苦しいとき、人は何を思うのでしょうか? なぜ私がこんな苦しみを? どうしてこの時期に? 自分の足下だけをじっとみて、動けなくなる人は少なくありません。 中には、苦しさのあまり、誰かを批判する人もいます。 この苦しみは、誰かが原因である この悲しみは、適切な対応ができなかったからである。 確かに改善すべきことは、振り返ってみればあるのかもしれません。その経験は次に必ず活かしていく必要があります。そして、きちんと記録として残す必要もあります…
日に日に新型コロナウイルス感染は広がっています。家にとどまり、外出を控え、感染拡大の速度を少しでも低くなるような配慮が必要です。その一方で、自由は奪われ、閉塞感は強まり、苦しんでいる人は増えていきます。 できることならば、集まって、わいわいと食べたり飲んだりしたいとこですが、その思いはぐっとこらえないといけない時代です。自分だけではなく、多くの人のいのちに関わるからです。 それでも、この閉塞感を何とかしたいと思います。一人で塞ぎ込まずに…
新型コロナウイルスは、私たちの日常を一変しました。今までのあたりまえの生活が、あたりまえではなくなりました。映画を観ることも、友達と会うことも、集まって学ぶことすら許されない非日常です。春から仕事に就く予定であった学生が、内定取り消しの一報をうけて途方に暮れる人もいます。 では、ここで1つの問いをだします。この中で、果たして誰が一番苦しいのでしょうか? 1.内定取り消しの学生 2.オリンピック開催の準備をしてきた人 3.大好きなグループ…
不条理な今を生きていくこと その7:不条理な苦しみを抱えた人と関わり続ける
北海道知事は、2月28日に新型コロナウイルスの感染対策として、道民に「緊急事態宣言」を出しました。安倍総理も2月29日に国民に向けて、緊急記者会見を行い、「率直に申し上げて、政府の力だけでこの闘いに勝利を収めることはできません。最終的な終息に向けては、医療機関、御家庭、企業、自治体を始め、一人ひとりの国民の皆さんの御理解と御協力が欠かせません」と発表されました。これは有事です。 アルベール・カミュの小説「ペスト」から、不条理な今を生きる…
コラム63:苦しみの中から支えに気づく文化 皆が穏やかに暮らせる世の中を作るために (1)
コラム63:苦しみの中から支えに気づく文化 皆が穏やかに暮らせる世の中を作るために(1) 沖縄県立中部病院 呼吸器内科/地域ケア科 長野宏昭さま (第1回ELCin沖縄受講生、認定エンドオブライフ・ケア援助士、認定ELCファシリテーター) ・患者さんとの関わりのなかで学んだ、援助を言葉にすることの大切さ 私は学生の頃、勉強も運動もできない、何の取り柄もない内気な男子でした。医師になりたいという夢だけはあきらめきれず、浪人して悪夢のような…
医療・介護の専門職でもなく「看取り」に関わった経験もない自分が、今日こうしてエンドオブライフ・ケア協会の会員様向けコラムを書かせていただいていることに、いささかの戸惑いと人生の不思議さを覚えます。 私の職業は、ビジネス分野が専門のフリーランス・ジャーナリストです。千葉の自宅をオフィス代わりに働きつつ、中学1年生の一人息子の子育てと、8年前にアルツハイマー型の認知症と診断された母親の遠距離介護をしています。 家事と子育ては妻との分担ですが…
コラム50:母乳育児支援の立場から見る「5つの課題」の普遍性 〜「始まりと終わり」の共通点〜
多摩ガーデンクリニック 小児科、田村クリニック在宅診療部 内科 医師 高橋有紀子さま (ELC第45回生、認定エンドオブライフ・ケア援助士、認定ELCファシリテーター) 当方はもともと小児科医です。ここ数年高齢者の在宅医療にも従事しています。今年2月に偶然小澤先生を囲む少人数の勉強会を知り参加したことから、自分の人生に新しい大きなベクトルが増えました。お話を伺って最初に感じたのは、「この支援と母乳育児支援の根っこは同じだ!」ということで…
コラム49:施設での看取り~n.r氏との関わりを通して私たちが学んだこと、成長したこと~
自己紹介 私は特別養護老人ホームで看護師をしています。入所者150人を抱える大所帯です。ここ数年の間に、住み慣れたところで最期を迎えたいと、施設での看取りを希望される方が増えました。以前は調子が悪くなったら病院へという流れだったはずが、いつの間にか年間20人ほど施設でお見送りするようになっています。 これまで看取りに慣れていなかったスタッフは戸惑います。「自然なかたちで」と言われても、臨床が長かった看護師(私も含め)は何もしないことに負…
コラム48:末期心不全患者へのエンドオブライフ・ケア~援助的コミュニケーションを実践し見えたこと~
【はじめに】 私は、循環器専門病院で外来看護師として多くの心不全患者へ看護を提供しています。再入院を繰り返す心不全、発症から5年も経てば、ついこの前まで歩いて外来に来ていた患者が次々に亡くなられるという時間を過ごしていました。何かできることはないかと心不全患者の語りに耳を傾け始めた頃、お一人の心不全患者Aさんに出会いました。 【Aさんとの時間】 80代男性。腹筋を日課とする大柄の元気な方でした。重症大動脈弁狭窄症にて心不全を発症し緊急入…
生命保険 外交員 池田静子さま (ELC第44回生) 私は生命保険の外交の仕事をしています。 生命保険は皆さんがご存知のように、万が一の時には残された家族へ思いを届ける死亡保障。 病気になったときに安心して治療が受けられるように医療保障。 介護認定を受けたら介護保険が受け取れ、余命半年と言われたら死亡保障を受け取る事ができ治療に役立てられるリビングニーズや高度障害などがあります。 私はお客様が病気になった時、給付のお手続きで、ご本人やご…
公益財団法人 東京都医学総合研究所 心の健康プロジェクト 主席研究員 中西 三春さま ◆認知症と共に生きる人のための緩和ケア 私は東京都関連施設の研究員として、東京都の委託を受けて認知症ケアプログラムの開発に従事しているほか、海外研究者との共同体制で認知症と共に生きる人のための緩和ケア(認知症緩和ケア)のあり方を研究しています。 緩和ケアにおいては痛みがないこと、快適さを最大限に高めることがケアの重要な目標とされています。しかしご本人が…
コラム38:ディグニティセラピーと「千」の語り 千葉県がんセンター 緩和医療科部長 坂下美彦さま (ELC第19回生 ELC東京代表 認定エンドオブライフ・ケア援助士、認定ELCファシリテーター) エンドオブライフ・ケア協会のディグニティセラピーワークショップに参加し、患者さんにディグニティセラピーをさせていただくようになった。患者さんの語りを聴かせていただき、感じたことを書かせていただく。 ディグニティセラピーでは患者さんが人生におい…
コラム32:仲間に支えられ、今がある ホームケアクリニックえん(訪問リハビリテーションえん) 作業療法士 杉田賢二さま(ELC第12回生、 認定エンドオブライフ・ケア援助士 ) 岩手県県央部に位置する北上市は、人口約93,000人から成る県内5番目の市です。今年も含め「住みよさランキング」8年連続県内1位という評価をいただいている市で、桜の名所「展勝地」や郷土芸能「鬼剣舞」は観光名物になっています。 住みよい街と評価される当市でも、高 …
私は、もうすぐ61歳になる脳性マヒの障害者です。8ヶ月の早産で生まれ、片手に乗るぐらいの身体の小ささで人生をスタートさせました。未熟児だったために脳性マヒになったようです。 幼少期から訓練を積んできたのですが、20歳になっても歩く事は出来ませんでした。それでも、電動車いすを手にしてからは、1人でどこへでも行けるようになり、障害者運動に参加しながらも、障害者歯科の歯科コーディネーターとして10年ほど働きました。その間に結婚して3人の子供が…
コラム29:あなたの支えになりたくて・・・ 社会福祉法人 日本医療伝道会 湘南国際村クリニック 事務長補佐 古川 英孝さま (ELC 第10 回生、認定エンドオブライフ・ケア援助士、認定ELCファシリテーター) ●今日が人生最後の日だと思って 人生の最終段階にあって、答えることのできない苦しみを抱えている人に医療・介護の専門職だけではなく、家族や民生委員、ボランティアなど関わる全ての人がみんなで支えることが出来るようにとの想いで設立され…
コラム28:支えること、支えられること 医療社団法人 大坪会 三軒茶屋第一病院薬剤科 薬局長 平島 明希枝さま(ELC第26回生) 私は大学卒業後、小澤先生の母校である東京慈恵会医科大学附属病院に入職し、結婚を機に退職、調剤薬局を経験し現職に至っています。 29歳の時、第一子の娘を亡くしています。勤務していた慈恵のICUで亡くなりました。 その当時、病棟に薬剤師は出ておらず、外来調剤担当だった私にとって病院は「回復」する「希望」の場所で…
コラム26: 〜「コメ」だの「トラ」だの「アント」だの〜 医療法人あおぞら胃腸科 医師 笠原 健太郎さま (ELC第5回生、認定エンドオブライフ・ケア援助士、認定ELCファシリテーター) ...恥の多い生涯を送ってきました。 「人間失格」第一の手記の冒頭の台詞です。 短めの小説で一気にいけるので、これまで何回か読みましたがその都度、受ける印象が違います。読むごとに面白さを増すのは、色々と私なりに人生経験を積んだということかもしれません、…
コラム25:私が感じたそれぞれの立場からの支え 株式会社共和コーポレーション 在宅推進部マネージャー 入江高志さま(ELC第3回生・第23回生) 私は医療関連企業の訪問看護事業部のマネージメントをしています。 当訪問看護ステーションは大阪市福島区を拠点に東淀川区にサテライトを展開しています。福島区は人口約7万人のまちで、高層ビル・マンションが立ち並ぶ大阪市の中心部とも言われており、若者やファミリー層が多く転居してきています。その一方、戦…
コラム24: どんな状況でも逃げずに傍にいる、ということ ホームケアクリニックえん 緩和ケア認定看護師 高橋 美保さま (JSP第3期生、認定エンドオブライフ・ケア援助士、認定ELCファシリテーター) 当クリニックは東北の雪国、人口7万程の工業・農業の町にあります。春には1万本の桜が見事な「 北上展勝地 」があり、市民の方々はもちろん療養されている方々も春を楽しみにしています。 高校の時に出会った本に影響され、地域で療養し生活する人の傍…
コラム23: ELC近畿のなりたち~支え合い、高め合える地域を目指して~
コラム23: ELC 近畿のなりたち~支え合い、高め合える地域を目指して~ ELC近畿研究会 文責:(医)拓海会 大阪北ホームケアクリニック院長 白山宏人さま (JSP第3期生、認定エンドオブライフ・ケア援助士、 認定エンドオブライフ・ケア援助士、認定 ELC ファシリテーター ) 私は大阪で在宅医療に従事しております医師です。私自身はこの養成講座の前身であるJSP(人生の最終段階に関わる人材育成プロジェクト)の3期生(平成27年度受講…
コラム22: 地域における訪問看護の役割 「苦しんでいる人は自分の苦しみをわかってくれる人がいるとうれしい」を地域の共通語に
コラム22:「地域における訪問看護の役割 「苦しんでいる人は自分の苦しみをわかってくれる人がいるとうれしい」を地域の共通語に」 公立岩瀬病院訪問看護ステーション 管理者 結城 光さま(ELC7回生、 認定エンドオブライフ・ケア援助士、認定 ELC ファシリテーター ) 私は、福島県須賀川市にある公立岩瀬病院訪問看護ステーションに、平成23年から勤務しています。当事業所には、訪問看護、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所が併設されてい…
コラム17:目を逸らさずに最期の時まで寄り添い「施設でも」にこだわる特養でありたい
社会福祉法人 宏恵会 特別養護老人ホームリーフ鶴ヶ谷 介護福祉士 荒井裕江さま(ELC7回生、認定エンドオブライフ・ケア援助士) 私は仙台市宮城野区にて特別養護老人ホームリーフ鶴ヶ谷で介護福祉士として平成24年より勤務しております。以前はデイサービス勤務であった為初めての施設勤務。教えて頂いた事を日々、無我夢中で業務に取り組んでいました。特養では、いずれは居宅へと帰る事が目標となっていますが、ほぼ9割以上の方は最期まで施設で過ごされてい…
私は横浜市にある地域包括支援センターで主任介護支援専門員をしています。基礎資格は社会福祉士でもあり、大きな枠組だと自分のことをソーシャルワーカーだと思っています。仕事の内容は、直接要支援の方の担当はすることがありますが、大半は間接的支援が占めています。具体的に一番多いのがケアマネジャーの方の相談相手で、電話はもちろんのこと、自転車同士ですれ違った時など、街の様々な場所が相談室となっています。そのような中でも今回はケアマネジャー支援として…
コラム7:「穏やかに、朗らかに、和やかに、」~“ドゥシ(同志)”とともに~
コラム7:「穏やかに、朗らかに、和やかに、」~“ドゥシ(同志)”とともに~ 医療法人ネリヤ ファミリークリニックネリヤ 院長 徳田 英弘さま(JSP2期生、 認定エンドオブライフ・ケア援助士、 認定ELC ファシリテーター ) エンドオブライフ・ケア協会 会員のみなさま、あけましておめでとうございます。 私のふるさと、そして仕事場でもあるのは、鹿児島県奄美大島です。奄美大島は、鹿児島市から約350km南にあり、人口は約7万人ですが、東京…
コラム4:支える私たちが「支え」から学んだこと 西国領歯科医院 歯科医師 西国領 俊子さま( JSP 第 3 期生、認定エンドオブライフ・ケア援助士) 私は志布志町という鹿児島県大隅半島にある小さな町で、主人と一緒に開業している、歯科医師です。 え?「歯医者」なの?「歯医者」って看取りの現場とは直接関係ないんじゃないの?と思われる方も多いと思います。実際、私も看取りの現場と自分たちの職種は遠いものと思っていましたし、お亡くなりになった後…
コラム3:苦しむ人と逃げないで向き合う援助者をめざして~仲間とともに未来を育む~
コラム3:苦しむ人と逃げないで向き合う援助者をめざして ~仲間とともに未来を育む~ 四条畷看護専門学校 教員 久保田千代美さま (JSP第2期生、認定エンドオブライフ・ケア援助士、認定ELCファシリテーター) 私は看護学校の教員です。その前の5年間は、訪問看護をしていました。大好きな場所で穏やかに日常生活を過ごされる療養者さんと、やがて必ずくる別れの時までを 共に喜び、悲しみ、苦しみ、パートナーとして一緒に生きてきた ように思います。そ…
© End-of-Life Care Association of Japan