コラム79:優しい言葉と違和感の理由
「大丈夫だよ」 乳がんが見つかったと告げた時の夫の第一声。 「ありがたい言葉…のはず。だけどなんで?何がどう大丈夫なのか教えてよ!って言いたい自分がいる。 でも…私のためを思って言ってくれている言葉だし。 こんなことを思う自分の方が間違ってるのかな?」 心の中で押し問答…
コラム78:家族介護者支援の視点の広がり:研修での気づきを実践へ
私は普段は居宅支援事業所でケアマネージャーとして、 在宅生活の支援をさせていただいております。 昨年、エンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座に、小グループでの演習のファシリテーターとして参加した際、事例検討のなかで参加者の方からいただいた気づきが、自身の現場での支援のあり方を省みるきっ…
コラム77:「OKプロジェクト」を共通言語に!!!
お恥ずかしいながら、当時小学2年生の娘と私は、本当に仲が悪かった。小さい時から、なぜかすぐにぶつかり合う。本当はとても愛おしい大切な存在なのに。 このぶつかり合いを何とかしたい、どうしたらいいんだろうと悩み、子育てが苦行にしか感じられない時もあった。 こんなことを思ってしまう私は、…
コラム76:目的ではなく手段としての国際協力を
今から22年前。僕は生まれた。 それから数年後、白血病になった。 もちろん、今の僕は一切の記憶がない。 小学生の時、母親から当時の様子を伝えられた。 「自分の人生をこれからどうやって使うのか」 12才の僕にこの命題が課せられた。 しかし、答えは明確だった。 …
コラム75:パパとママからの手紙が私の支え~当たり前なんてことはない~
私は先天的に靭帯がゆるい「ラーセン症候群」と言う病気で生まれてきました。すごく珍しい病気で、生まれてすぐ大阪の子ども専門の大きな病院に行ったのですが、そこでお医者さんに「この病院では3例目」と言われました。 私は、1歳になるまで両足首、両膝、両股関節の手術をしました。その後は、一…
コラム74:家族を大切に思い一生懸命介護するからこそ 虐待してしまうプロセスを断ち切りたい~家族による高齢者虐待を防止する活動を求めて~
-コロナ禍で、介護を必要とする方とその家族のあり方が変わってきていると伺います。川内さんは、企業から委託を受け、従業員のうち家族介護にあたる方からの相談支援等に携わっていらっしゃいますが、まずは、なぜそのような活動をするに至ったのか、きっかけを教えてください。 以前、私は訪…
コラム73:いきかた〜生きかた・活きかた・逝きかた〜を支える地域であるために
あたりまえは、あたりまえではない。そのことに気がついた時には、あなたはすでに何かを失ったり、まわりで変化が起きたりしてしまっていることが多いのではないでしょうか。あたりまえがあたりまえではなくなったとき、人は大きなストレスを抱えますし、それは社会も同様です。まさしく、今のコロナ禍においては、誰しも…
コラム72:エンドオブライフ・ケア協会様へのプロボノ活動を通じて学んだこと
日立グループ企業プロボノプロジェクトとは 日立グループでは、日立グループ・ビジョンの実現こそCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)と位置づけ、持続可能な社会を実現すべく、本業を生かした社会課題の解決を目指しています。その一環として、認定NP…
コラム71:問いを立て、集い、共通の目的を持って共に動き出す
私は、大阪市北区で司法書士の業務を行いながら、ELC東大阪の一員として活動しています。 ELC東大阪は、かわべクリックの川邉正和医師、川邉綾香看護師を中心とするグループで、私は法律専門職のエンドオブライフ・ケア援助士として参加しています。 今回は、「非」医療・介護職で…
コラム70:~患者と医療従事者が苦しみを理解することによって厳しい医療現場を乗り越えていくかすかな希望~
私は新潟県在住で、デュシェンヌ型筋ジストロフィー症という病気を抱えています。呼吸する力や心臓を動かす力や飲み込む力が弱くなっていく病気です。現在でも平均寿命は30代前半と言われています。入院生活の中で医療従事者が心の声を聞くことが苦手なことを痛感していたので、医療従事者がどうやったら心の声が聞ける…
コラム69:エンドオブライフ・ケアの活動に寄せて
エンドオブライフ・ケア協会(ELC)との出会いは通勤途中に聞いていたラジオでした。エンドオブライフの研修を探していた私はさっそく調べて申し込み受講しました。 私の看護師としての経験は救急が一番長く、救急の現場では何人もの人の最期に出会ってきました。突然の心肺停止で運ばれてくる方に…
コラム68:報道現場に立つ私の“御守り”
それは13年前のこと。エンドオブライフ・ケア協会の設立の“種”をまく小澤先生に、私は出会いました。当時、私は30歳。報道番組のディレクターとして7年目の若手で、新聞や雑誌をめくっては、何か番組で取り上げるべきテーマはないか…と探す日々を送っていました。そんな時に目にしたのが「いのちの授業」…
コラム67:私の作業療法実践を支えるエンドオブライフ・ケアの学び
コラム67:私の作業療法実践を支えるエンドオブライフ・ケアの学び 清藤クリニック クリニックマネージャー 野尻明子さま (ELC第5回生、認定エンドオブライフ・ケア援助士、認定ELCファシリテーター) 現在、私は作業療法士(OT)として、クリニックの他にも、特別養護…
<死を前にした人にあなたは何ができますか?>
2015年7月に第1回のエンドオブライフ・ケア援助者養成基礎講座を開催しました。あれからもうすぐ5年を迎えます。一貫してこだわってきたことは、難しい専門用語ではなく、多くの人がわかる言葉で、何をしたら良いか、伝えることでした。 事例紹介 42歳女性のAさん。末期癌と診断され、担当医よりあ…
<始動します>
2月頃から続いていたコロナ騒動も、さすがに4ヶ月も経つと、新しい日常に変わりつつあります。この数年、毎週末は各地方で人材育成活動をしてきましたが、2月からは自粛しなくてはいけませんでした。 しかし、立ち止まるわけにはいきません。今まで以上に、それぞれの地域で苦しむ人は増えています。この3ヶ…
<20年前から変わらないこと>
今から20年前に書いたコラムを紹介します。前任のホスピス病棟で出会った患者さんから学んだことです。 「医療は治すことが目的でしょう。だから治すことができない患者は、医療の対象ではないと思うのです。あきらめるしかないのでしょうね。」 鍛冶屋の職人として生きてきたその人は、本当の病名を…
<固定観念を疑う>
みなさん、ご無沙汰しておりました。久しぶりの投稿です。 さて、今回はイベントの紹介です。テーマはずばり、「固定観念をぶちこわそう」です。 新型コロナウイルス感染拡大は、いままでの価値観を大幅に変える機会となりました。仕事のあり方、幸せとは、いのちに順番がつけられるのか…。今まであたりまえ…
ありがとう
今朝、一人の人を見送りました。つい、先日41歳の誕生日を迎えたばかりでした。その人の人生を表す言葉と言えば、[耐]とお母さんは話されていました。 最期まで笑いの絶えない家でした。 誕生日には友人達からの最高のビデオメッセージが流れました。 私はあまり訪問の様子を紹介することはほ…
<学びの機会を広げるためにオンラインでできることを>
6月になりました。緊急事態宣言も解除され、徐々に人々が街にでかけるようになりました。とはいえ、いつ第2波がくるかわかりません。以前のような集合研修を安心して開催できる状況ではありません。 それでも苦しむ人の力になりたい人のために学びの機会を提供していきたいとの思いは、以前にもまして強くなっ…
<時代の2歩3歩先を読み、1歩先の行動を起こすこと>
つい半年前の常識が、まったく通じない世の中になりました。本当であれば、今頃はオリンピック・パラリンピック開催にむけて、世界の人達が日本に来る準備で慌ただしかったことでしょう。海外からの旅行客が日本の経済を押し上げる夢も、あっという間に消えてしまいました。 いつも心に留めることは、時時代の2…
<副島先生からのメッセージ>
副島先生から、皆さんへ、メッセージが届きました。 今回のテーマはは、『ふあんの受けとめ』です。 病気と闘っている子どもさんたちと向き合ってきた副島先生ならではの、あたたかなメッセージです。 不安は、自分を守るためのあたりまえの反応 “立ち向かう”だけではなく、“はなれる…
<どちらを選んでも後悔するジレンマが課題です>
意思決定支援での課題の1つは、どちらを選んでも後悔することです。 心不全の悪化を認め、息苦しさを訴えている義母のこれからの療養について、このまま施設でできるかぎりの治療を行うのか、それとも入院して治療を行うのかを判断しなくてはいけない場面があります。 もし、入院したら、認知症のある義…
<休日診療所にて思うこと>
今日は、久しぶりに休日診療所にて、外来を担当しています。驚くことに、今まであたりまえに受診されていたであろう感冒の患者さんが、ほとんど来院されません。 売薬などで、自宅で静養されているのかと思われます。休日診療所の役割は、あくまで平日に診療をされているかかりつけ医の代診なので、処方をしても…
<たとえあなたに支えとなる誰かがいなかったとしても、あなたは誰かの支えになれる>
核家族が進み、単身生活の人が増えてきました。様々な理由で、1人で困難と向き合っている人がいます。仕事が順調で、多少の困難があっても、解決できるときには、自分に支えを必要としていると感じてる人は多くはありません。 ところが、どうしようもないほど大きな困難が目の前に現れると、状況は一転します。…
<たとえ思い通りにいかなかったとしても、全ての希望を失うわけではない>
2020年は、春も夏も甲子園で開催される高校野球の大会は中止となった歴史的な年となりました。 今までどれほど苦しくても、どれほどつらくても、厳しい練習に耐えてきたのは甲子園に行くためであった。そのような高校球児の夢ははかなくも消えてしまいました。 特に高校3年生にとっては、もう2度と…
<愛の反対は 無関心です>
新型コロナウイルスに感染すると、その重症度によってホテルでの隔離か、病院へ入院して治療をうけるか、療養場所が変わります。 共通することは、自由に外に出られないことです。 もし皆さんが、何かしらの理由で自由に部屋の外に出られない状況に陥ったら、どんな思いになるでしょうか?散歩するこ…
<いつでも捜しているよ どっかに君の姿を…>
なぜ大切な人を失うと悲しくなるのでしょう? まもなくお迎えが近くなり、意識も薄れていく中で、私たちは本人と家族にどのように声をかけるとよいでしょうか? このような問いに、簡潔に答えることができるでしょうか? 私がこだわってきたことは、一部のエキスパートだけが行える援助ではなく、…
<なぜ副島先生の鼻は赤いのだろう?>
副島先生との出会いは、もう何年になるのでしょうか。テレビドラマの主役になるような雲の上の人でした。ある医療とメディアとの学習会の懇親会の席で、サシでお酒を飲みながら話を伺ったときに感じたことは、その熱量は、半端ない(他人のことを言える立場ではないのですが…)ということでした。 これほど苦し…
<今 私が笑えるのは 一緒に泣いてくれたキミがいたから>
キャンサーペアレンツの西口洋平さんが5月8日に旅立たれました。35歳でステージ4のがんと診断される中、つながることで前向きに、声なき声を届け、生きやすい社会を実現したいと考え、キャンサーペアレンツを立ち上げました。2016年に、社会起業塾に応募されたとき、私もエンドオブライフ・ケア協会のメンバーと…
<さぁ立ち上がろう!そして、夢をおいかけよう!>
新型コロナウイルス感染拡大で苦しんでいる人が笑顔になれるように!とのスローガンに反対する人は、ほとんどいません。しかし、実際に何をしたら良いか、具体的に言葉にできる人は多くはありません。その壁を越えていきたいと思います。 これだけ地域に苦しむ人が増えていくということは、一方で、苦しむ人の力…
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