運命を感じたELCとの出会い 私が小澤先生に出会ったのは、2017年10月に開催された「在宅緩和ケア講演会」の時でした。恵まれたことに、ロールプレイの患者役のご指名を受け、小澤先生のケアを最も近い場所で学びました。当時の上司と一緒に涙を流しながら講演を聞いたことを、鮮明に記憶しています。 日々の忙しさに疲れ、看護師として何も出来ていなかった無力感を抱えている中で、こころが放たれ光が見えた瞬間でした。私は、その光が何かを知りたくて、5ヶ月…
コラム142:「こころの声に耳を傾け、思いに寄り添うためには…」 ~そばにあり続ける看護~
私は現在、神奈川県にある厚生連伊勢原協同病院の緩和ケア病棟の看護師として、勤務しています。緩和ケア病棟で出逢う患者さんや家族は、一期一会の出逢いであり、その時を大切に関わっているつもりでも、旅立たれた後に、自分の関わりが良かったのか、患者さんの苦痛に向き合えることが出来たのかと考えることがあります。また、患者さんから「もう、終わりにしたい」その言葉からは計り知れないほどの苦痛を、抱えており、患者さんのそばにただいることしか出来ない自分の…
私は都内の総合病院の総合診療科で勤務しています。救急診療や訪問診療も含めて、実に多様な症例を経験しますが、良くなる患者さんばかりではありません。また病気が良くなったとしても、今後の生活や、人生について不安を話してくださる方にたくさん出会います。 病気のことを考えて、患者さんの生活のことを考えて、それでも解決しないモヤモヤを抱えながら、自分としてもどうして良いか分からず、また次々と運ばれてくる患者さんの対応で現場は疲れてしまう。 そのよう…
コラム124:自信をもって寄り添える支援者になるために ~「苦しみをわかってくれた人」と思ってもらえた方から教えてもらったこと~
講座受講の経緯 私は、がんの闘病で苦しんでいる患者さんと関わった時の無力感から、専門的に緩和ケアを実践したいという気持ちで、緩和ケア認定看護師になりました。今は古民家をリノベー ションした在宅ホスピスで働いています。 これまでに多くのがん患者さんと関わらせていただきましたが、自分の関わりとしての核となるものがはっきりしておらず、正解はないとしても、答え合わせができない状況でもあり、自分の関わりはよかったのだろうかと思い出されるようになり…
コラム123:「ねぇ?私これからどうなるんやろ・・・」長年の悩みに私なりの答えが見つかった・・・
高校卒業して、病院に勤めながら、昼から看護学校への生活を5年間行い、ようやく看護師免許をもらえた私はこれからの看護人生を謳歌する予定でした・・・。急性期、終末期病棟を経験し、看護ケアには自信が出てきた頃、結婚し、のちの自分の「私の支えとなる」子供も生まれ、予定通りのレールをルンルンと進んでいった矢先、一つ目の置石につまずきました。離婚し、夜勤が出来なくなった私は、「夜勤がないなら・・」と訪問看護ステーションに異動しました。在宅は初めてだ…
コラム117:お互いに「ここにいていいんだ」と穏やかになれる看護師を目指して
私は、今年度から看護師人生が始まりました。病棟看護師として勤務しています。 エンドオブライフ・ケア協会の 援助者養成基礎講座 に参加したきっかけは、私はもともと「自尊感情」や「いのち」、「死」などにとても興味があり、偶然にも通っていた奈良県立医科大学での小澤先生の特別講演を拝聴し、「もっと詳しく知りたい」と思ったからです。 このコラムでは、講座を受講してからの私のこころの移り変わりと、講座受講後に臨床現場を振り返り、感じたことをお話した…
「応え、答え」の壁 「家に帰りたい、胃ろうにしたら帰れると先生に言われた。どうしたらいい?」 2015年、神経性の難病を患い、自宅で療養していた父が救急搬送され、まだ言葉を話せていた時の会話です。 何か言わなきゃ、答えなきゃ、励まさないと、どう答えたらいいの?当時の私の頭は面会に行くたびに混乱しました。 結局父は家に帰ることがかなわず、転院先で亡くなりました。今でもその時の無力感、後悔の思いは強く残っています。 「こんな体になっちゃって…
ELC、いのちの授業との遭遇 大学1年の5月、サークルのイベントの一環で『折れない心を育てる いのちの授業』と出会いました。そして、長野宏昭先生との出会いもこのときでした。いのちの授業では、3つのレッスン「苦しみから支えに気づく」「苦しむ人を前にしてわたしにできること」「自分を認め大切にする」に沿いながら、困難や苦しみに直面してもそれらに向き合い、また周囲で苦しみにも恐れず関わっていく方法を考えていきます。支えに気づき、自分を認め、解決…
「あなたより小さな子供でお母さんがいない人もいるんだから、あなたはここまで育ててもらえて恵まれているでしょ」 母が亡くなった19歳当時に言われた言葉。 「子供なんていたら大変なこともいっぱいあるのよ。むしろ羨ましい」 「人は結局ひとりなんだからみんな同じよ」 “あなたたち夫婦には100%子供ができません“と告げられ、自分の生まれてきた意味がわからなくなり、スピリチュアルペインに喘いでいた頃、思い切って“辛い“と言葉に出した時に何度も言わ…
結ぶに夏と書いてゆか。名前の通り夏生まれのかに座です。2006年秋に乳がん告知を受け、かに座キャンサーが文字どおりキャンサーがんになったわけです。 そんな折、小澤先生のご講演を拝聴、『苦しみの中でも幸せは見つかる』との出会いがありました。が、当時の私には、苦しみの中に幸せを見つけることは容易ではありませんでした。 がん友さんの旅立ちをきっかけに、2011年6月~カドベヤ(現在はピアサポートよこはまと名称を変更)でのピアサポート活動に参加…
私は介護職(施設介護・訪問介護・居宅介護)3年目です。私がエンドオブライフ・ケア協会に出会ったのは、主に施設で利用者様と関わることについて自分の中でモヤモヤしていた、ちょうどそんな時期でした。 「はやくお迎えが来て欲しい」「はやく死にたい」そう話される利用者様が時々いらっしゃいます。身体はあちこち痛むし、思うように動けない。お風呂もお手洗いも1人で行けない、なさけない。コロナ禍もあり外出することも、ご家族様と面会することもできませんでし…
コラム94:医師として治せなくても「わかってくれる人」に、私はなりたい
出会い 14年ほど前、松山市医師会主催の講演会でのことです。医師として私の人生に大きな変化が訪れました。当時の私は、大学病院から父の診療所に帰り、在宅医療を始めたばかりでした。在宅緩和ケアをしたくて地域医療を選んだのに、自分が役に立てているのか不安でいっぱいでした。 何が不安なのか?目の前で苦しむ患者さんが吐き出す言葉に、答えがみつからないのです。 「なんで、自分がこんな病気になったのか?」 「もっと治療したかったのに、主治医にここを紹…
コラム93:スクールカウンセラーとして、わかってくれる人になりたい
1冊の本との出会い 私は心理職、主にスクールカウンセラーをしています。保育園から小・中・高校まで様々な学校へ行きます。ある日、学校の図書室で、ふと目にとまったのが『折れない心を育てるいのちの授業』の本でした。 友人との話し方がわからない、勉強が全く理解できない、家族と仲良くしたいのに仲良くできない、自分の居場所が見つからない、家族の経済事情、性虐待、など悩みを持っている人はたくさんいます。リストカットなどの自傷行為や、大量にお薬を飲んで…
私は内科医ですが、現在、母校の医学教育に関係する部署に勤めています。どういう仕事をしているのか、よく質問されます。医学科のカリキュラムの構築や医学科4-6年生が参加する臨床実習に関する教育に携わり、各診療科や学外病院・実習生とのコーディネートを行っています。 昨年4月、同級生から沖縄県立中部病院呼吸器内科の長野宏昭先生をご紹介いただき、その後、ELC沖縄主催定期学習会に参加させてもらい、エンドオブライフ・ケア協会の存在を初めて知りました…
私は昔から自分のことがあまり好きではありませんでした。 走るのも遅く、勉強も苦手。恵まれた家庭に生まれ、たくさんの愛情を受けて育ったにも関わらず、自分で自分のことを認めることができませんでした。 周りには常に優秀な人がいて、いつも羨ましく思っていました。「すごいお医者さんにはなれないだろうけど、優しいお医者さんを目指したい」そんなネガティブにもとれる想いで医師を目指しました。 出来は悪かったけど、たくさんの支えのおかげでなんとか医師にな…
2月頃から続いていたコロナ騒動も、さすがに4ヶ月も経つと、新しい日常に変わりつつあります。この数年、毎週末は各地方で人材育成活動をしてきましたが、2月からは自粛しなくてはいけませんでした。 しかし、立ち止まるわけにはいきません。今まで以上に、それぞれの地域で苦しむ人は増えています。この3ヶ月で地域経済は壊滅的な打撃を受けました。地域医療においても外来受診も自粛され、経済的医療崩壊の危機も叫ばれています。 今回の災害の特徴は、すべての人が…
今から20年前に書いたコラムを紹介します。前任のホスピス病棟で出会った患者さんから学んだことです。 「医療は治すことが目的でしょう。だから治すことができない患者は、医療の対象ではないと思うのです。あきらめるしかないのでしょうね。」 鍛冶屋の職人として生きてきたその人は、本当の病名を告げられたとき、そのように感じたと話していました。やがて、ホスピスを紹介され、相談外来を受診後、しばらくしてホスピスに入院することになりました。そして、入院生…
6月になりました。緊急事態宣言も解除され、徐々に人々が街にでかけるようになりました。とはいえ、いつ第2波がくるかわかりません。以前のような集合研修を安心して開催できる状況ではありません。 それでも苦しむ人の力になりたい人のために学びの機会を提供していきたいとの思いは、以前にもまして強くなっています。オンラインという制限はありますが、小人数にファシリテーターを配置することで、質の高いオンライン研修ができないかと考えています。 そこで、6月…
どんなに泣いても、時間は過去に戻りません。 どれほどお金を出しても、一度失った人は返ってきません。 いつも大きな苦しみや悲しみを抱えた人と関わり続けて来ました。その中でのこだわりは、従来の固定観念を壊すことでした。 私たちは、苦しみから避けるように生きています。なるべく苦しい道を避け、平易な道を選ぶことは、多くの人が考える事です。平時であれば、平易な道を選ぶことは難しくありません。 しかし、いったん有事となれば、状況は一変します。どれほ…
<固定観念を打ち壊そう!コロナ危機の中でも、人は笑顔になれる>
新型コロナウイルス感染拡大は、私たちの社会を一変しました。医療のみならず経済にも大きく影響を与えています。苦しむのは、新型コロナウイルスに感染した人だけではありません。あたりまえの生活を奪われた多くの人達が苦しんでいます。コロナ危機の中で、人は果たして笑顔になれるのでしょうか? 心が折れそうになっても最後まで読んでみてください。 #コロナ4Cチャレンジ コロナ危機をみんなで乗り越えよう コロナ危機の中でも、人は笑顔になれる 私は、そんな…
新型コロナウイルス感染拡大は、社会で暮らす多くの人に暗い影を落としています。外出を自粛することによる体力低下だけではなく、心の面でも不安定となり、眠れない、食欲が出ない、疲れやすいなどの症状を自覚する人が増えていくことを案じます。そして、苦しみのあまり、誰かを批判したり、自らを傷つけようとしたりする人が増えてくるからです。 いのちを守るために医療崩壊を防ぐことは大切です。感染拡大を防ぐため、人との接触を減らす動きは、これからさらに数ヶ月…
ゴールデンウィークによる人の移動を抑制し、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために、政府は緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大しました。すでにこの1ヶ月近く自粛を強いられてきた人達は、終わりが見えない今の状況を憂えてどんな気持ちになるのでしょうか。 いったいいつまで続くのだろう 毎年楽しみにしていたGWの家族旅行に行けない 仕事にも行けない 勉強もしたくない もう何もしたくない かなわぬ思いが続くと、できないことがあっても気にしないようにし…
新型コロナウイルスは、私たちの日常を一変しました。今までのあたりまえの生活が、あたりまえではなくなりました。映画を観ることも、友達と会うことも、集まって学ぶことすら許されない非日常です。春から仕事に就く予定であった学生が、内定取り消しの一報をうけて途方に暮れる人もいます。 では、ここで1つの問いをだします。この中で、果たして誰が一番苦しいのでしょうか? 1.内定取り消しの学生 2.オリンピック開催の準備をしてきた人 3.大好きなグループ…
新型コロナウイルス感染を防ぎ、クラスター予防のため、週末の外出が自粛することが求められています。自由に集まり、誰かと会うことができなくなりました。楽しみにしていた映画にも行けず、好きな人とお気に入りのレストランで食事をすることも自粛しないといけません。まるで会うことを禁じられたロミオとジュリエット。 その一方で、今しかできないこともあります。一生で一回しかない孫の卒園式、限られたいのちを生きている人との時間、たぶん、来年は観ることのでき…
オリンピック・パラリンピックが正式に延期となりました。あれだけ7月に予定通り開催しますと断言していた人が、手のひらを返すように延期を決める様子は、政治家とは感情を表にしてはいけない、絶対に自分にはできない仕事だと感じました。 東京の新型コロナ感染が拡大しています。熱がなくても保菌状態となります。自分が知らない間に、他の誰かに伝染しているのかもしれません。逆に、知らない間に、他の誰かから頂くこともあるかもしれません。いつオーバーシュートし…
新型コロナウイルス感染の拡大が指数関数的に増えています。イタリアでは、オーバーシュートしたため医療崩壊となり、連日500-800人が亡くなっています。これはまさに有事です。いよいよオリンピックも延期の話が本格的になってきました。このままでは企業倒産もかなり覚悟しないといけないのではと、深く憂慮しています。 もし日本がオーバーシュートしたら、外出禁止となるでしょう。すると、本当に経済活動がとまります。まるで息をするなと言われているみたいで…
新型コロナウイルス感染のため、イベントを自粛する動きが広がりました。しかし、何年もかけて準備をしてきたイベントをわずかの間で中止を決めるのは、とても勇気のいることです。 今まで広告にかなりのお金をかけてきたこと、いろいろな人の協力をお願いし、イベントを楽しみにしている人が相当数いることがわかっています。イベントを行えば、投資したお金を回収し、これからの活動費をまかなえることもわかっています。 もし、イベントを中止すれば、多額の負債を抱え…
新型コロナウイルス感染は、いよいよ全世界に広がりをみせ、現場は混乱しています。外出禁止令が発令され、自由に集まることができません。人の往来が自由にできなくなりました。今まであたりまえであった風景が一変し、まさに非日常に世界であり、これは有事です。 そのような中、今できることは何かと問いながら、いくつかまとまって原稿を書いています。(山にはこもっていませんが…)しばらく投稿を控えておりましたが、ちょっとだけ近況報告です。 一般的ですが、苦…
不条理な今を生きていくこと その10:たとえあなたが人生に絶望しても、人生はあなたに絶望していない
新型コロナウイルス感染の影響は甚大です。その思いを一言で言えば“不条理”です。 この不条理な社会をあなたはどう生きますか? 誰かを批判しても不条理な現実を変えることはできません。 因果応報という言葉があります。過去や前世の行いに応じて現在の状況が生ずることを意味する言葉です。しかし、良い行いをしていた人が、よくない負の出来事で苦しむことがあります。今まで真面目に仕事をしてきた人が、突然の新型コロナウイルス感染の影響から、大きな負債を抱え…
不条理な今を生きていくこと その7:不条理な苦しみを抱えた人と関わり続ける
北海道知事は、2月28日に新型コロナウイルスの感染対策として、道民に「緊急事態宣言」を出しました。安倍総理も2月29日に国民に向けて、緊急記者会見を行い、「率直に申し上げて、政府の力だけでこの闘いに勝利を収めることはできません。最終的な終息に向けては、医療機関、御家庭、企業、自治体を始め、一人ひとりの国民の皆さんの御理解と御協力が欠かせません」と発表されました。これは有事です。 アルベール・カミュの小説「ペスト」から、不条理な今を生きる…
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