今ある困難を認めた上で、最善を尽くす
新型コロナウイルス感染のため、イベントを自粛する動きが広がりました。しかし、何年もかけて準備をしてきたイベントをわずかの間で中止を決めるのは、とても勇気のいることです。 今まで広告にかなりのお金をかけてきたこと、いろいろな人の協力をお願いし、イベントを楽しみにしている人が相当数い…
時間は過去に戻らない
新型コロナウイルス感染は、いよいよ全世界に広がりをみせ、現場は混乱しています。外出禁止令が発令され、自由に集まることができません。人の往来が自由にできなくなりました。今まであたりまえであった風景が一変し、まさに非日常に世界であり、これは有事です。 そのような中、今できることは何か…
コラム65:「折れない心を育てる いのちの授業」の源流から
コラム65:「折れない心を育てる いのちの授業」の源流から 浄土真宗本願寺派 走井山善西寺 住職 矢田俊量さま (ELC第6回生) ここは三重県のとある小学校。創立百二十周年記念の講演会。会場の体育館には、幼稚園児、小学生児童、教職員、保護者があつまり、熱心に講演に聞き入…
不条理な今を生きていくこと その10:たとえあなたが人生に絶望しても、人生はあなたに絶望していない
新型コロナウイルス感染の影響は甚大です。その思いを一言で言えば“不条理”です。 この不条理な社会をあなたはどう生きますか? 誰かを批判しても不条理な現実を変えることはできません。 因果応報という言葉があります。過去や前世の行いに応じて現在の状況が生ずることを意味する言…
不条理な今を生きていくこと その9:苦しんでいる人は自分の苦しみをわかってくれる人がいるとうれしい
本来であれば春が近づき、桜の開花がいつになるのか話題になるこの時期ですが、今年は新型コロナウイルス感染のニュースで、先行きが見えない状態となりました。まさにVUCAな時代そのものです。 不条理な世の中にあって、いろいろなことを決めていく難しさ、特に決断する人は、その責任を負うこと…
不条理な今を生きていくこと その8:意思決定とジレンマと後悔
先週から重たいテーマを取り上げてきましたので、今日は、少し話題をかえて、意思決定とジレンマと後悔を紹介します。人生は選択の連続です。中学や高校の時にはどの部活動に所属するのか、しないのかを決める選択があります。サッカー部と陸上部のどちらにしようか悩む人もいるでしょう。もちろん帰宅部に所属?する人も…
不条理な今を生きていくこと その7:不条理な苦しみを抱えた人と関わり続ける
北海道知事は、2月28日に新型コロナウイルスの感染対策として、道民に「緊急事態宣言」を出しました。安倍総理も2月29日に国民に向けて、緊急記者会見を行い、「率直に申し上げて、政府の力だけでこの闘いに勝利を収めることはできません。最終的な終息に向けては、医療機関、御家庭、企業、自治体を始め、一人ひと…
不条理な今を生きていくこと その6:なぜ人は大切な誰かと会えなくなると悲しくなるの?
突然の休校の指示により、多くの学校では春休みが前倒しになりました。卒業を迎える学年では、準備もなくクラスの友達とお別れをすることになります。また多くの介護施設では、新型コロナウイルス感染予防の観点から、面会ができなくなりました。毎週のように面会に来ていた家族にとって、会えなくなることは、生活の一部…
不条理な今を生きていくこと その5:なぜ人を殺してはいけないのですか?と聞かれたら…どうしますか
あたりまえのことですが、人は自由に物事を選ぶことができます。みんなで集まっておいしい物を食べたり飲み明かしたりしたい、大好きなグループが参加するコンサートに行きたい、楽しみにしていた映画を見に行きたい、学びたかった研修会に行きたい。ところが、本人の希望に反して、これらの自由が一方的に奪われると、き…
不条理な今を生きていくこと その4:奪われた自由
新型コロナウイルスの拡散を抑制するため、ついに学校が全国で一斉に休校となりました。クラスターという言葉も出てきました。小さいお子さんがいる家庭では、仕事にいけないと感じている人もいることでしょう。これは有事です。多くの国民のいのちに関わる事件です。トップは、批判をされたとしても決断をしていかなくて…
不条理な今を生きていくこと その3:追放
イベントやコンサート中止が現実のものとなり、いよいよ不条理な思いは広まってきました。なぜ、楽しみにしていたコンサートが中止になるのだろう。どうして、来年ではなく今なのだろう。やるせない思いから、誰かに怒りをぶつけることがあります。 アルベール・カミュの小説「ペスト」から、不条理な…
不条理な今を生きていくこと その2:不条理を認めたくない思い
新型コロナウイルスのため、さまざまな行事が中止となり、経済がさらに停滞していこうとしています。先行きが見えない不透明な思いを抱えながら、この不条理な思いとどのように向き合うのか、アルベール・カミュの小説「ペスト」を読みなおしています。 一般的ですが、私たちは不条理な苦しみを認めよ…
不条理な今を生きていくこと その1
新型コロナウイルスの影響は甚大です。医療機関への負担増大だけではなく、イベント中止に伴う人物金の停滞、インバウンドへの悪影響など、社会への影響は東日本大震災に匹敵するのではないかと案じています。その思いを一言で言えば“不条理”です。 何年もかけて準備していたイベントを中止しなくて…
不条理な今を生きていくこと:はじめに
2020年2月、たった直径200ナノメートル(10億分の1メートル)程度の小さなウイルスが、社会にきわめて甚大な被害を与える、世界的事件がおきました。新型コロナウイルス感染です。この小さなウイルスにより、それまであたりまえであった日常が一変します。あたりまえに集まって楽しむことができなくなりました…
コラム64:苦しみの中から支えに気づく文化 皆が穏やかに暮らせる世の中を作るために (2)
コラム64:苦しみの中から支えに気づく文化 皆が穏やかに暮らせる世の中を作るために(2) 沖縄県立中部病院 呼吸器内科/地域ケア科 長野宏昭さま (第1回ELCin沖縄受講生、認定エンドオブライフ・ケア援助士、認定ELCファシリテーター) ※前半はこちらからお読みください…
コラム63:苦しみの中から支えに気づく文化 皆が穏やかに暮らせる世の中を作るために (1)
コラム63:苦しみの中から支えに気づく文化 皆が穏やかに暮らせる世の中を作るために(1) 沖縄県立中部病院 呼吸器内科/地域ケア科 長野宏昭さま (第1回ELCin沖縄受講生、認定エンドオブライフ・ケア援助士、認定ELCファシリテーター) ・患者さんとの関わりのなかで学んだ、援助を言葉にす…
コラム62:地域ケア会議で事例検討
コラム62:地域ケア会議で事例検討 橋北在宅介護支援センター 看護師 鈴木 裕美さま (ELC第14回生、認定エンドオブライフ・ケア援助士、認定ELCファシリテーター) 現在、四日市市内にある在宅介護支援センターに勤務しています。四日市市は人口31万人。私が勤務する橋北地区は、万古焼を産業…
コラム61:私の宝 ―『聴く』と『支え』
さがらパース通りクリニック 医師 小齊平 智久さま (ELC第39回生、認定エンドオブライフ・ケア援助士、認定ELCファシリテーター) 【私が医師になるまで】 私は生まれつき体の弱い子供でした。発熱が毎日のように続き、鹿児島大学病院で精密検査した結果、先天性心疾患(ファロー四…
コラム60:いのちの授業と私
訪問看護ステーションきりん 管理者 訪問看護師 中村マサ子さま (ELC第39回生、認定エンドオブライフ・ケア援助士、認定ELCファシリテーター) 現在高校三年生の娘は、中学時代、教室に入れなくなり、特別室で過ごしていました。「お母さん、教室に入ろうとしたら具合が悪くなって体が震えて、…
コラム59:もう見て見ぬふりはしない・もう眼をそむけない、全国に広めようELC連帯の輪!
日本のてっぺん最北端の街 稚内市 道北勤医協 宗谷医院 指定居宅介護支援事業所 社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士・主任介護支援専門員 石山武浩さま (ELC第53回生、認定エンドオブライフ・ケア援助士、認定ELCファシリテーター) 私は、いつも周りから「困っている…
コラム58:0歳も100歳も 誰一人孤立しない地域づくり
地域互助力向上ネットワーク 0-100(ぜろひゃく)地域の輪 代表 中島 直子さま 私は北海道生まれの父と九州生まれの母に生を受け神奈川県相模原市で生まれ育ちました。こもれびの森という森林が近くにあり、成人するまでの様々な思い出と共にその風景も思い出されます。両親の活動の関係で暮らしは赤ち…
コラム57:折れない心を育てるいのちの授業
エンドオブライフ・ケア協会 代表理事 小澤 竹俊 私は人前で話をすることが苦手でした。少なくとも中学や高校の時には、クラスで手を挙げて自分の意見を言うことも、あるいは、球技大会や文化祭の実行委員などで全校生徒を前に話をすることも、できる限り避けていました。そのような私が、気づくと人前で話をす…
コラム56:「自分なんかもういい!」なんて言わないで、しなやかに生きる力を
船橋市立習志野台第二小学校 スクールカウンセラー 小松良子さま(ELC第61回生) 我が家の庭のあちこちにビオラの花が咲いている。前年のタネが落ちて春に芽を出すが、もう5年繰り返されている。自分の場所に安堵したかのようにたくましくそれぞれの育ちをしています。「いのちの学習」を通して、子供達…
コラム55:生涯教育者として
このコラムは、ディグニティ・セラピーの一環として、ご本人が大切にしてきたこと・伝えたいことを口頭で伺い、ご本人の言葉を活かした形で記録・編集したものを、後日ご家族とともにご本人に確認していただいたものです。子どもたちをはじめとして、次の世代へ伝えるメッセージとして、ペンネームで掲載することをご承諾…
コラム54:自分のことを大事だと思えるように
「私って必要ないのかな。」 私がよく感じた思いです。幼少期から自信がない子だったような気がします。決して家族から愛されていなかったわけでも、友達がいなかったわけでもありません。自信がなくなるきっかけは引っ越しでした。 私が幼稚園年中の時、親が祖父母との同居を決めました。小さい…
コラム53:かかりつけ医から地域へ広げるエンドオブライフ・ケア
はじめに ELCとの出会い 子供へ認知症について伝えること いのちの授業への関わり 最後に 【はじめに】 父がこの地域、喜入で開業して54年という月日が経ちました。地域のかかりつけ医として武家屋敷跡を使って外来を始めた頃から在宅看取りを行っ…
コラム52:薬剤師が必要とされる専門職となるために
株式会社タイコー堂薬局本店 専務取締役 薬剤師 井上龍介さま (ELC第3回生、認定エンドオブライフ・ケア援助士、認定ELCファシリテーター) 2018年12月の医薬品医療機器制度部会にて、「患者にとって質の高い医療を、全国どこでも同様に、負担を少なく提供する」ことが法改正の検討項目とな…
コラム51:悩める介護家族がELCと出会って学んだこと
医療・介護の専門職でもなく「看取り」に関わった経験もない自分が、今日こうしてエンドオブライフ・ケア協会の会員様向けコラムを書かせていただいていることに、いささかの戸惑いと人生の不思議さを覚えます。 私の職業は、ビジネス分野が専門のフリーランス・ジャーナリストです。千葉の自…
コラム50:母乳育児支援の立場から見る「5つの課題」の普遍性 〜「始まりと終わり」の共通点〜
多摩ガーデンクリニック 小児科、田村クリニック在宅診療部 内科 医師 高橋有紀子さま (ELC第45回生、認定エンドオブライフ・ケア援助士、認定ELCファシリテーター) 当方はもともと小児科医です。ここ数年高齢者の在宅医療にも従事しています。今年2月に偶然小澤先生を囲む少人数の勉強会を…
コラム49:施設での看取り~n.r氏との関わりを通して私たちが学んだこと、成長したこと~
自己紹介 私は特別養護老人ホームで看護師をしています。入所者150人を抱える大所帯です。ここ数年の間に、住み慣れたところで最期を迎えたいと、施設での看取りを希望される方が増えました。以前は調子が悪くなったら病院へという流れだったはずが、いつの間にか年間20人ほど施設でお見送りするようになって…
© End-of-Life Care Association of Japan