コラム93:スクールカウンセラーとして、わかってくれる人になりたい

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したらカウンセリングサービス 心理職 

設楽友香さま

(第78回生、認定エンドオブライフ・ケア援助士、ELCファシリテーター、折れない心を育てる いのちの授業レベル1認定講師)

1冊の本との出会い

 私は心理職、主にスクールカウンセラーをしています。保育園から小・中・高校まで様々な学校へ行きます。ある日、学校の図書室で、ふと目にとまったのが『折れない心を育てるいのちの授業』の本でした。

 友人との話し方がわからない、勉強が全く理解できない、家族と仲良くしたいのに仲良くできない、自分の居場所が見つからない、家族の経済事情、性虐待、など悩みを持っている人はたくさんいます。リストカットなどの自傷行為や、大量にお薬を飲んでしまうオーバードーズや、消えていなくなりたいと、希死念慮のある人も中にはいます。悩みが大きくなって、本当に困ってしまって、それでなんとかようやく相談室にやってくる人がいらっしゃいます。

 私は以前から、本当に困ってしまう少し前に、相談室以外の場所でも、心が触れ合う機会を作りたいと考えていました。本当に困ってしまう前に、動けなくなる前に、(私でなくとも)当人が信頼できる誰かとかかわりを持っていれば、何かがあれば、もしかすると、少しは気持ちが穏やかだったかもしれない、と考えていました。

 今思うと運命的に小澤先生の本に出会いました。むさぼるように読みました。その後、『今日が人生最後の日だと思って生きなさい』『死を前にした人にあなたは何ができますか』『もしあと1年で人生が終わるとしたら』など小澤先生の本を読み、感激し、いても立ってもいられず、エンドオブライフ・ケア協会にたどりつきました。苦手なオンラインで「援助者養成基礎講座」「いのちの授業 認定講師トレーニング」を受講し、今に至ります。自分にできることをたくさん学んで、少しでも、苦しむ人の前に立つ勇気を得たかったのだと思います。ご縁のある学校で「折れない心を育てるいのちの授業」を実施させていただく機会もありました。とてもありがたく思っています。

 

助けを求める

 昔から、人に迷惑をかけたくない。恥ずかしい思いをしたくない。だから、誰にも悩みを相談しませんでした。思いがあっても、声をあげませんでした。私は、何でも一人で解決しなければならないと思っていました。

 心理職として、援助を求めることの大切さを誰かに伝えながら、自分自身はそうではなかったのです。失敗しない、かっこいい、良い自分でありたかったのです。

 子育てでうまくいかないときも、仕事がうまくいかないときも、自分の理想と現実の狭間で、一人で苦しんでいました。

 これまで私は、相手を思うからこそ、一人で頑張ってしまっていたのかもしれません。今は、相手を大切にしたいからこそ、一人で解決するのではなく、自分にできることは精一杯励みつつも一緒に対話することが大切なのだと考えています。

 

「わかってくれる人」になりたい

 しかし、エンドオブライフ・ケア協会で学べば学ぶほど、自分自身の弱さや未熟さに気がついてきました。

 心理職でありながら、本当の意味で、私は相手にとって「わかってくれる人」になれていたのだろうか。もちろん、たくさんたくさんお話は聴いてきました。でももしかしたら私が聴きたいことを聴いていたのではないだろうかと、自分を省みています。

 相手にとっての「わかってくれる人」になるのは、本当に難しいです。毎日、自問自答しながら、学校で過ごしています。

 まだまだ心理職としても人間としても未熟ですが、いつか私が出会った人たちにとっての「わかってくれる人」になりたいと思います。そのために、これからも皆さんと一緒に学んでいきたいと思います。

※写真:地域活動「境川にこいのぼりを泳がせよう」

エンドオブライフ・ケア協会では、このような学び・気づきの機会となる研修やイベントを開催しております。活動を応援してくださる方は、よろしければこちらから会員登録をお願いします。

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