コラム6:私は、もうそこから逃げない!

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2015.12.07

Ohno-samaコラム6:私は、もうそこから逃げない!

医療法人社団鶴友会 鶴田病院 薬剤師 大野 瑞穂さま
(JSP第2期生、認定エンドオブライフ・ケア援助士)

 私は薬剤師として病院で勤務しています。当院には緩和ケア病棟があり、人生の最終段階に向かう患者さんを担当することがあります。患者さんと関わる中で、私も患者さんやご家族の方の苦しみに直面します。しかし、入職当初の私はどう対応して良いかも分からず、その苦しみに向き合うことから逃げていました。

 そんな時、私は乳がんの患者さんの担当となりました。Fさんは過去に薬の副作用で苦しんだ経験があり、薬に対しては特に詳しく説明してほしいと希望されたため、私は頻繁にFさんの部屋を訪れました。次第にFさんとの距離は縮まり、薬のことだけでなく、世間話や昔話もするようになりました。気づくと内縁の夫であるUさんともお話するようになっていました。Fさんと私は母親と娘ほどの年齢差があり、Fさんは私を娘や人生の後輩といったように可愛がってくださいました。

 徐々に病状が進行し、私はFさんやUさんから不安や苦しみを訴えられるようになりました。また、お話を伺っていると、Fさんがふと暗い表情になることに気づくこともありました。私はFさんの力になりたいと思う反面、精神的なケアは医師や看護師がするもので、薬剤師がすべきではないと思っていました。その上、自分が何をすれば良いのか、誰に伝えればFさんを助けてくれるのかさえ、当時の私には分かりませんでした。

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Theory of Change

セオリー・オブ・チェンジ