コラム81:「いのちの授業」は〇〇の始まりです

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医療法人秀麗会 やまお訪問看護ステーション 看護師 

中嶋順子さま

(ELC第21回生、認定エンドオブライフ・ケア援助士、 認定ELCファシリテーター、いのちの授業認定講師)

 「折れない心を育てる いのちの授業」は〇〇の始まりです。さて、何の始まりでしょう。

 以下、私が実践した「折れない心を育てる いのちの授業」に参加くださった方からいただいたメールからの一部抜粋です(ご本人に掲載の許可をいただいています)。 

 

"授業が終わったあとすぐ、息子は「俺には苦しいことはないな!暑いからアイス食べてスッキリさせるわ~」と笑いながら話していて(あまり分からなかったかな?)と思っていました。しかし、楽しみにしていた息子のアイスを弟が食べてしまっていたのです。それを見るなり息子は大号泣。暴れながら泣く息子をみて、(それが苦しみやわ…)と思いました。落ち着くまでそっとして、違うアイスで我慢してもらいました。

 夜、この話を二人で振り返ってみました。お昼のアイス事件は○○の苦しみやったなぁ、アイス食べたかった希望に、食べられた現実。すると息子から「お母さん、そういうときは反復しないと。俺、アイス食べたかったーって言ってたやろ。」と言われて驚きました。(実際は手がつけられないくらい怒って、泣いてましたが。)息子なりに落としこんでいるんだなと感じました。"

 このメールをいただき、ただ単純にうれしくなりました。私の実践を通して、日常にある息子様の苦しみに【気づき】、更に【対話】を通して息子様と向き合っていただけたことがわかったからです。

 私は、この活動をただ単に良いことを【伝える】だけにしたくないと考えています。良いことを【伝える】のは簡単です。自分も満足できます。でも、本当に子どもたちが“生きていてよい”と思える社会にするためには【伝える】だけではあまり効果がないと感じています。

 

 では何があると“生きていてよい”と思えるのか。それは人それぞれ違います。

 だから何があると苦しくて、何があるとうれしいのか、そしてそれは人それぞれ違うのだということを、授業をきっかけにして【気づき】と【対話】を日常に届けたい。

 日頃から色々な人の価値観に触れあってみてほしい。きっとそれが多様性を尊重するということにつながり、誰もが生きやすい社会につながると思うから。


 誰もが”生きていてよい”と思える社会になるように、【気づき】と【対話】の始まりを届けています。例え上手くいかないことがあったとしても、“生きていてよい”と感じられる社会に向けて仲間とともに歩み続けたいと思います。

 

エンドオブライフ・ケア協会では、このような学び・気づきの機会となる研修やイベントを開催しております。活動を応援してくださる方は、よろしければこちらから会員登録をお願いします。

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