コラム115:その方にとって、“自分が理解者になれた”と感じた涙の瞬間

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ハートピット株式会社

野間 康彰さま

(ELC第143回生)

小澤先生との出会い

 介護保険が始まった翌年、2001年にケアマネージャーの資格を取得しました。

 

 私の記憶が確かならば、小澤先生がケアマネージャー更新研修の講師という形で出会ったと認識しています。

 

 私たちは「本当に苦しんでいる人の気持ちを理解出来るのでしょうか」この問いにとても衝撃を受けた事を覚えています。

 

 私は町田市で認知症専用の一軒家のデイサービスで、畑を耕しながら介護スタッフ兼ケアマネージャーとして働いていました。

 

 その中の60代の認知症の男性の利用者さんは、日々ご自分の病気の進行に戸惑いながら、奥様と治験にもチャレンジしながら暮らされていました。

 

 ある日のデイサービスでその方の表情が非常に険しく、膝を突き合わせるような距離で私の目の前に座られ、「あなたには私の苦しみが分かるんですか!分かるんですか!」とかなり強い口調で話されました。私は何とか理解しなくては・・・でもわからない・・でもその気持ちが知りたい、その方の悲しみや辛さを感じたい・・どんな思いなのか知りたい・・・そう思いながらも何も言葉を発する事が出来ませんでした。

 

 この利用者さんの辛そうな場面と何度となく向き合っていく中で、奥様から「本人がこんな事を言っているんです」と教えて頂く事がありました。

 

 「あそこは他の場所と違って、自分のことを一人の人として認めてくれている。だから僕はあの場所に通いたい。」このように仰って下さったそうです。

 

 涙が溢れました。

 

 小澤先生が教えて下さっている援助方法には到達出来ないのですが、目の前で苦しんでいる人が、私達のことをまさに理解者だと思って下さった瞬間であり、強烈な体験を得ることが出来ました。この体験は今も自分に色濃く、強く繋がっています。

 

 

小澤先生を大和市“南林間”にお招きした勉強会で感じたこと(R5年11月)

 いつか仲間たちと「ホスピス型住宅」を大和市に創りたい!その夢に向かうために開催してきた「ieプロジェクトin大和」の勉強会の18回目(2023.11)、ついに夢に描いていた小澤先生が講師としてお越し下さいました!

 

 援助者養成基礎講座のエッセンスを濃縮したスタイルで「苦しむ人への援助と5つの課題」の内容について等、多くのロールプレイの機会を通して学ばせて頂きました。

 

 「患者役の際、自分の辛さを語ってる場面の沈黙の時間の長さ」と「聞き役の際、相手の沈黙を待っているときの時間の長さ」の違いに驚きました。相手が自分のことを待ってくれている、理解しようとしてくれている。話を聞いてくれている・・・この時感じた「安心・温かさ・穏やかさ」この体験を忘れずにこれからも関わっていきたいと思っています。

 

 

いのちの授業in大和を開催したい

 「ホスピス型住宅」は5年以内に2か所創ります!(夢は言葉にして発信すると必ず叶うとお聞きました)そして、こども、学生、親御さん、商店街の人、老人会などの方々まで多世代の方々と「いのち」「人生」「人生のラスト」について考える機会を大和でつくってみたいと考えています。小澤先生に再び講師として大和にお招き出来るよう精進して参ります!私たち大人が、逃げ切るのではなく、これから先の子どもたちの時代に何か一つでもいい物を残していくこと、それが私たちの責任だと思っています。


 

#エンドオブライフ・ケア
#ユニバーサルホスピスマインド

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