コラム102:沖縄の活動に見るワーカーズコープとの重なり:ユニバーサル・ホスピスマインドの社会実装を目指して

  • わかってくれる人がいるとうれしい
  • いのちの授業

株式会社いきがいクリエーション 副社長 看護師

親泊 朝光さま

(認定エンドオブライフ・ケア援助士、ELCファシリテーター、折れない心を育てる いのちの授業レベル1認定講師)

 エンドオブライフ・ケア協会8周年記念シンポジウムで登壇された、ワーカーズコープ連合会センター事業団理事長・田中羊子さんは、「ワーカーズコープは、共に生き、共に働く社会をめざして、雇われるのではなく、自分たちで出資して、経営に責任を持ち、地域に必要な仕事をつくり出す「協同労働」という働き方を実践してきました。」と語られていました。

 

 30年以上前から、協同労働という働き方を、社会運動として実践され、それが実を結び、2020年12月4日超党派の議員立法で、全党全会派一致による労働者協同組合法が成立しました。

 

 様々な試練、困難を乗り越えられてきたとは思えないほど、穏やかで、謙虚で親しみやすく、柔和な笑顔の中に凛とした意志を感じる方でした。私にも気さくに声をかけていただき、弊社に興味を寄せてくれました。

 

 株式会社いきがいクリエーションは、「いきがいを一緒につくる」を理念に12期目を迎えました。紆余曲折ありましたが、ご利用者様のいきがいだけでなく、一緒に働いてくれているスタッフの皆様のいきがいを実現していくことを大切にしてきました。

 

 介護、医療、障がいの事業を主に行なっていて、スタッフ数150名ほどまでに拡大してきました。かつては収益だけを追う時代もあり、多くのスタッフが疲弊し去っていきました。その結果、人材不足による負担増でケアの質の低下、社内の雰囲気も悪くなっていきました。

 

 そんな中、エンドオブライフ・ケア協会との出会いもあり、対話の大切さや一人一人の人生に向き合う重要性を再認識し、スタッフ一人一人の働き方や、いきがい、やりがいを、対話を通して聴いていきました。また、働きやすい環境を作っていくための施策として、組織図、管理者会議の撤廃、経営者会議に平等に誰もが参画できるようにしました。また、若いスタッフが中心になって発足したSDGsプロジェクトは、地域と繋がり、高齢者のいきがいのお手伝いをしています。雇い雇われるといった二項対立ではなく、誰もがある一定の裁量権を持ち、対話を重視した組織づくりに取り組んでいます。

 

 さらにELC沖縄の中心的メンバーである、いきがい在宅クリニック院長の長野宏昭先生を役員に迎え、取締役役員の80%がいのちの授業認定講師であり、社員の60%以上がいのちの授業やELC援助者養成基礎講座の受講生です。ユニバーサル・ホスピスマインドを持った会社として、8周年記念シンポジウムで長野先生が紹介してくれました。

 

 現在10以上の事業を行なっており、どれも地域のニーズに押されるようにつくってきました。中にはスタッフのやりたい事を実現させ行なっている事業もあり、「協同労働」と似たところもあります。懇親会でお酒を酌み交わしながら、生意気にも田中さんにそんな事を一方的に語っていた自分がいました。田中さんは、聴いてくれる人でした。今度は、自分が「聴いてくれる人」になるために、沖縄でお会いする約束をしました。

 

 8周年記念シンポジウムでは、社会実装がテーマでした。沖縄でワーカーズコープさんと協同し、ユニバーサル・ホスピスマインドを実装できる幸せな地域社会が実現できたらと思っています。
 

エンドオブライフ・ケア協会では、このような学び・気づきの機会となる研修やイベントを開催しております。活動を応援してくださる方は、よろしければこちらから会員登録をお願いします。

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