新型コロナウイルス感染拡大で苦しんでいる人が笑顔になれるように!とのスローガンに反対する人は、ほとんどいません。しかし、実際に何をしたら良いか、具体的に言葉にできる人は多くはありません。その壁を越えていきたいと思います。
これだけ地域に苦しむ人が増えていくということは、一方で、苦しむ人の力になりたい人も増えていくと考えるのが自然です。ですから、力になりたい人に、何をすると力になれるのかについて、総論ではなく、各論として具体的な行動がとれるように、志のある人に、具体的に関わることができる武器を手渡したいと思います。
その武器とは、対人援助の基本的な考え方です。自分が良いと思うことを一方的に押しつけるだけでは、苦しむ人は笑顔にはなれません。医療・介護という枠組みを超えて、子どもから大人までがわかる言葉で、具体的な関わり方を、まねしやすく、魅力的に伝える方策が必要です。
そのミッションを遂行するために、この5年間、「苦しむ人への援助と5つの課題」として伝えてきました。
今回、この苦しむ人への援助と5つの課題について、学ぶ機会を2020年5月20日(水)、27日(水)の午後6時30分から午後8時30分、2時間×2日間のオンライン研修として企画しました。
(詳細はエンドオブライフ・ケア協会のHPにて)
ここからがチャレンジです。皆さんと一緒に、より多くの人に、誠実に苦しむ人と関わり続けられるように、この内容を伝えてほしいと願っています。
今、企画していることは、この2日間の内容を、私が解説している箇所だけショートムービーとして映像を配信できるように準備します。映像を視聴後には、それぞれミニワークを用意します。そして、私の代わりに、この映像(たぶん10分×5-6本)とその後のワークをガイドしていただくOKプロジェクト認定ガイド(仮)という資格をエンドオブライフ・ケア協会として新設する予定です。
OKプロジェクトとは、折れない心を育てるいのちの授業プロジェクトの略です。苦しむ人への援助と5つの課題について、学校や地域で伝えて行くためのプロジェクトとして、2019年8月からエンドオブライフ・ケア協会として始動していたプロジェクトです。
その目標は、様々な困難に遭遇する人生において、1.自分の苦しみと向き合えること、2.目の前で苦しんでいる人に関われること、主体的、対話的で、深い学びを通して自尊感情、自己肯定感を育む、としてきました。
折れない心を育てるいのちの授業プロジェクトの目標は、今のコロナ危機における1つのチャレンジです。しかし、一部の専門家だけに頼るのではなく、それぞれの地域で、苦しむ人の力になりたいと思う人達が、関わり方を学んだ上で、具体的に実践し、現場で学び続けることができる仕組みをつくりたいと思います。
その基礎は、すでにエンドオブライフ・ケア協会(ELC)の仲間とともに全国にあります。しかし、この仲間だけでは足りません。すでに現場で疲弊している人達も多くいるからです。
今回のコロナ危機において、苦しむ誰かの力になりたいと思う人が、具体的な関わり方を学ぶ入り口として、このテーマを広く伝えて頂ければと、願っています。
今日も良い1日でありますように!
P.S.昨日はラジオを聴いて頂いた皆さん、ありがとうございました。一緒に夢を追いかけましょう!
#コロナ4Cチャレンジ
#エンドオブライフ・ケア協会
#折れない心を育てるいのちの授業プロジェクト
苦しむ人への援助と5つの課題について、短く紹介します。
1.苦しんでいる人は、自分の苦しみをわかってくれる人がいると嬉しいです。相手からみてわかってくれる人になれるために、聴くことが大切です。そして、その人との信頼関係をつくっていきましょう。
2.信頼関係をつくりながら、相手の苦しみに気づいていきましょう。苦しみは、希望と現実の開きです。そのことを意識するだけで、何気ない相手の苦しみや困難に気づくでしょう。苦しみに気づいたら、解決できる苦しみは解決できるように助けましょう。
3.もし、解決ができない苦しみを抱えたとしても、穏やかに過ごせる可能性を探ります。たとえ、解決ができない苦しみの中でも、その人にとって大切な自らの支え(穏やかになれる理由、頑張れる理由)が見つけたならば、表情は穏やかに変わります。
4.苦しむ人が、穏やかに過ごせる支えを、強めるために私たちにできることを実践しましょう。具体的には、わかってくれる人として話を聴くこと、穏やかに過ごせるために、生活の支援を行うこと、頑張れる理由を探して一緒に応援すること、たとえどんな人生であったとしても、1人の人間として尊厳を大切に守ることなどです。
5.苦しむ人の力になろうとする私たち自身の支えを大切にしましょう。決して現場は、うまくいくとは限りません。力になれずに、私たちの心も折れそうになります。それでも、私たち自身の支えがあれば、たおやかな心を持って関わり続けることができます。
小澤 竹俊
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