、私は、自分自身が許せない思いでずっといたので、いじめられている人がいたら、後先考えずにいじめている奴らにかかっていった思い出があります。その後、喧嘩は無くなり、話し合いで物事が進むようになりました。そのころから、いじめられているような人がいたら、たとえ自分が仲間はずれにされたり、いじめられたりしても、その子を守るために思い立ったように後先考えずに行動に移していました。

 それから中学・高校と、いじめられたり仲間はずれにされたりしている人を見たら、居てもたってもいられず声をかけて友達になろうと行動していたように思います。その時に、将来の夢は、人の役に立つ仕事をしよう、「ふれあい広場サンデー九」を見た時に、体の不自由な人に支援を行っている人たちの仕事を思い出し、困っている人に何かできないかと思うようになり、福祉の仕事に就きたいと思うようになりました。

 2017年7月17日自分の誕生日に札幌市で小澤竹俊先生との出逢い・そして講演、まさにあの小学生の時の思いは、「苦しんでいる人は、自分の苦しみをわかってくれる人がいると嬉しい」お兄ちゃんに対して、そうできなかった自分を責めました。

これからも、自分の心に正直に誠実に、黙っているのではなく言葉にして行動に移し、目の前にいる「苦しんでいる人の、わかってくれる人になる」というミッションを自分に課して、これからも保健・医療・福祉・介護・障がい分野の他、教育分野や地域で「折れない心を育てる~自分を認めて人にやさしくなれる~」ように、『いのちの授業』や援助的コミュニケーションを広げる活動に取り組んでいきたいと思います。

エンドオブライフ・ケア協会では、このような学び・気づきの機会となる研修やイベントを開催しております。活動を応援してくださる方は、よろしければこちらから会員登録をお願いします。

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