居宅介護支援事業所 介護支援専門員
鬼塚 友実子さま
(ELC第57回生、認定エンドオブライフ・ケア援助士、認定ELCファシリテーター、折れない心を育てる いのちの授業レベル1認定講師)
私のエンドオブライフ・ケア協会との出会いは、大切な夫を亡くした頃でした。
生きる意味を見失い、もうどうでもいい、でも子供達のために生きなくちゃという使命感で必死に毎日を過ごしていました。
でも見える世界はモノクロで、笑い声やジョークが、私にとって不協和音にしか聞えませんでした。
この苦しみからどうやって抜け出せるのか、夢中でネットで検索し、福岡でのエンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座の申し込みをしたのを覚えています。
“苦しんでいる人はわかってくれる人がいると嬉しい。それは聴いてくれる人” それは励ましでもなく、同情してくれる人でもありません。
“その通り!” と受講した時のあの時の感情は忘れません。
涙が流れていました。
その当時は、私自身も友人や職場の人との距離を取り、対人恐怖症みたいになっていました。間違った関わり方をされると友人や職場をも失うことにもなりかねません。さらに孤立してしまい、わかってくれない、所詮他人はわからないよねと落ち込むばかりでしたね。
でも学び続けながら人との出会いの中で少しずつ何かが変わっていきました。
そして、折れない心を育てるいのちの授業の講師養成講座を受け、自主練習で一コマ一コマを自分の内で落とし込んでいると、ある場面でどうしても言葉が上滑りのように感じるところがあってなかなか前に進みません。
それは“まっくらな暗い空には★(星)が見える“。というところでした。私にはまだ★(星)がなかなか見えなかったのです。
かすかにぼんやりと彼方にみえているようですが、それが本当なのかわかりません。
私なりに考えた答えは、今は見えないかもしれない、でも必ず見えてくる。それは人それぞれ違っていいです。そう自分で言葉にしたらストーンと気持ちが楽になり、話をすることができ、1年かけてやっと講師のテストを受けることができました。支えてもらっている人が沢山いることにも気づくことができました。
デグニティセラピーでは、自分自身と向き合い、家族と向き合う機会となり、伝えたいことを考えているうちに、苦しみ模索し彷徨っていたことが、今こうして色々な活動をしていることにつながっていることに気づき、感謝の気持ちを味わうことができました。
これからの私のライフワークは、先に逝った大切な夫に、私が逝ったときに胸を張って「ちゃんと人生を生きてきたよ」と言えるように、自分の物語を紡いでいこうと思います。
半径5メートルの人の笑顔を見たい、一瞬でも穏やかな時間を共有したい。そのためには私が気づいたこと、学んだことを実践して、必要としている方へ一人でも多く届けられたら幸いです。
エンドオブライフ・ケア協会では、このような学び・気づきの機会となる研修やイベントを開催しております。活動を応援してくださる方は、よろしければこちらから会員登録をお願いします。
© End-of-Life Care Association of Japan