母が認知症と診断されたのは九年前のことでした。昭和一桁生まれの母は「迷惑をかけたくない」「自分のことは自分でする」と支援を拒み、一人暮らしを続けました。その姿はわがままではなく、母が長く大切にしてきた生き方が認知症によって揺らいでいく痛みの表れなのだと感じていました。だからこそ、母の思いを尊重したい気持ちと、増えていく困りごとの間で家族は揺れ続けました。 ケアマネジャーから「何かあれば相談を」と言われても、その“何か”がわかりませんでし…
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