コラム3:苦しむ人と逃げないで向き合う援助者をめざして~仲間とともに未来を育む~

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2015.10.07

コラム3:苦しむ人と逃げないで向き合う援助者をめざして ~仲間とともに未来を育む~

四条畷看護専門学校 教員 久保田千代美さま
(JSP第2期生、認定エンドオブライフ・ケア援助士、認定ELCファシリテーター)

Kubota-sama

 私は看護学校の教員です。その前の5年間は、訪問看護をしていました。大好きな場所で穏やかに日常生活を過ごされる療養者さんと、やがて必ずくる別れの時までを共に喜び、悲しみ、苦しみ、パートナーとして一緒に生きてきたように思います。そして、療養者さんの希望を叶えるために、一人でも多くの在宅看護を志す後進を育みたいと教員になり、それから5年が経ちました。

 看護学校では、在宅看護論実習という授業があり、ここでは、主に療養者さんやご家族の気持ちに寄り添うケアを伝えています。「気持ちに寄り添う」とはどういうことでしょう。もうすぐ確実に亡くなる人を前に、寄り添うという曖昧な言葉ではなく、どのように関わればよいかということを、わかりやすく言葉にした小澤竹俊先生の講座で学んだ方法を学生たちに伝えると、学生たちは人生の最終段階にある人に積極的に関わり、療養者さんを尊重した援助ができるようになりました。2週間の実習で学生は、その人の支えを聴き、大切にしている思い出が家族との絆を深めることを感じ、人生の一番輝いていたときを一緒に振り返り、教訓をいただいたことに感謝しています。療養者さんは貢献感を持って学生を受け入れてくださり、それが生きる勇気になっていると思います。

 もともと私が看護師になると決心したのは、6歳のときでした。先天性股関節脱臼にぺルテスという骨が崩れてゆく病気にかかり、手術をしたのです。何をされるのかわからない恐怖に怯え、しがみついた白衣。当時は木綿で糊つけされて硬く、しがみつくとシワができます。ギュッとしがみつけば、ギュッと抱きしめてくれる。白衣の下の軟らかい感覚、「大丈夫よ。」と優しい声、顔をあげると看護師は、私を見ています。私が泣きそうな顔をすると、看護師の口元もゆがみ泣きそうになったと感じました。それで、私は泣きそうだけど笑うと、看護師の口元が緩んで、目も細く笑った顔になりました。その瞬間「ああ、よかった」と安心したのでした。このことから、私は痛がっている人や怖い思いをしている人に、白衣にギュッとしがみついて安心してもらえる看護師になりたいと思ったのでした。

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Theory of Change

セオリー・オブ・チェンジ