コラム142:「こころの声に耳を傾け、思いに寄り添うためには…」 ~そばにあり続ける看護~
私は現在、神奈川県にある厚生連伊勢原協同病院の緩和ケア病棟の看護師として、勤務しています。緩和ケア病棟で出逢う患者さんや家族は、一期一会の出逢いであり、その時を大切に関わっているつもりでも、旅立たれた後に、自分の関わりが良かったのか、患者さんの苦痛に向き合えることが出来たのかと考えることがあります。また、患者さんから「もう、終わりにしたい」その言葉からは計り知れないほどの苦痛を、抱えており、患者さんのそばにただいることしか出来ない自分の…
施設看護師として看取りに関わる毎日を送っています。入所されるご利用者様の多くは、認知症があり、終末期を迎える頃には意思の確認が難しい現実があります。看護師として目の前の方に向き合えていたのか、どこかでご家族の納得を優先していなかったか、そんな思いが残りました。 いま何かを学ばないといけないと焦りながら、オンラインで エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座 の参加を決めました。 受講までは「在宅と施設ではできることが全く違うのではないか…
コラム132:緩和ケア病棟看護師の苦悩~患者さん、ご家族が穏やかに過ごせるように~
講座を学ぼうと思った患者とのエピソード 数年前 ある40代の終末期患者さんと出会いました。 その方は「自分の人生はちっぽけ。医療者を見てると本当に尊敬する。私も人のためになることをして生きたら良かった。」と自身の価値を落とし、人生の意味をなくして生きていました。 私は、人はその人として大事な存在で、誰とも比べられないのに、一生懸命人生を生きて、そう思う必要はないのに、と、とてももどかしい思いになりました。 それで、私の思いを伝えてみまし…
コラム128:反復と沈黙、そして問いかけ-寂しさを抱えながら生きるために
今年の冬はどんなコートを買うか。ホットヨガを始めていい感じなこと。行きつけの美容師さんのカットが上手なこと。研究室の先輩後輩のよもやま話。頑張って書いた論文が賞をもらって嬉しかったこと。時間がない中で英語をどうやって勉強するか。恋愛について。にんにく入りのパスタは苦手で、ローストビーフやサラダが好きなこと。 あかりさん(仮名)とはたくさんの話をした。お互い社会人学生として大学院に通っていた頃、あかりさんの所属する研究室で私はバイトしてい…
私は家庭医です。いわゆる「昔ながらの町医者」というやつです。赤ちゃんからお年寄りまで、産前相談から緩和ケア・看取り・グリーフケアまで。年齢やジャンルを問わず、心・体の問題を問わず対応する、プライマリ・ケアの専門医です。 何でも診るといっても、何でも解決できるわけではありません。プライマリ・ケアの診療所に受診する患者さんの訴えの50%は答えがないとも言われています。私たちは日々、答えのない苦悩と向き合っています。 そんな不確かな世界と向き…
コラム120:苦しんでいる人の役に立ちたい浪人生が緩和ケア医になるまで
私が、小澤先生と出会ったのは、約20年前です。当時、私は大学浪人生でした。農学部志望でしたが、受験に失敗、苦しい浪人生活の中で、「世の中で最も苦しんでいる人の役に立ちたい」との想いが湧きました。そして、テレビで、聖路加国際病院の日野原重明先生の特集を目にし、もう治療できないと言われた癌患者さんは最も苦しんでいる、そういう人に向き合う緩和医療という分野があるのだと知りました。私は、インターネットで検索して、ホスピスや緩和ケアの医師・病院に…
結ぶに夏と書いてゆか。名前の通り夏生まれのかに座です。2006年秋に乳がん告知を受け、かに座キャンサーが文字どおりキャンサーがんになったわけです。 そんな折、小澤先生のご講演を拝聴、『苦しみの中でも幸せは見つかる』との出会いがありました。が、当時の私には、苦しみの中に幸せを見つけることは容易ではありませんでした。 がん友さんの旅立ちをきっかけに、2011年6月~カドベヤ(現在はピアサポートよこはまと名称を変更)でのピアサポート活動に参加…
コラム93:スクールカウンセラーとして、わかってくれる人になりたい
1冊の本との出会い 私は心理職、主にスクールカウンセラーをしています。保育園から小・中・高校まで様々な学校へ行きます。ある日、学校の図書室で、ふと目にとまったのが『折れない心を育てるいのちの授業』の本でした。 友人との話し方がわからない、勉強が全く理解できない、家族と仲良くしたいのに仲良くできない、自分の居場所が見つからない、家族の経済事情、性虐待、など悩みを持っている人はたくさんいます。リストカットなどの自傷行為や、大量にお薬を飲んで…
私は公立小学校、中学校、また公設私営の大学で児童・生徒・学生のためにソーシャルワークを行ってきた。元々心理職として教育現場で勤務していたのだが、私の力量が足りず、心理的なサポートのみでは一時的に子どもを笑顔にすることはできるが、子どもを取り巻く環境に根本的な原因がある場合、その環境に戻っていくと彼らの笑顔が消えていってしまうということを何度も経験した。困っている子どもを取り巻く環境には貧困やいじめや虐待等がある。そもそも貧困やいじめや虐…
エンドオブライフ・ケア協会(ELC)との出会いは通勤途中に聞いていたラジオでした。エンドオブライフの研修を探していた私はさっそく調べて申し込み受講しました。 私の看護師としての経験は救急が一番長く、救急の現場では何人もの人の最期に出会ってきました。突然の心肺停止で運ばれてくる方に行う蘇生術、動揺する家族、最後は自宅ではなく警察へ搬送されるケースも。その時いつも感じていたことは、この方は本当にこんな最期を望んでいたのだろうか?どうすれば穏…
それは13年前のこと。エンドオブライフ・ケア協会の設立の“種”をまく小澤先生に、私は出会いました。当時、私は30歳。報道番組のディレクターとして7年目の若手で、新聞や雑誌をめくっては、何か番組で取り上げるべきテーマはないか…と探す日々を送っていました。そんな時に目にしたのが「いのちの授業」をする医師として紹介されていた小澤先生の新聞記事です。私は直感的にぜひその授業のお話を聞いてみたい、と思ったのでした。 連絡を取るとすぐに会ってくださ…
コラム67:私の作業療法実践を支えるエンドオブライフ・ケアの学び
コラム67:私の作業療法実践を支えるエンドオブライフ・ケアの学び 清藤クリニック クリニックマネージャー 野尻明子さま (ELC第5回生、認定エンドオブライフ・ケア援助士、認定ELCファシリテーター) 現在、私は作業療法士(OT)として、クリニックの他にも、特別養護老人ホーム、刑務所(高齢受刑者への健康運動指導)などで働いています。作業療法は、身体、精神、発達、高齢期の障害や、環境への不適応により、日々の作業(生活行為)に困難が生じてい…
6月になりました。緊急事態宣言も解除され、徐々に人々が街にでかけるようになりました。とはいえ、いつ第2波がくるかわかりません。以前のような集合研修を安心して開催できる状況ではありません。 それでも苦しむ人の力になりたい人のために学びの機会を提供していきたいとの思いは、以前にもまして強くなっています。オンラインという制限はありますが、小人数にファシリテーターを配置することで、質の高いオンライン研修ができないかと考えています。 そこで、6月…
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