コラム5:ケアする人とケアされる人

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2015.11.06

コラム5:ケアする人とケアされる人
福井県 オレンジホームケアクリニック代表、医師 紅谷 浩之さま

 

2025年に向けて、地域包括ケアシステムの構築が必要と言われています。「医療モデルから生活モデルへ」なんてことも言われます。病院と地域、医療と生活の違いってなんでしょうか。病院で行っていることをおうちに届ける“出前”のことを在宅医療というのではありません。おうちという生活、決して医療が主役ではない人生の舞台に脇役として医療が登場する、それが在宅医療だと思っています。

ひとつ、考えてみましょう。

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病院には、2種類の人間がいます。白衣を着ている人と病衣を着ている人です。

 

この役割分担は明快です。白衣を着ていればケアをする人、病衣を着ていればケアをされる人。この役割が入れ替わることはありません。患者さんが看護師の血圧を測ることはありませんし、患者さんが医師に注射することもありえないのです。

しかし、地域では少し違います。

地域の人たちが集まるお祭りに出かけた時、ふと考えました。この人たちの中で、誰が「ケアする人」で、誰が「ケアされる人」なんだろうか。

もちろん、白衣を着ているわけではありませんのでぱっと見てもわかりません。いや、見分けが付かないのではなく、そもそも役割分担なんて、ないことに気づきました。

雪の日は雪かきを隣の青年に手伝ってもらっているおじいさんが、祭りのやり方をその青年に教えています。腰が悪くて普段は近所の若い主婦にゴミ捨てをしてもらっているおばあさんが、祭りの料理を若い主婦を集めて教えています。いつも地域の人たちに見守ってもらっている子どもたちがお祭りで踊っているのを見て、地域の人たちは元気をもらっています。みんながケアする人でありケアされる人。地域での生活ってそういうものだろうな、と思うのです。

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